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アリプロの思い出

アリプロ。

アリプロだ。

今日はアリプロを思い出す日にしよう。
お付き合いくだされ。

識名が中学生の頃。
厨二病的アニメを観漁っていた頃。

兄貴が「.hack GU」というアニメを発掘してきて、「一緒に観よう!」とのたまった。

アニメ自体は普通に面白く観たが、

なんだ、このEDは。

ありえないだろ。聴いたことないぞこんな音楽。なんだこれ。
なんだこの歌詞。なんだこの映像。誰だこの女の人。

濃すぎる世界観に、中学生の識名さんは虜になってしまった。

それは周りのオタク友達も同じだったようで、
当時親友だったAちゃんに至っては、
学校の先生に向かって歌詞の解説を始める始末。

いや、気持ちはわかる。
あの湿っていて閉じた世界観は、中学生の精神状態と絶妙に密着するのだ。

そして、自分達が今まで聴いてきたJ-popとは全く違った(というより異次元の)歌詞。
もう、本当に本当に、衝撃的だった。

さらに識名を沼らせたのは、ボーカル宝野アリカさんのエッセイ文だ。

今はなき「ゴスロリバイブル」というゴスロリファッション専門の雑誌があったのだが、そこに稀にアリカさんが文章を寄稿する回があった。

そこに書いてあった文章。

「私は、小さい頃から想像の翼を羽ばたかせていた」
「母に読み聞かせをしてもらっている時、窓辺に差す月の光を眺めていた」
「それが想像の世界の入口だった」

はっっっ、、、、、っっっ

「私は特別、そう思っていいのよ」
「でも、繭の中にいるだけで生きていけるほど、世界は楽じゃない」
「だからこそ教養を身につけなさい」

ううっっっっ、、、(嗚咽)

「あなたはどこにだって行けるはず。」
「ヘッドドレスを兜に、フリルを鎧に、この世界に飛び出して行こう」

ウ、、、、ウグ、、、、、、(号泣)



ファンタジーの世界に生きる若者に対して、大の大人がここまで真剣にエールを送ることって、そんなに沢山あることだろうか。
しかも雑誌を使って。


芸術をやっていると、現実世界に嫌悪を覚えやすくなる。

あわよくばずっと、イマジネーションの世界に閉じこもっていたくなる。

それは多分、どの芸術家でも、大なり小なり持っていると思う。
(江戸川乱歩のエッセイにも似たようなことが書いてあった)

識名は、まさにそういう子供だった。

そこで、

「この雑誌を読んでいる子は、そういうイマジネーションを持っているだろうな」


アリカさんはそれを的確に見抜き、
とても繊細に、ドラマチックに、
そして、思いやりを持って書いてくれたのだと思う。

この言葉は、識名の心の底にいまも優しく響いている。

そして、名曲「KING KNIGHT」の歌詞にもはっきりと書いてくれている。

いざ行かん 甲冑の鋼を照り返し
つわものどもが夢の跡を
心を覆い尽くす盾を取り払えよ
見えない国境はすぐそこに
地獄の底から 声がきこえても
”まだまだ夜明けは遠かろう”

https://www.uta-net.com/song/56429/


アリプロ=厨二の権化

という言説が定着しているが、
私は中学生という、想像力豊かな時期にアリプロを大量に摂取して、かえってラッキーだったと思っている。

皆んなもアリプロちゃんと聴いてみてくれ!!
かなり面白いよ!!!


オタク話でした。えへ。



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