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100の言葉よりも1冊の本(ライティング・ゼミ課題)

こんにちは、エミリーです。

現在、天狼院書店の「「超」ライティング・ゼミ」を受講しています。そこで週に1回提出している記事をこちらにも投稿しています。

今回、7/5締め切り分の第13回の課題を投稿します。

果たして今回はホームページ掲載されるのでしょうか。


ーーー本文ここからーーー

「昨日もまたビール飲んでる……」

朝、キッチンにビールの空き缶を見つけるたびに私はため息をつきながら、空き缶をゴミ箱に捨てた。

起きてきた夫をつかまえて、
「また、ビール飲んでるの? 休肝日はどうしたの?」
と問い詰めていた。

「家事をやるにはビールを飲まないとやってられないんだよ。それにストレス解消になるんだよね」
と夫はゴニョゴニョ答えていた。

私と夫は30代で、4歳と1歳の子どもたちを育てながら、2人ともフルタイムで働いている。
夜、私は子どもたちと一緒に寝て、残った家事は夫がやっているのだが、その時にビールを飲んでいるようだ。

私は風邪をひきやすいし、何度か入院したこともあるので、健康に気を使っている。
一方、夫は入院したこともないし、風邪も1日で治すぐらいの超健康体。
そのため、自分の体のことに無関心だ。

健康に関するテレビや本などで、アルコールを毎日取るのはよくないとよく言われているのを知っている。

「このまま飲み続けたら、肝臓の病気になったりアルコール中毒になったりするのではないか……」
「アルコール中毒になったら大変なことになる」
「今はまだ若いからいいけどそのうち大きな病気になるのではないか。せっかく健康な体なのにもったいない。」

私はそう心配している。

毎日ビールを1、2缶飲んでいて、今のところ実害があるわけではない。
それどころか
「お酒を飲むことで体がシャキッとして、家事が進む」
と言っていて、実際に家事はちゃんとしてくれている。

私はお酒飲んだらダルくて全く動く気がしないが、本人がそう言っているからそうなのだろうか。
また、仕事が大変なのでストレスが溜まるのもよくわかる。

でも、このままだと体にいいはずがない。
まだ子どもが小さいし、この先一緒に長生きしたい。

そこで、
「毎日ビールを飲むのは体に良くないから、ビールの量を減らして欲しい。
あと、毎日飲むのをやめてほしい。確か休肝日は必要って何かで言ってたよ」
と毎日いい続けた。

でも一向に改善しない。
毎朝起きるたびに私がビールの空き缶を片付けていた。

ある日、
「そんなこと言うけど、誰がお酒が体に悪いって言ってたの? 「酒は百薬の長」っていうから少しなら体に良いんじゃないの?」
と言われてしまった。

「確かに医者でもなんでもない私が言っているだけでは説得力がないよな〜、でも「酒は百薬の長」は違うってなんかの本に書いてあったような……」
「そうだ! 確か家に『ブレインメンタル強化大全』という健康について書いてある本があったはずだ」

早速その本を持ってきて目の前で読み上げた。
「「酒は百薬の長」は最新化学では嘘。お酒は、飲めば飲むほど健康に悪い」
「純アルコール摂取量で1日に20g、週100gまではOK、と書いてあるから、まあこの缶を1日に1本ならいいかな。でもそうなると飲めるのは週に5日だね」
「こっちのページに、休肝日が週に2回必要って書いてあるからさっきの説明とピッタリあっているね」

「その本誰が書いたの? 信憑性あるの?」
と聞かれたので、
「精神科の先生だけど、論文とか本とかいろいろ調べて本を書いているからかなり信憑性が高いよ」と自信満々に答えた。

その晩、リビングにその本を置いて、いつも通り私は先に子どもたちと一緒に寝た。
さっき読み上げたページには付箋をしてある。

次の日の朝起きると、
「昨日の本、パラパラ読んでみたよ」
と夫が言うのを聞いて、心の中でガッツポーズをした。
もしかしたら読んでくれるのではないかと思って、置いておいたのだ。

そして、ビールを1日に1缶、休肝日は週に2日になったかというと……

そんなに簡単には変わらなかった。
相変わらず朝ビールの空き缶を片付ける日が大半だ。

でも意識はしてくれるようになった。
「次のお酒はアルコール度数が低いのにしたよ」
「2本飲みたかったけど、1本にしておいたよ」
「昨日は飲まなかったよ」
と言ってくれる時もあった。

人が変わるのには時間が変わる。
そして、他人を変えることはできない。
そう考えると、今は夫が自分で変わるのを待つしかないのかもしれない。
それでも納得した知識として知っているのと知らないのでは、きっと効果が違うはずだ。

こういう生活習慣のアドバイスは家族とか親しい人からいうと意固地になってしまって、変わってくれないことが多い。

でも、本という専門家からのアドバイスは、説得力があり相手の心に響きやすいと思う。

もし、大切な家族が心配なら、そっとリビングに本を置いてみてはいかがでしょうか。読んで欲しいところに付箋を貼っておくのも忘れずに。

ーーー本文ここまでーーー

今回なんと掲載していただきました。嬉しいです!

なんとなく交互に掲載と不掲載を繰り返しています。評価者が交互に変わるのもあると思いますが、自分の中でもスルスルかけるものとそうでないものがあり、不思議です。

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ありがとうございます

エミリー



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