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読書記録

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2022年12月の記事一覧

今年の読書をふりかえってみて

最近、ウェルベックの本を何冊か読んでいて、思うことがありました。 男尊女卑な男性キャラクターって小説に頻繁に、ごく当然のごとく登場するけれど、女尊男卑な女性キャラクターってあんまり見かけないなあ、と。 男性に張り合おうとか、負け惜しみとか、弱い立場だからこその強がり、単純に男性嫌いみたいな意味での男性に対抗する女性キャラクターはある。でもごく自然に、あたかも当然のごとく、女性の方が男性より優れた存在である、と確信し行動している女性キャラクターってあまり見かけません。逆に、

初めてミシェル・ウェルベックを読むなら 『地図と領土』

間違いなく現代フランスで最も著名な作家のひとりであるミシェル・ウェルベック。しかし私の中ではどちらかというと筆者のスキャンダラスなイメージだけが先行してしまっていて、今まで著作を手に取ることがありませんでした。 読まず嫌いはよくありません。 フランスで最も権威のある文学賞、ゴンクール賞を2010年に受賞した『地図と領土』は、筆者の煌びやかな名声に負けない確かな読み応えのある一冊でした。 主人公は若きアーティストのジェド。とある作品がとある人物の目に止まり、一躍時代の寵児と