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シリーズ 昭和百景 「昭和のキャバレー王 福富太郎の記憶に残る、鹿鳴館を支えた“もう一人の女”」

 太平洋戦争の開戦を翌年に控えた昭和十五(一九四〇)年三月、東京・日比谷で、密やかに工事が行われていた。明治以来の近代化黎明期の日本外交を支えた「鹿鳴館」の解体である。これによって、明治という時代の残影は、太平洋戦争への戦意高揚の空気のなかで名実ともに霧消することとなる。

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