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名前が載った時のテンションが学級のバロメーター

教育サークルまほろばでは、noteにて「紡ぐ学級通信」マガジンを発行しています。
ついに、本記事で50本目となりました。
マガジンには学級通信に関する記事が49本あります。
ぜひご覧ください。


学級通信を渡す時に、子どもたちの反応を見る。
様子はさまざまです。
写真を食い入るように見ている子。
タイトルを読んでいる子。
号数に「もうこんなにでたんかぁ」と感嘆する子。
中でも一番多いのが「自分の名前を必死に探す子」です。

過去の「紡ぐ学級通信マガジン」に通信に名前が載る喜びについて書いてあるものがあります。

年間を通じて通信を書く教師からすれば、何十分の一、何百分の一かもしれませんが、受け取る子どもにとっては、大きな価値のある一枚なのかもしれません。

書いたものを通信に載せられるってシンプルに嬉しい

学級通信は全員が見ています。
保護者も見ています。
そこに”いい意味”で自分の名前がのっていた。
そんな経験を一度でもすれば、「今日こそは自分が載っているかも」と身を乗り出して学級通信を読むであろうことは容易に想像できます。
学級通信で「褒められたい」気持ちを見てとることができます。


しかし、中には、自分の名前が通信に載ることを嫌がる子もいます。
スポットを浴びたくないということです。
高学年になるほど、多いのではないでしょうか。
悪い意味で目立っているならまだしも、いい意味で名前が載っているはずなのになぜなのでしょう。

要因としては、いくつか考えられます。
・周りからどう思われるか心配
・自分の中で自信のないことが載っている
・過去に目立って失敗した経験がある など
おそらくそうした子には褒め言葉もなかなか伝わりにくいのではないでしょうか。
正面切って褒められることを少し斜に構えて受け取ってしまう。
そのような状態だと学級通信に名前が載っても逆効果になってしまいます。
目立つことでその子の心理的安全性を阻害してしまうのです。

まぁそういう子もいるよね、という意見ももっともなのですが、「いいことで目立つことが心理的安全性を阻害する」という状況が果たして、良い状況なのでしょうか。いいことをしても後ろめたい気持ちでいる環境は果たして良い空気感なのでしょうか。

私は学級通信は学級のバロメーターであると思っています。
学級通信に名前が載って嬉しいと感じれる状態であれば、きっと授業も学級経営も軌道に乗っているのではないかと思うのです。
逆に学級通信に名前が載っていやだと感じる状態であれば、きっと授業も学級経営もそのような空気感があるのではないでしょうか。
褒め言葉をちゃんと正面から受け取れる状態が正常な心理的状態です。

先日発行した学級通信を紹介します。
1年生の「どうしてかというと」という授業です。

最後に「なぜかというと」の文を書いた子は、通信を配ると飛び上がって喜び、何度も何度もその部分を復唱していました。
帰り際までずっと。
家に帰って大喜びで親に見せたことは容易に想像できます。

この子が喜ぶであろうことは通信を書いている段階から想像していました。
そもそも、授業の時にもここは大いに褒めた部分だったからです。
書いている時は、
あの子をみんなの前で価値づけてあげたい。
みんなから尊敬の眼を送られるスポットの当て方をしたい。
自信満々にお家の人に通信を渡す姿をお家の人にも見せてあげたい。
そんなことを思っていました。

一年生だから大喜びできるんだろう、というのはもちろんあると思います。
でも、他の学年で学級通信を渡した時にも同様のことはよくありました。
自分の名前を子どもたちは必死に探します。
特別な載り方をした時にはにやけ顔を隠しきれません。
そのような状況を生み出すことができるチャンスが学級通信です。
あの子のにやけ顔を見たい。
その一心で通信を書いています。

ただ、名前を載せる。
そこからもう一歩先に踏み込んで、あの子の笑顔を思い浮かべながら書く。
通信を書くことはあくまで手段です。
1番の目的は、子どもたちを価値づけること、そして、笑顔にすること。
そこを一番に持っておくことが大切なのではないかと思っています。

そうすればきっと、「褒められたくない」「通信に載りたくない」というような状況は無くなっていくのではないかと思います。
上っ面の褒め言葉に子どもたちは敏感です。
上っ面でなく、心からのプレゼントを学級通信という形で子どもたちに渡したいと思っています。


ここでちょっと気になる方もおられると思うので、関連リンクを。
個人の名前を載せて、そんなの差が生まれるだろうと思われた方はぜひこちらをご覧ください。


お読みいただきありがとうございました。

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