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クラス解散に学級通信は欠かせない〜言い残さないために〜

言い残したことはないよな。
大丈夫だよな。
よしっ!
さようなら!!

といった後で「あぁ!あれを言い忘れた!」「これをやろうと思ったのに!」と後悔したことはありませんか。
また、逆に「しゃべりすぎてちゃんと伝わったかな」と不安になったことはありませんか。
私はどちらもあります。笑

特に、クラスの解散である修了式の日をうまくスケジューリングし、伝えたいことを伝え切るために進めることはベテランのような経験則も必要になるでしょう。

とはいえです。
経験則は、一朝一夕に身につかないから経験則というのであって、我々若手には高望みな話です。

そこで、学級通信を使います。
これ、非常におすすめです。
最後、紙を見ながらしゃべるの?と思われる方もいるかもしれませんが、そうです。
紙を読みながらしゃべります。

ヒントは、高橋優先生の本にありました。
この本ではこんなふうに書かれています。

私が素敵だなと思うスピーチは、結婚式での花嫁のスピーチです。決して大きな声でもないし、スピーチを暗記しているわけでもありません。でも、聞いている参列者の心に届くスピーチになっています。

クラスの雰囲気をつくるスピーチ指導/高橋優

これを読んで確かに!となりました。
テレビ番組だって、感動のシーンで手紙を読むことは超王道展開です。
学級最後の別れのシーンに、手紙の代わりに学級通信を読んだって、なんら不思議でもありません。
なんなら、この日だけ学級通信を発行する、としても不自然はないでしょう。
つまり、学級通信を書くチャンス。

私はこういう緊張した場が苦手なのですが、こうして学級通信を書くことで、過不足なく自分の思いを伝えられるようになりました。
学級通信ならば、その内容を時間をかけて考えることができます。
写真なども入れられます。
親にも伝わります。
思い出にもなります。
いいことづくしです。

最後を盛り上げることは非常に重要です。
「終わりよければ全てよし」ということわざは、心理学的にも証明されています。
ピークエンドの法則といって、人間は物事のピーク(1番の感情の盛り上がり)とエンド(終わり)を一番覚えており、それらが全体的な影響を決定づけます。
最後のイメージが良かったかどうかは、その事象全体の印象に関わってくるのです。

ハリボテのように、つくられた「演出」で最後を盛り上げることは過剰ですが、今まで積み重ねてきたものを適切に思い出し、振り返り、このクラスでよかったと思えるような「演出」をすることは、「あぁこのクラスでよかった」「気持ちよく終われた」と児童が思える工夫です。

ある年の修了式の通信を紹介します。
最後の通信を読んでいる時には、涙を流す子もいました。


通信を読むタイミングは、配り物や通知簿など、諸々の作業を全て終えた後です。
最後のさようならの直前、15分前くらいです。
なぜ、そんなに長く時間をとって読むかというと、これには仕掛けがあります。

裏面の「さて、・・・」という文章のところの前に行間が空いています。
ここは、一時的に通信を置いて、子どもたちに最後の一言をしゃべってもらう”間”です。

自分の言葉で、クラスの友達に話すことで、最後が「自分ごと」になり、一層その場は「別れの場」になっていきます。

学級通信の最後は、歌詞で締めていますが、この曲は2学期に転出した友達のためにこっそり練習していた曲でした。
曲を歌えてもその歌詞を子どもたちは深く考えていないものです。
歌詞はプロが作ったものですから、やはり胸に響きやすい言葉が使われています。
使わない手はありません。
胸を打つ歌詞とは少し違ったとしても、思い出のある曲であれば、心を動かすことは間違い無いでしょう。

時間の調整次第ですが、もし時間が長く余ればみんなで歌ってもいいでしょう。
(この通信の年は最後歌う時間は取れなくて、通信を読んでさようならになりました)

別れの演出方法をまとめます。

①学級通信で担任からクラスへのメッセージをまとめよう

②修了式の日の、最後のさようならの直前に学級通信を読もう

③通信の途中で子どもたちにしゃべってもらう時間をつくろう

④もしあれば「思い出の曲」を組み込もう

もちろん学級通信は、他の場面でも「花嫁のスピーチ」的に使うことができます。
口下手な先生にほど、学級通信はおすすめです。
必ずしも「何も見ずにしゃべる方が伝わる」というわけではありません。
むしろ、精査された文章を読むからこそ相手に伝えたい思いを伝えられます。
大事なのは、そこにどれほど自分の本心がのっているかです。
花嫁のように心からの言葉であれば必ず相手に伝わります。

最後の学級通信の中身を書く流れについては、わいぬさんが丁寧に記事を書いてくださっているので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

また、ひろきさんが、保護者に発行する学級通信についても詳しく書いてくださっています。こちらもグッとくる通信です。

一番大事なのは熱量です。
熱量があれば、それはちゃんと子どもたちに伝わります。
ただし、自分の熱を効率よく相手に伝えるための手法は吟味する必要があります。
その”熱伝導率”を上げるのが学級通信です。
それは、最後の瞬間に限らず学級のどんな場面でも言えることです。


マガジン「紡ぐ学級通信」では、オンライン教育サークル「まほろば」のメンバーが学級通信に関する記事を連載しています。

伝えたい思いは、多岐にわたります。
「ほめること」「物申したいこと」「価値づけたいこと」「共有したいこと」
このマガジンがあなたが学級通信を書く手助けになれば幸いです。


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