見出し画像

初めて小説を書き上げた時に「これのおかげだな…」と思った本・経験・ツール

先日、生まれて初めて小説を書き上げました。
→ 書き上げた小説はこちら。Webサイト "ステキブンゲイ"にて公開中です -> 春休みが終わる前に

そのとき、「これのおかげで、最後まで書き上げることができたな…」と思った本や経験、ツールを紹介します。

物語の作り方を教えてくれた本

『シナリオ・センター式 物語の作り方』https://www.scenario.co.jp/online/32501/

この本にたどり着く前に、「SAVE THE CATの法則」の本を読んで、(僕でも書けるかもしれん…)という気持ちは持てていました。
ですが、物語を構想・設計する段になって、途方に暮れました。
振り返って考えてみると、SAVE THE CAT〜の本は、紹介している技法が多彩なので、僕には選択肢が多すぎたのかもしれません。

それに対して、本書は、日本人にお馴染みの「起承転結」と対応付けて説明しているなど、日本人の初心者に優しい記述だと思います。

なお、書き終わった後に読んだ
『マンガ脚本概論』

も、同様に分かりやすかったです。特に、著者(さそうあきら)によるマンガの作例が豊富なのが良かったですね。

構造のある長い文章を書けるようにしてくれた経験

「一定以上の分量の文章を書く」ことを計画して、さあ書くぞと手を付けたものの、1日に書けた分量と、さらに書くべき分量を見比べて、がっかりしてしまうことがあると思います。私がそうだったんですけど。

なので

「書くべき分量に圧倒されながらも、地道に毎日少しずつ書いて、最後には書き上げる」

ということが出来るようになっていると、小説も書き上げられるようになる、のではないでしょうか?

私の場合、社会人になってから入学した通信制の大学院で、修士論文を書いたのが、良い経験になりました。

学術論文には定型的な構造があり、その構造に従って、自分の研究を論文にしなければなりません。自由に好きなことを好きなように書いてはいけないので、窮屈といえば窮屈です。
しかし、型に従って、枠に文章を当てはめていくことになるので、「今、書ける箇所を、書ける分だけでも書こう」という進め方ができました。

結果、1日に400字しか書けない日があっても、「今日は大事なポイントを書けた」「昨日うまく書けなかったところを文章にできた」などの手応えを感じながら、執筆を進められたのです。
そうやって少しずつでも着実に進むことができたので、気がつけば半分を超え、残り4分の1ほどになり…、最後には、論文が出来上がりました。

構造のある長い文章を書けるようにしてくれたツール

修士論文を書いたとき、役に立ったのが、Scrivnerというツールです。
文章を執筆できるのはもちろん、全体の構想、登場人物の設定についてのメモ、プロットやシーンのラフスケッチといった、小説の部品の全てをこれ一つで作成・管理できます。

Windowsでも、Macでも、iPadでも動作しますし、データをDropboxで保存できるので、自宅でも出先でも、複数のPCを使って執筆できます。

小説の執筆にあたっても、これを利用しました。全体の構造を見ながら、思い付いたシーンや描写を少しずつ書く。すると、書けていなかった部分に関するアイデアが思いつくので、次の日に書く。すると、またアイデアが思いつく…

そんな良いサイクルが回ったのを覚えています。

才能があってもなくても、技法やツールは利用できる

高校生や大学生の頃、なんとなく「物書きになりたいなあ」と思ったとき、僕は文章というのは「才能があれば書けるのだ」「書ける人は才能があるのだ」と思っていました。

でも、最近は、「才能があろうがなかろうが、技法やツールの使い方を学べば、ある程度は書けるようになるんじゃないか?」と思っています。

今回紹介した本やツールと、僕が書き上げた小説が、他の誰かを後押しして、この考えを証明する例になったらいいなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?