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勝手に1日1推し 198日目 「マティス 自由なフォルム」

「マティス 自由なフォルム」国立新美術館     芸術

昨年のマティス展から時を待たずして、再びのマティス。同作家を扱わないとしていた私の謎ポリシーを曲げてお届けするレビューとなります(←知らんがな)。だって、良かったんだもん。昨年と全然違かったんだもん。ロザリオ礼拝堂が再現されてたんだも~ん!

素敵でした。
どうやら、前回の回顧展とは異なり、ニース市のマティス美術館に所蔵されている作品群が見られる展覧会となっていたようです。晩年の切り紙絵が多く展示されておりました!
私の好きだった彫刻「ジャネット」シリーズがまた見れて嬉しかったですが、それ以外はほとんど被っておらず(一部の切り紙絵を除く)、新しい作品を見ることができます。
作品数がそんなに多くなかったので、余裕をもって展示してあり、混雑も気にならず見易かったです。

ダイナミックな初期野獣派らしい絵画は大胆な色彩でやっぱりいいですね。「マティス夫人の肖像」なんて、シルクスクリーンかよ!ウォーホールかよ!ってなるほどモダン。カンヴァスからはみ出した構図の「ロカイユ様式の肘掛け椅子」、最高でした。実物の椅子の展示と共に見ることができて、よりマティスの物の見方と解釈、曲線、立体へのこだわりを知れた気がします。
使用していたパレットの展示にも興奮しました!絵具で汚れた机とともに、命を感じました!!かっけー。

それから、本展の見どころ、晩年の大きな作品群が素晴らしかったです。
壁画とか高い所に描く時、長い竹竿を使うの、冷静に見ると笑っちゃうのは私だけでしょうか?
どうしても掃除に見える。又は、高枝切りばさみ。おもろい。

タペストリー案の「タペーテータヒチ」、ザ・マティスでデカくて良き。

デッサンと色彩の永遠の葛藤の解決

とした切り紙絵への到達もあっぱれ。最高かよ!
自然をモチーフにシンプルにデザインとして洋の東西に関わらず、年齢に性別に関わらず、全人類が好感を持つであろう潔い単純明快さが心に響きます。可愛いし、かっこいい。

メインビジュアル、且つ、超有名な「ブルー・ヌードⅣ」。間近でみれて感激!何枚にも貼り合わせたブルーの紙。重ねて貼り合わせることで、人間らしい立体感と躍動感が感じられると思います。「波」(トップ画像)もいい!
「花と果実」は想像以上の大きさで驚きました。ちまちま切って貼る「切り紙絵」の概念がぶっとびました。固定概念に捉われない自由さこそクリエイティビティで、それを形に出来るのがアーティストなんですよね。
陶板作品も手掛けていたなんて全く知りませんでした。ひたすら新しい挑戦をし続けて、巨匠と呼ばれる人たちって生涯現役過ぎない?!

個人的には文芸春秋の表紙が良かったです。モダンな切り紙絵をバックにドドンと「文藝春秋」の縦書き文字。時代的にジャポニズム風潮な西洋美術界との相性の良さが伺えるデザインとしての漢字。合う!!!

んで、いろいろ手掛けて、どんどん単純化していって簡素化していって、筆1本黒で描く禅画みたいな境地に辿り着いたロザリオ礼拝堂の壁画。いいなあって思いました。ホント素敵。国民性か、黒い線に親しみ!

十字架降下

そして、前回知って大のお気に入りとなった上祭服。今回6種類全てが展示されていたので小躍りしました。どれも可愛い!
なんと!ナイスなポストカードとしてもグッズ化。買っちゃった!考えた人天才。物販チームさんに感謝。見て欲し過ぎて貼る!

POST CARD kawaii 

そして最後にメインイベント(?)、再現されたロザリオ礼拝堂。

総合芸術としてデザインした
芸術家として自らの生涯の到達点にして精神的到達とみなした

んですって。前回、光とともに感じたいと願ったマティスイズムを実際、肌で感じることが出来てるなんて、私って幸せ者。ずーっといたかったです。前も言ったけど、死ぬまでに実際に冬の11時の礼拝堂内に存在したい。無報酬だったとのこと、集大成だったんでしょうね。

目にも心にも、とても楽しい展覧会です!春の陽気にぴったりの明るい展示の数々です。

ということで、推します。


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