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【超抜粋シリーズ】(目次11-20)書籍『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』のポイントを抽出してみました


【超抜粋シリーズ】書籍『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』のポイントを抽出してみました(目次11-20)いろいろ興味の幅が広すぎて読書の時間がなかなか捻出できない方、
書籍を購入する前に立ち読みならぬ、座り読み?で少しだけ読んでみたい方、
などなどにお勧めしたい【超抜粋シリーズ】です。


今回は、
書籍『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』

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さあ、始まり、始まり。
=== 超抜粋(始まり) ===

11|自分の感情に従うのはやめよう

自分の気持ちから距離を置く方法

心理学には、「自己内観における錯覚」という言葉がある。自分の思考を省みるだけで、自分が実は何に向いているかとか、何にもっとも幸せを感じるかとか、また自分の人生の目標や人生の意義までもが徹底的に究明できるという「思い込み」を表す言葉である。

自分の「感情」を分析してみても、よい人生にはつながらない。

それにしても、どうして自分の「感情」を分析するのは、これほどやっかいなのだろう?
理由はふたつある。

ひとつ目は、どれだけ自分の心の声に聞き耳を立ててみても、どんなに深く自分の内側を分析しても、その結果を遺伝子にコピーして次の世代に伝えることはできないからだ。
進化の観点からいえば、自分の感情を把握するより、他人の感情を読むほうがはるかに重要だ。
人間は「自分の感情より他人の感情を読むほうが得意」だということは、すでに事実として立証されている。

自分の感情分析がうまくいかない、ふたつ目の理由は、あなた以外にあなたの心の決定権を持つ人がいないからだ。

そう考えると、自分の感情を深刻にとらえすぎないほうがいい。特にネガティブな感情は重く受けとめなくていいのだ。

ギリシアの哲学者たちは、ネガティブな感情を取り除いた心の状態を「アタラクシア」と呼んだ。落ち着き、心の安らぎ、揺るぎのなさ、冷静さ、平静さを表す言葉である。アタラクシアに到達した人は、不運に見舞われても取り乱すことはない。

もうひとつ上の階段が、感情を完全に排除した状態を意味する「アパティア」である。
アタラクシアもアパティアも、なかなか淘汰できない「理想の境地」だ。

でも、安心してほしい。私はあなたにそういう境地に達することをおすすめしようとしているわけではない。それよりむしろ、人間は自分の感情にもっと疑いを持ち、感情から距離を置き、遊び心のある新しい関係を自分の心と築くべきではないかと思う。

遊び心を持って、ネガティブな感情との「リラックスした付き合い方」を見つければ、完全な心の安らぎを得られるとまではいわないものの(実際にそんなものを得られる人はそもそも存在しないだろう)、ある程度の落ち着きを手に入れることはできる。

「周りの人の感情」は常に真剣に受けとめるべきだが、「自分の感情」とは真面目に向き合う必要はない。
自分の感情は、あたりを羽ばたかせておけばいい。どっちみち、感情というものは、自由気ままに行ったり来たりをくり返すものなのだから。


12|本音を出しすぎないようにしよう

あなたにも「外交官」が必要なわけ

本音をあけすけに語ることをあまり重視しすぎるのはやめた方がいい。理由はいくつかある。
まず、私たち自身、自分のことを本当にわかっているとはいえない。
そんな私たちが自分の本音を語ることにどんな意味があるだろう?

ふたつ目の理由は、本音をあけすけに語っても、自分をこっけいに見せるだけだからだ。
自分の心のうちを語っても尊敬は得られない。口にした約束を果たすからこそ尊敬されているのだ。

3つ目の理由は、細胞のつくりを考えてみるとよくわかる。細胞は生命の基本単位。どの細胞も、細胞膜に包まれている。有害な物質の侵入を防ぎ、バリアを通過させる分子を正確に選別するのが細胞膜の仕事である。生物レベルでもやはり、同様の働きを持つ同じような仕組みがある。動物には皮膚があり、植物には樹皮がある。外側との境界のない生物は長くは生きられない。

私はあなたに、アイゼンハワーのようにこうした「二番目の人格」をつくりあげることをおすすめしたい。それには、本音を出しすぎず、約束したことを守り、あなた自身の信条に従った行動をとれば十分。それ以外のことは、他人からはほとんど注目されない。

もしあなたがこの「二番目の人格」をつくることに違和感を持つなら、こう考えてみてはどうだろう。どの国にも「外交政策」があって、「外務大臣」がいる。あなた自身を「ひとつの国」と考え、外の世界に向けたあなたの外交政策を詳細に書き出してみるのだ。
「外交官」を務めるのは、あなた自身だ。あなたの「内政」と「外政」の両方を、いわばあなた自身が兼務するのである。

人々が外務大臣に期待するのは、約束を実行すること、協定を守ること、大臣にふさわしい態度をとること、陰口をたたかず、不平を言わず、少なくともある程度の礼儀はわきまえていることである。

そういうバリアがあれば、あなたの内面も安定する。どんな境界線にも当てはまることだが、「外の世界」との区切りが明確になれば、「内側の世界」のこともはっきりと理解できるようになる。


13|ものごとを全体的にとらえよう

特定の要素だけを課題評価しない

ノーベル経済学賞を受賞した心理学者のダニエル・カーネマンは、次のように説明している。
フォーカシング・イリュージョンとは「特定のことについて集中して考えているあいだはそれが人生の重要な要素のように思えても、実際にはあなたが思うほど重要なことでもなんでもない」という錯覚を表す言葉だと。

人生における「特定の要素」だけに意識を集中させると、その要素が人生に与える影響を大きく見積りすぎてしまう。

自分の人生を、できるだけ距離を置いてとらえてほしい。いまはとても重要に思えるのが、全体図にはほとんど影響を与えないほどの小さな点になっていくのがわかるだろう。

よい人生を手に入れたければ、ときには「広角レンズ」を通して、その全体を眺めてみることだ。


14|買い物は控えめにしよう

「モノ」より「経験」にお金を使ったほうがいい理由

フォーカシング・イリュージョンの作用を受けない「高級品」も存在する。それは「経験」だ。すばらしい何かを経験すると、その喜びは、頭の中にも心の中にもとどまりつづける。
だからあなたも、「モノ」を買うよりも、何かを「経験」することに投資をしたほうがいい。

ちなみに、覚えておいたほうがいいのは、「仕事も経験のひとつ」だということ。

すばらしい経験を重ねることが、幸せな人生につながる。

私たちは「モノ」が与えてくれる幸せの効果を過大評価し、「経験」が与えてくれる幸せの効果を過小評価している。
モノで得られる喜びは時間とともに消えていく。だが、経験で得られる喜びは、ずっと心に残りつづける。


15|貯金をしよう

経済的な自立を維持する

世帯年収が10万ユーロ(約1200万円)を超えると、追加収入が幸福度に与える影響はゼロになる。

基本的な需要が満たされてさえいれば、生活がより豊かになっても幸福度は変わらないのである。

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