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英語力は、心臓が毛深くならないと上達しないことを肌で知りました。

わたしの山あり谷ありのイスラエル道中記では、今のところの部分の楽しかったことしか書いてきていませんが、もちろんの部分の、嫌なことや、辛かったこと、怒ったこともいっぱいありました。

主な原因は、英語力のなさ

英語力のつたなさからくる混乱

イスラエルの公用語は、ヘブライ語、アラビア語に英語。
キブツに来る前にこのどれかで最低限のコミュニケーションが取れるのは必須とのこと。

なのでイスラエルに行く前の2ヶ月間トロント(カナダ)に語学留学して、英語の特訓をしてからキブツに行きました。

語学留学という名だけど、放課後はほぼ毎日午前様で遊びまくったお陰で(わたしの初級レベルは午後の授業だったので昼近くまで寝れた)、少なくとも意思の疎通がとれるくらいの英語力は付いたと思っていました。が。

イギリス経由でイスラエルに行く前にロンドンに10日間滞在した間に、トロントでついた英語力の自信はぺっちゃんこに。

まずホテルの人の言葉が全然聞き取れず愕然
道に迷って通行人に道順を聞いても全然聞き取れず、指差す方向まで歩いては角ごとに人に聞いては指差す方向へ・・・というやり方でロンドンを歩き周りました。

英語が全然わからない!まずい。焦る。

そんな時、地下鉄(Tube)で、一目でテキサスからの人たちと分かるカウボーイハットをかぶった中年カップルがお向かいに座った時に、なぜか話しかけられて世間話をしたのです。
どこから来たの?みたいな会話から始まって。

その時、彼らのテキサス訛りのアメリカ英語が一字一句聞き取れた時、とてもホッとしたのを覚えています。

これで単にわたしはイギリス英語を聴き慣れていないだけだと気がつけたのは助かった〜。
2ヶ月のトロント生活での英語習得が無駄になったわけではなかったと。


キブツでのお隣さん

キブツで同期のイギリス人のボランティア同士でお隣の部屋になったのが、カーラとカロラインの二人。ボッティチェリのビーナス誕生の絵を思わせる、金髪巻き毛の美人さんはカーラ、おすましさんの第一印象。
茶髪巻き毛のカロラインは、カーラよりも親しみやすく、話し方もフレンドリー。
二人ともまだ18歳だって!

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その二人はロンドンのウィンブルドン出身で、下町英語のコックニーアクセントを早口で捲し立てる・・・が、発音がまるで分からないっ。

特に、TERが語尾につく単語。例えば、
ウォーター Water >英コックニー:ウォッアァ
バター Butter >英コックニー:バッアァ
ベター Better >英コックニー:ベッアァ
マターMatter >英コックニー:マッアァ
Can you pass me the jug of water? が、キャンニューパスミーザジャグオブワッアァ?What's the matter? が、ワッツァマッアァ? まじ分からない。
聞き取れなくて、すみませんもう一回言っての「パードン?」の連発の末「フォゲッイッ」forget it あぁもう忘れて、とか、もういいよ、な意味で投げやりに言われて会話おしまい。
めげる瞬間。結局何を言われたのか分からずじまいで不完全燃焼

言い逃れカーラと口喧嘩

私の部屋とお隣さんの部屋は、バスルームが真ん中で繋がって共同で使う仕様だったのですが、なぜか私の部屋から外へ出るドアの鍵が見つからなく、このバスルームを通らないと外に出られなかったのです(2週間後になって様子を見に来た別のキブツの人に事情を話すと、ドアの枠の上に鍵が置いてあったのを呆れ顔で教えてくれたので解決しましたが)。

それなのに頻繁に、主にカーラがバスルーム使用後に私の側のドアの鍵をかけっぱなしにしてくれたので、その度に出られなくなり、窓をよじ登って出なければいけなくなることが何度か続きました(窓の外には灌木が繁っていたので、出るのは難儀でした)。

その度に「気をつけてよ」と文句を言うと、「ソォ〜リィ〜、ネ〜バマイン〜ド」と軽くかわされては同じことを繰り返す毎日。
このNever mindは、和製英語のドンマイっぽい使い方ながら、彼女がよく使っていたシチュエーションでは、無責任な気休めや言い逃れワードとして連発していた印象でした。

このドアの鍵の件以外にも色々。
わたしの苦情を真摯に受け止めず、わざとらしく口先だけ謝っては同じことを繰り返しての迷惑千万だったため、ある日キレました。すると、それ以来まともに取り合ってくれるようになりました。

今分かるのは、苦情を言うときに辛辣で効果的な言葉は、ハウデァユー!How dare you!?
わたし的な意訳は「ふざけんじゃないわよ!」ってところでしょうか。

これを言うと、たいていは襟を正してこちらの意見を聞いてもらえる、または聞かせられる便利ワードだけれど、気安く使わないように。

ただ、この当時はこの言葉を知らなかったので、別の言い方で激おこの表現を試してはみました。問題は、そこまで言うまでの心の葛藤を克服し、それを英語でどう表現するかを、持参した辞書とにらめっこしながら調べまくる過程を何回繰り返せるか、かと思います。


悔しい思いと対峙して克服するたびに英語力が上がる

悔しい思いをする度に、次に似た場面で即座に言い返せるよう反論ワードを何通りか調べあげて、準備万端にする。結局それを使う機会が来なくても、学んだ言葉は今後のボキャブラリーの持ち札にできるはず、というのがわたしの経験論です。

これを繰り返していると、気がついたら以前なら心が折れてたような状況にもめげずに即座に言い返し、対処できるようになっていました。
気分的に心臓の皮が厚くなって、毛深くなってきた感じ。

それ以来、障害物を克服する度にもっと毛深くなり、今はもうイェティ並だと自覚します。障害物とは、結婚(=夫婦喧嘩)、就職、出産、子育て、そして私の場合はそれに障害児のケアが加わり現在に続きます。 もう毛深くなりすぎて、Adam's FamilyのCousin Ittのようになってしまってる感でいっぱい。

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次の記事は、エルサレムに向かうバスで隣の席の女の子にじろじろ見られた件でも書こうかと思います。見てね。ほな。

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