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記録と記憶のジレンマ ① 【アイドルライブ撮影の記録レベルについて】

このタイトルを見て、すぐにあの曲をパクったなって感づいたあなた、間違いなく48ヲタですね。
パクったのではありません、オマージュですw(*1)

初っ端から脱線しました m(_ _)m
本題は、アイドルライブでの撮影についてです。

長い間アイドルのライブやコンサートを撮影することは、商業的に依頼されたプロにのみ許された特権でした。
一般のファンが手にすることができるライブの記録は、音源はレコードやCD、映像はビデオやDVD、写真は雑誌や写真集などの紙媒体など。
いずれにしろ公式から発売されるものを購入するしかありませんでした。
例外的に、デパートの屋上(死語だな…)などで開催される新曲発売イベントなんかで、カメラ小僧(*2)が撮影して雑誌に投稿するとかありましたが、それはごくごく一部のマニアの領域でしたね。
なので、ライブやコンサートは個人で記録を残すことなんか考えず、見て楽しんで記憶に残すものでした。

ところが、いつのまにか状況は一変して、多くのライブでアイドルを一般人でも気軽に撮影できるようになっていました。

その背景にはテクノロージーの進化や環境の変化があったと思っています。

①アイドル数と現場の爆増
AKB48が登場する前後辺りから、ローカルアイドル、ライブアイドルが多数登場してきます。
ライブハウスや小規模のホールで、それも東京だけでなく地方都市でもアイドルライブが頻繁に開催されるようになり、ライブの現場が飛躍的に増えましたし、撮影可能なライブやアイドルも数多くでてきました。

②デジカメの普及(特にデジイチ)
デジタルカメラの登場で、ライブ撮影のハードルが一気に下がりました。
特にデジタル一眼レフが旧来のフィルムカメラと同等以上の性能を持つようになり、オートフォーカス、望遠レンズが使え、なにより撮影枚数を気にせず連写できるようになったのは画期的でした。
動画も写真と同じ機材で撮影できるようになったのもドラスティックな技術革新でしたね。

③写真や動画を公開できる環境
X(旧ツイッター)などのSNS、YouTubeなどの動画配信サイトで、気軽に簡単に撮影した写真や動画を公開できるようになりました。
昔は素人が撮影した写真を公開する手段は、カメラ雑誌や写真展のコンクールに入賞するとか、写真展を開くとか、自主出版で写真集を出すとか、限りなくハードルが高かったのですが、そのハードルが一気に低くなりました。
いやハードルなんてもはや無いも同然です。

ライブやコンサートで静止画・動画を撮影することは、記録を残す行為になります。
ただ記録にも色々なレベルがあります。
今ヲタクが個人で残せる記録には3段階のレベルがあると思っています。

記録レベル1【記念撮影-Snapshot-】
ライブの合間にちょこちょこと撮影する程度で、あくまでもライブ鑑賞がメイン。
公開できるようなきれいな写真じゃなくても、自分で見てわかればそれで十分。
撮影した記録は記憶の補助になります。
ライブの衣装や髪型が映像で残るし、ちょっとした動画ならライブの雰囲気もわかるし、会場がどんな場所だったかとかの付属情報も残るので、後で見返したときにその時の記憶を呼び覚ます触媒になってくれます。

記録レベル2【作品撮影-Photograph-】
写真や動画をSNSで公開することを念頭に置いて撮影するレベル。
撮影枚数が桁違いに増え、撮影している時間も長くなり、撮影後の後処理にかかる手間も格段に増えます。
ライブ写真をSNSで公開する以上、やはりいい写真を撮りたい、と思うのは当たり前。
推しているアイドルの魅力を知ってもらいたい広めたいという気持ちもあるし、自分はこんなにいい写真を撮れるんだよという自己アピールでもありますから。
思い出してほしい、あの橋本環奈ちゃんのブレイクのきっかけが、SNSの1枚の写真だったことを。
(もちろんそれだけではなく、本人の才能や努力とか言い出したらきりがないのだが)
アイドルの写真をSNSなどで公開するカメラヲタクの頭の片隅には、その成功事例が頭の片隅に絶対ちらついているはずw

記録レベル3【動画撮影-movie-】
動画には写真とは別次元の記録能力があります。
時間軸と音声軸の2軸が追加されることで、写真に比べて飛躍的に情報量が増えるからです。
その情報量は記憶を超えて来ることもしばしば。
現場では気が付かなかった出来事や見のがしたシーンを後から見返すことができます。
写真撮影では撮影してない時間はライブ自体を見て楽しむことが出来ますが、手持ちの動画撮影を始めるとずっと機材を操作しているので、どうしてもライブを見て楽しむ余裕がなくなります。
固定カメラという奥の手を使えば、ライブを楽しみながら撮影するという両立が可能ですが、それはそれで色々制約があるし不満が出てきます。(そのあたりは次投稿で詳しく)

ここまで、最近のアイドルシーンにおける撮影や記録について、自分なりの考えをまとめてみました。

私は昔カメラを趣味にしてたんですが(もちろんフィルムカメラの頃、40年近く前)、思うところがあってカメラを置きました。
もちろんコンパクトカメラ、最近ではコンパクトデジカメやスマホで普通に写真は撮るけど、いわゆるカメコ的な撮影からは距離をおいてたんです。
ところが最近になって、アイドルちゃんを撮影したい、って欲が出てきてカメラ熱が再発し、カメラの世界に戻ってきちゃいました。
ある悩みのあげくカメラを辞めて、今また戻ってきて、そのおかげで昔と同じ悩みを持ってしまっているんです。
そんな個人的事情については、次の投稿で書きたいと思います。

To be continued.

(*1)記憶のジレンマ
この書き出しの意味がわからない方は、「記憶のジレンマ」で検索してもいいですし、読み飛ばしてもらってもかまいません。
「記憶のジレンマ」はAKB48の初期のひまわり組公演第2弾「夢を死なせるわけにいかない」公演の公演曲です。
数あるAKB48グループの公演曲の中でも大好き度ではトップ10にランクインする私の神曲です。
流れるようなメロディーラインが印象的な楽曲です♪
他にもこの公演には「夢を死なせるわけにいかない」「森へ行こう」など数々の名曲があるのですが、語りだすと長くなりますし、本稿には全く関係ありませんので割愛します

(*2)カメラ小僧
今一般的に使われている「カメコ」という呼称は「カメラ小僧」の略称です。
色々と説はあるかもですが、昔はあまりいいイメージのない、どちらかというと蔑称に近い呼び名だった印象が強いです。
なので、今のアイドルちゃんたちが「カメコ」と書いてるのを目にしたり、公式でさえ「カメコさんの写真を」とか発信しているのを見ると、なんとも言えない複雑な気持ちになります。
ヲタクという呼び名が昔は良くないイメージだったのと同じです。

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