見出し画像

夢うつつにいる友人

親友と呼んでもいいだろうな、と思える仲の友達が、3年前に急死した。

今までに経験のないサイズで驚きが来て、徐々に悲しくなっていって、いったん持ち直すも電車に揺られている朝とか一人になってしまった夜とかに、また抱えきれない大きさで悲しみが戻ってくる。

お葬式に行けなかったのです。友人本人のスマホのロックが解除できず、誰にどこまで連絡したらいいかご親族は分からなかったみたい。それでもSNS伝いに連絡がはいっていたのだけれど、そのSNSはあまり見ていなかったので気付かなかった。珍しく1か月も遊んでいなかったから、今月は早く遊ぶ約束しなきゃーと思っていた矢先の出来事。

丸3年経った今年の春に子どもが産まれて、母子共に落ち着いてきたので墓参りに行った。
おしゃれな人だったから花は可愛いのを選ぶようにしていて、でも今回は子どもがいていつものお花屋さんに行く時間がなかったから、家の目の前のおじいちゃんが店番する街の花屋さんへ。カンパニュラとクレマチスと、ラベンダーカラーのトルコキキョウ。全然可愛い。

桜の香りのお線香を供えながら手を合わせる。
産まれたよ。

亡くなる少し前に、2人でバカ話をしてた。結婚したい人はいないけど子どもは欲しいから、そしたら私たちお互いに出産の立ち合いしよう、とか何とか。
あの頃のふんわりとした照明、その場だけの笑いの雰囲気を、今でも夢に見る。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?