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何百年先の幸福

1‘

今も昔も、俺には君だけだった。

そう…君だけだったんだ…

300年前…君と出会った時

君のその淡色の髪…

2‘

人が転けると嬉しそうに笑う君。

僕も何回も笑われた。

でもそんな彼女は嫌いじゃない

楽しそうに笑う君を見てると

僕は嬉しい。

3‘

君の目が好きだった…

優しい目だった。

でもいつも冷たい目をしてた

それでも暖かい人だった。

4‘

君の指が好きだった。

細くて長い指…

手を握ると、

握り返してくれる。

5‘

君の口元が好きだった。

笑う口が可愛らしくて、

膨れる頬と尖る口が可愛い。

キスすると口角が上がる。

6‘

君の声が好きだった。

落ち着いていて…

心地よい声…

名前を呼ばれるのが好きだ。

7‘

全てが大切な思い出

忘れたくない思い出

楽しい思い出

苦しい思い出…

8‘

君は僕の腕の中で

眠ってしまった…

永遠に…

健やかな顔で…

9‘

泣いて、泣いて

叫んで、声が枯れるまで叫んで

死にたくて、死にたくて

自分の胸にナイフを何度も刺した。

でも死ねなかった。

10‘

僕は…“不死者”だから

死にもしなければ、

歳も取らない…

心臓は動いてない

11‘

歳月が経ち、君の名前も…

顔も思い出せない、でも

⚪︎「カーテンの〜…裾の辺り〜…窓辺の床〜…底冷えする〜…真冬の夜〜…ベッドの中〜…」

君が好きだった、歌…

この歌を口ずさむと思い出だけが蘇る。

12‘

⚪︎「ぁ…この匂い…」

奈々未だ…奈々未?

奈々未って誰?

どうして、この匂いを懐かしいと

感じた?

13‘

どうして…こんなにも胸が締め付けられる

心臓は動いてないのに…

涙が溢れ出て、止まらない…

奈々未…奈々未…

14‘

そうか…思い出した…

僕が愛した女性…

橋本奈々未…

僕を愛してくれた人…

15‘

あの後ろ姿…見覚えが…

⚪︎「あの!

?「はい?」

⚪︎「お名前を聞いても?」

?「ぇ…誰ですか?」

16‘

⚪︎「ぁ…いえ…知り合いに似てたもので…」

?「……飛鳥です…齋藤飛鳥…」

⚪︎「そうですか…」

飛鳥「良ければ、その人の名前を聞いても?」

⚪︎「橋本…奈々未…です」

17‘

飛鳥「そう…あなたが…」

そういうと微笑む、齋藤さん。

⚪︎「ぇ…」

“ふわっ”

飛鳥「あなたが〇〇さん…私の最愛の人…」

18‘

僕を抱きしめる齋藤さん。

飛鳥「あなたは私の夢の中に何度も、何度も現れて…愛してくれた…私は橋本奈々未ではないけど…その魂は引き継いでる」

⚪︎「っ…じゃ…」

飛鳥「そうだよ…私は橋本奈々未ではないけど…橋本奈々未でもある…私(彼女)は何度も転生を繰り返して…何度もあなたを夢にみた…」

19‘

⚪︎「本当に君なのか…っ…」

飛鳥「そうよ…そう…あの頃の私ではないけど…」

⚪︎「それでも…いい…っ…君に触れられるなら…」

飛鳥を抱きしめる〇〇。

飛鳥「帰りましょう…私達の家に…」

⚪︎「あぁ…」

20‘

〜〜〜〜〜

21‘

君の目が好きだ…

優しい目をして

僕を見つめる君の目が…

22‘

君の指が好きだ。

細くて長い指…

僕の頭を撫でてくれる。

23‘

君の口元が好きだ。

可愛らしい口で

僕の額にキスをおとしてくれる。

24‘

君の声が好きだ。

落ち着いた…

心地よい声で

僕の名前を呼んでくれる。

24‘

そんな君が僕の腕の中で眠っている。

ちゃんと…生きて…

僕の側にいる…

もう…離さないよ

25‘

この作品はフィクションです。

実在の人物や団体などとは関係ありません。

またこの作品内の表現や行動はあくまでも、

作品内での表現・行動なので実際に行っても、

一切の責任は取りかねますのでご了承ください。

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