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優しさとは

1‘

僕はバス停が道路を挟んで、

向かい側のここで絵を描いていた。

そんなある日、君に出会った…

道路を挟んだ向こう側にいて、

2‘

腕には紙袋を抱えて、

少し離れたところでバスを待っていた。

そしてバスがきた時、そんな君を邪魔するかのように、

紙袋が破けてラ・フランスが転がった。

僕がもっと感情的に動いてたら?

3‘

もしかしたら君はバスに間に合っていたかもしれない。

だけど彼女は淡々とアスファルトにしゃがんで、

ラ・フランスを集めてた

そんな彼女を周りは憐れんだような目で見ているだけ、

4‘

僕は何故だかそんな周りに対して怒りを覚えた。

それは何故なのか?

多分その答えを私は知っている。

彼女はそんな憐れんだ目を気にしてないような顔で、

立ち上がりまたバスを待っていた。

5‘

僕は思う

やさしさとは何なんだろうか?

直ぐに、君の元に駆け寄る早さか?

それとも君を慰める事か?

6‘

僕はスケッチブックをカバンにしまうと、

向かい側の彼女の元に行く。

⚪︎「あっあの!」

奈々未「はい?」

7‘

⚪︎「こっこれ…よかったらどうぞ!」

そう言って、大きめのエコバックを彼女に差し出す。

ああ…僕は何で、君に話しかけてしまったんだろう。

そんなの何でかなんて、答えはわかっている

8‘

奈々未「……ありがとう」

⚪︎「いえ!さっきはごめんなさい!」

奈々未「えっ?」

⚪︎「果物を拾っているときに来れなくて」

奈々未「あぁ…あなたが謝る事じゃないし」

9‘

彼女はそう言うと、紙袋からラ・フランスを

エコバックに詰め替えると、1つ、僕に差し出してくる。

奈々未「はい、お礼」

⚪︎「き、気にしないでください!」

10‘

奈々未「いいから」

○「ありがとうございます……」

ラ・フランスを受け取ると。

用事がなくなってしまい、少しの沈黙が生まれる。

それを破るように彼女が喋り出す。

11‘

奈々未「なんで…助けてくれたの?」

⚪︎「それ、は…君が」

奈々未「私が…?」

⚪︎「落ちてしまった涙を…隠すように何もない顔して拾っているように見えたから……」

12‘

奈々未「っ……⁉︎」

⚪︎「僕にはその理由はわからないけど、そんな君を見ていたら動けなくて…でも我に返って、君のところに駆け寄ってしまった」

奈々未「ふふっ…これは新手のナンパ?かしら」

⚪︎「いっいや!そんなつもりじゃあ!」

13‘

奈々未「あら?そう、残念」

⚪︎「あ、う、いや、うぅ…」

奈々未「ふふっ…あははっ!あなた、面白いわね!これからお茶でもどうかしら?」

⚪︎「っ!!はい!行きたいです!!」

そう答えなんてわかっていただ

君を見た瞬間…君に恋していた

14‘

_____

15‘

奈々未「これが私とパパの出会いよ」

飛鳥「へぇ〜、可愛いじゃん、パパ」

奈々未「でしょ?」

⚪︎「勘弁してくれ…恥ずかしい…」

16‘

奈々未「ちょうど、彼氏に振られて、両親が離婚した後だから落ち込んでて」

飛鳥「それに気づいたんだ、パパ」

⚪︎「まぁ…何かあると思ったけど、内容までは…」

奈々未「ふふっ」

17‘

⚪︎「まぁ、奈々未には悪いけど、振られてよかったけどね」

飛鳥「え?」

⚪︎「だって、振られてくれなかったら、綺麗な奈々未を奥さんにできなかったし、こんな可愛い、娘も生まれなかったからね」

奈々未「〇〇💕」

飛鳥「パパ💕」

18‘

“ピトっ💕”

⚪︎「ふ、2人とも?」

飛鳥「はぁはぁ、好き💕」

奈々未「本当に可愛い💕」

2人の愛を受け取る、〇〇だった。

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