見出し画像

花言葉

1‘

〇〇は不定期的にプレゼントをくれる。

それは花をモチーフにした物ばっかりでどれもセンスが良くて私は好き。

私にくれる時、いつも笑顔で『ありがとう』って言ってくる。

私が貰っているのにおかしいなーって思ってた

だけど〇〇の笑顔を見るとなんでかは聞かなかった。

2‘

そんなある日…〇〇は病院を辞めると言った。

急な事だった。

○「俺… 病院辞めるわ…」

奈々未「えっ…」

3‘

私は唖然とした

病院のお昼にそんなことを言われた私達。

特に飛鳥の胸元の服を握りしめていた。

4‘

飛鳥「どうして!」

みなみ「飛鳥…落ち着いて!」

飛鳥「落ち着いてられないよ!!何で!」

〇「っ…ごめん?」

ただ〇〇はそう言うだけで理由も言わずに〇〇は病院を退職した…

5‘

それから4ヶ月が過ぎたある日

新内院長から〇〇が癌で亡くなったと告げられた…

皆んな、私も含めて状況が飲み込めていなかった…

それから現実を受け入れられないまま、御葬式の日になった。

6‘

親族に挨拶して最後に〇〇のお母さんに手紙を渡された。

その手紙には私達に対しての想いと謝罪だった。

そしてその時にお母さんから〇〇は花が好きだったと聞かされた。

私はお母さんから言われた言葉に引っ掛かりを感じた。

7‘

なぜ私に〇〇が花が好きだったと言ったんだろ…

そう思い…考えて〇〇から貰ったプレゼントをテーブルに並べてみた。

そしてふと〇〇が昔言っていた言葉を思い出した。

8‘

○「俺さ…花言葉が好きなんだよね」

奈々未「そうなんだ~」

私はすぐに携帯で貰った物を貰った順に花言葉を調べた

9‘

青い薔薇のブローチ
『一目惚れ』

赤い菊の琹
『あなたを愛してます』

霞草のイヤリング
『夢心地』

カラー模様のワンピース
『夢のように美しい』

10‘

これは〇〇が病院にいた頃くれたプレゼントだ

〇〇の私に対する想いを知れて嬉しかった。

病院を退職した後も亡くなる直前までプレゼントを送ってくれていた。

その花言葉を見ると病院にいた頃とはうって変わった花言葉だった。

11‘

ハルジオン柄のペン
『追想』

黄色のチューリップ柄の帽子
『永遠の愛情』

ピンクの薔薇の小袋
『感謝』

勿忘草のドライフラワー
『私を忘れないで』

12‘

私はいつの間にか泣いていた…

〇〇どんな思いで病院を辞めたのか…

苦しい思いで私達に何も言わずに去って

私にも想いを告げず私もそれに気付かなかった…

13

1人で苦しかったでしょ?

1人で辛かったでしょ?

ごめんね?気づかなくて…

私も〇〇が好きだよ…

だから今からそっちに行くね?

14‘

私は〇〇を追おうとした…

気が動転してたんだと思う。

だけど何処からか声が聞こえた気がした…

その言葉を聞いた私は手に握りしめていた包丁から手を離した。

15‘

奈々未「っ…〇〇っ…はぁ…ぐすっ…あぁあぁあ!!(泣)」

"ばかっ!今、こっちに来たら許さないからな!俺は永遠に愛してるから!ちゃんと人生を楽しんでからこっちに来い!"

それからその何週間後に〇〇から私宛に108本の薔薇の花束が届いた

その花束の中には紙が添えてありこう書かれていた

『結婚して下さい』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?