見出し画像

35歳のおじさんの僕がパパになりました

やぁ…僕の名前は鈴木〇〇…35歳

何処にでもいる、サラリーマンだ。

彼女もいない、これと言った趣味もない。

そんな僕に娘が…出来ました。

それは1週間前の事…

○『はぁ!?どういうこと!?おばさん!』

伯母『その子達の母親が失踪して、私が保証人になったんだけど私も歳でしょ?だから頼れる人にお願いしようと思って!』

○『それでも僕の許可もなしにいきなりなんて!』

伯母『いいじゃない〜!彼女いないんでしょ?』

○『いないけど…』

伯母『ならよろしくね〜!』ピッ

○「あっ!ちょっと!はぁー…どうすんだよ…」

遥香「深川遥香って言います…高校1年生です」

さくら「さくらです…同じく1年生です…」

聖来「聖来です!中学3年生です!」

あやめ「あやめ…小学六年生…」



○「あははっ…」

遥香「すみません…私達の母のせいで」

○「いや…君達のせいじゃないよ…それに君達のお母さんも君達を何の理由なく置いていく人じゃないし」

遥香「鈴木さんは優しいんですね」

○「僕の事は〇〇でいいよ、一応家族になるんだし…まぁ好きに呼んで」

聖来「ならパパやな!」

○「パパ!?」

聖来「だめなん?」

さくら「私もパパって呼びたい…」

あやめ「あやめも…」

遥香「だめでしょうか?」

○「あぁ!好きに呼んでくれ!!」

全員『やった!!』

こうして僕は4人のパパになった。

そして今に至る。

遥香「パパ!ご飯だよ」

○「ありがとう」

さくら「今日の味噌汁はさくが作ったの」

○「ズズッ…うん、美味しいよ」

聖来「来月に授業参観あるんやけど、来れる?」

○「調整してみるよ」

あやめ「パパ…時間大丈夫?」

○「あっ!やばっ!ごめん!もう出る!」

遥香「あ!パパ!」

○「どうした?」

遥香「お弁当!作ってみたんだ」

○「えっ!ありがとう!お昼に食べるね」

遥香「うん!」

○「行ってきます!」

全員『行ってらっしゃい〜!!』

家を出た〇〇。

ー会社ー

○「おはようございます」

美月「〇〇さん♡おはようございます!」

美波「〇〇係長、おはようございます」

○「山下さんも、梅澤さんもおはよう」

美月「美月でいいですってばぁ〜♡」ぎゅっ

○「ちょっ!」

美波「コラ!美月!離れなさい!」

2人は僕が係長をしている【総務経理部備品係】の部下だ。

2人は仕事が出来るのに備品係に志願したらしい。

こんな冴えないおっさんにもちゃんと挨拶してくれるいい部下だ。

2人は凸凹に見えるが良いコンビだ。



○「今日も頑張ろう」

2人「はい!」

数時間後……

○「昼か…」

美波「係長は今日も購買ですか?」

○「今日はお弁当だよ」

美月「えっ!?」

美波「なっ!?美月!」

美月「うん!」

ー2人会議ー

美波「どういう事?」

美月「〇〇さん、今までお弁当持ってきた事ないよね!?」

美波「みて!あのお弁当!」

○「美味しそうだな〜」

美波「絶対に係長が作ったやつじゃない!」

美月「で、でも!〇〇さん!料理はするって!」

美波「中身のフードケース!絶対に係長が選んだ奴じゃない!あれは女性が選んだやつよ!」

美月「じゃあ!〇〇さんに彼女が出来たっていうの!?」

美波「わかんないよ!」

○「2人とも?」

2人『は、はい!?』

○「お弁当食べないの?」

2人『食べます!』

モヤモヤする2人だった。



○「終わった〜!お疲れ様です〜」

〇〇は身支度を済ませると真っ直ぐに帰宅する。

“ガチャ”

○「ただいま〜」

さくら「おかえりなさい」

○「ただいま、さくらちゃん」

さくら「今日はさくがご飯を作ります」

○「ありがとう!」

僕は夕食が出来るまで暇なのでお風呂に入り、明日の準備をする。

そうしてると遥香ちゃん、聖来ちゃん、あやめちゃんが帰ってきた。

聖来「今日はさくら姉のご飯や!」

あやめ「あやめ、遥香お姉ちゃんのご飯も好きだけど、さくらお姉ちゃんのご飯も好き!」

さくら「ありがとう〜」

遥香「さくらのご飯は私より美味しいからね!」

なぜかドヤ顔の遥香。

○「食べよっか?いただきます!」

全員『いただきます!!!』

聖来「また美味しくなったなぁ〜!」

あやめ「あやめ、この白和(しらあえ)すき!」

遥香「私もレパートリーを増やしてるけど、さくらはそれ以上だからな〜」

○「モグモグっ…」

さくら「そんな事ないよ…トマトソース作る時なんて作りすぎちゃうし」

○「モグッ…そういう時はトマトジュース使うといいよ」

さくら「トマトジュース?」

○「トマトジュースを鍋で沸騰させて切ったトマトを入れて潰す、ジュースには適度な塩分が入ってるから茹でるパスタに塩を入れる必要もないし、ジュースが余ったらそのまま飲めるしね」

遥香「ほうぇ〜」

聖来「詳しい…」

さくら「お料理するんですか?」

○「一応…」

あやめ「食べたい!!」

○「休みの日にね?」

あやめ「やった〜!!」

夕飯を美味しく頂いた僕たちは各自お風呂に入ったり歯を磨いたりして就寝する。

まさか…僕に娘ができるなんて…世の中わからないよな…1週間経っても驚いてる。

でも4人とも良い子でよかった…

○「それにしても…引っ越さなきゃな…」

遥香「すぅ…すぅ…」

さくら「もう…みたらし団子は…食べれましぇん…むにゃ」

聖来「すぅ…愛が…足りひ〜ん…すぅ…」

あやめ「そこはだめ…むにゃむにゃ…」

同じ部屋で狭い…


4人のパパとなった〇〇、大きめの部屋を借りる決心をするのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?