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一歳の差

1‘

私の彼氏は大分変わっている。

○「絢音はさぁ……一生追いつかないよね」

絢音「……はっ?」

ほら、急にこんな事を言い出す。

2‘

〇〇は特に主語ない主語が

だからいきなりで私がいつも困惑する。

絢音「どうしたの?」

〇「絢音はさ?同い年じゃない」

3‘

絢音「まぁそうだね」

そう、私は1999年3月5日生まれで

〇〇は1998年6月17日生まれ。

4‘

○「僕はいつも思うの…早生まれって事実、同い年ではない気がするんだ」

絢音「は、はぁ……」

○「だってさぁ…どんなに望まなくても望んでも絢音が僕と"本当"に同じ歳にはならないから」

5‘

私の中でハテナがいくつも浮かび上がっていく。

ネガティブな事を考えているのは確かなんだろうけど

なぜこのことに至ったのか…全くもって見当がつかない。

6‘

○「僕は思うんだ…一歳しか変わらない僕達の間には確かに一歳の年月があって、老いもあって記憶も思い出も先になくなっていく…」

絢音「…………」

○「そう思うと僕は絢音に会えたことに感謝しなきゃいけないと思うんだ」

7‘

絢音「〇〇…?」

○「だからね?絢音は絶対に僕よりも長生きしてね?」

私は〇〇の言葉に疑問を抱いたまま何も聞かずに過ごしていた。

8‘

______

9‘

ー50年後ー

○「絢音……?」

絢音「どうしたの?」

○「絢音…は僕といて…幸せ…だった?」

絢音「うん…幸せだったよ」

○「そっか……なら…よかった……」

10‘

そう言った、〇〇は75歳でこの世を去った。

別に何のこともない

病気でもなければ事故でもない。

言うなれば天寿を全うした。

それだけ……

11‘

私はまだまだ〇〇のいない世界で生きていくのだろう。

〇〇との思い出に囲まれながら…

そして、私は95年という長い年月を生きた。

ひ孫まで見ることが出来た。

12‘

私もこの歳になって……最後になって

やっと…あの頃〇〇が言っていた事がやっとわかった。

あの時の事を〇〇にあったら聞いてみよう。

そう思い私は眠りについた。

13‘

______

14‘

絢音「〇〇っ‼︎」

○「絢音…」

絢音「待った?」

○「待ってないよ…もう少しゆっくりしてからくればよかったのに」

15‘

絢音「これでも95歳まで生きたんだよ?」

○「絢音なら100歳まで生きると思ったよ(笑)」

絢音「久々に会ったのに抱きしめてくれないの?」

○「ふふっ…もちろんキス付きで…チュっ」

16‘

絢音「〇〇っ……」

○「絢音が生きた歳月を教えてくれる?」

絢音「うん!私もこの世界での〇〇を教えて?」

○「色々あったよ」

17‘

〇〇…この世界でも

私を愛してね?


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