見出し画像

元人妻との同居生活

1‘

“カタカタ”

〇「………」

“カタカタカタカタ”

同僚1「す、すごい集中力!」

同僚2「しかもかなりの仕事量!」

2‘

〇「ふぅ…終わった」

僕は生田〇〇(21)

高校卒業後、大企業に就職して

3年で企画部主任になった。

3‘

正直、他の人より仕事はできると思う。

もちろん会社は仕事できるだけじゃ務まらないから

僕がすごいってわけじゃないけど

それにしても1週間分の仕事をしてしまった。

4‘

これで1週間は在宅ワークでも大丈夫だな。

お金も地位も人望もある程度はある。

まぁ順風満帆な僕だけど、

だけど、お金はあっても使い道がない。

5‘

物欲がないってのもあるけど、お酒は飲まない

煙草は吸わない、ギャンブルはしない。

てなわけでお金が貯まる一方。

…それが1ヶ月前までの話。

6‘

今はと言うと…

〇「ただいまです」

?「ぁ、おかえり!」

〇「着替えてきますね?」

?「わかったわ」

7‘

スーツから部屋着に着替えると

リビングに行く〇〇。

?「ご飯できてるよ」

〇「ありがとうございます、“麻衣”さん」

8‘

この人は白石麻衣さん

1ヶ月前、会社の帰り道

18時ごろだったかな?

公園のベンチで悲しそうに座ってる麻衣さんを見た。

9‘

その時は何も思わず、スルーして帰宅する

家に帰ると食材がないことに気づいて、

スーパーに買い物しに出かけた。

スーパーは公園の横を通る。

10‘

その時もまだそこにいた。

18時30分くらいかな

またも僕はそこをスルーして、目的のスーパーに

買い物を済ませると、元来た道を戻る。

11‘

〇「まだいる…」

やはり公園を通ると女性が座っていた。

なんだか気になってしまった僕はその件の女性に近づく。

近づくと遠くからでは見えなかった顔が見えてくる。

12‘

その顔はまるで女神と見違えるほど整っていた。

〇「あの〜?」

?「は、はい」

〇「大丈夫ですか?2時間くらい前からここにいらっしゃるみたいですけど…」

?「ぁ…はい」

13‘

何か訳がありそうだな…

〇「お困りならお助けしますよ?」

?「いえ…そういうわけには…」

〇「嫌じゃなければ、僕の家に来ますか?」

14‘

?「え…」

〇「今日は冷えますので、その格好じゃ…」

女性を見る限り、かなりの薄着。

〇「僕の名前は生田〇〇って言います、21歳です」

麻衣「わ、私は白石麻衣って言います、32歳です」

15‘

〇「では白石さん、どうですか?」

麻衣「……お伺いしてもいいですか?」

〇「はい、もちろんです」

白石さんを連れて、帰宅する。

16‘

〇「何もないですが…どうぞ」

麻衣「ありがとうございます」

〇「お茶出しますね」

麻衣「は、はい…“グゥウウ”…ぁ///」

〇「先にご飯にしましょうか?」

17‘

先ほど買った食材でチャーハンを作る。

〇「簡単ですが」

麻衣「いえ、いただきます」

まずはご飯を食べて、それから話を聞こう。

18‘

〜〜〜〜〜

19‘

〇「それでどうしてあそこに?」

麻衣「…逃げてきたんです」

〇「逃げてきた?」

麻衣「はい、元旦那に暴力を振るわれていて、離婚したのはいいんですけど、家に押し入っては暴力の毎日…警察に連絡すれば殺すって…」

20‘

涙を流しながら事の経緯を話してくれる。

〇「それで行く当てなく公園にいたんですね?」

麻衣「はい…そうです」

う〜ん…本当は警察に連絡したほうがいいんだろうな…

21‘

〇「僕の家に住みますか?」

普通ならありえない提案をする。

麻衣「え!?でも…」

〇「もちろん、タダというわけにはいかないですけど」

22‘

麻衣「そ…うですよね…こんなおばさんの体でいいなら好きにしてください」

〇「それではここに住むに当たって、家事は分担でしましょう」

麻衣「…え?」

〇「僕は掃除、洗い物、ゴミ出しをします、白石さんは料理と洗濯をしてください」

23‘

麻衣「い、生田さん?」

〇「部屋は…空いてる部屋があるのでそこを好きに使ってください」

麻衣「い、いいんですか?」

〇「はい」

24‘

麻衣「よろしくお願いします」

〇「お願いします」

こうして、僕と麻衣さんの同居生活が始まった。

それから今に至る。

25‘

麻衣「〇〇くん?」

〇「ん、あぁ、どうしたんですか?」

麻衣「ぼーっとして大丈夫?ご飯冷めちゃうよ?」

〇「それはいけませんね、せっかく麻衣さんが作ってくれた美味しいご飯ですので」

26‘

麻衣「今日から1週間、在宅?」

〇「はい、何ので買い物に行きましょう」

麻衣「何か欲しい物でも?」

〇「麻衣さんの物を買いに行きます」

麻衣「私の?」

27‘

〇「麻衣さん、おねだりもしてくれないので、それにずっと僕の服ってわけにも」

麻衣「住まわせて、ご飯も食べさせてもらってるし、問題ないよ?」

〇「う〜ん、男の物の服を着てる麻衣さんも萌えますけど、麻衣さんが選んだ服も見たいです」

麻衣「…その言い方、ずるい…」

28‘

〇「決まりですね?」

麻衣「ならお願いしようかな」

〇「じゃあ明日行きましょう」

麻衣「うん」

これは普通の会社員と元人妻の不思議な同居生活。

29‘

この作品はフィクションです。

実際の団体とは関係ありません。

またこの作品内の表現や行動はあくまでも、

作品としてなので、実際に行っても、

責任は取りかねますのでご了承ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?