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教育実習生の沙友理さん

1‘

○「沙友理先生〜」

沙友理「どうしたん?」

○「先生は教育実習が終わったら先生になるの?」

沙友理「ん〜、どうやろな〜」

お昼を屋上で食べている。

2‘

○「教育実習で来てるのに先生にならないの?」

沙友理「まぁ…」

○「まぁ…いっか、別に教育実習を終わったからって先生になる必要なんてないもんね」

沙友理「え…」

○「ん?どうしたんですか?」

3‘

沙友理「いや…親からは教師になれって言われたから…せっかく教育実習受けたのにって…」

○「わからんでもないけど…でも僕は美容高校を卒業しても別に美容関係の仕事に就こうと思ってませんよ」

沙友理「そうなん!?」

○「別にいいかなって…こだわらなくても」

4‘

沙友理「〇〇くんは大人なんやね」

○「ふふっ…そんなことないですよ」

優しい笑顔を沙友理に向ける。

沙友理「っ…」

5‘

○「どうしました?」

沙友理「なんでもあらへん!」

○「??」

沙友理「先に戻るな!」

屋上から立ち去る沙友理。

6‘

ーーーーー

7‘

○「今日はプールか…」

沙友理「授業始めるよ〜」

○「あれ?桜井先生は?」

沙友理「諸事情でお休みです」

○「沙友理先生って泳げるんですか?」

8‘

沙友理「ちょっと〜、どういう意味や〜」

○「いや…運動できるイメージないので」

沙友理「運動は苦手やけど、一応水泳習ってたんよ、バタフライもできるで?」

9‘

○「そんなですね!」

沙友理「ほんなら始めるで」

プールの授業が始まる。

〇〇は見学です。

10‘

沙友理「そこ〜、遊ばない〜!」

僕はベンチに座りながら沙友理先生を眺めてた。

僕は沙友理先生が好き

可愛くて、綺麗で、優しい…

そんな沙友理さんが好き

11‘

授業が終わる時間になり沙友理先生の号令でみんながプールから上がってくる。

みんなが上がってくると1人プールの真ん中で溺れている子がいた

沙友理「っ!」

“ざぶん!”

沙友理先生がプールに飛び込む

12‘

先ほど言っていた通り、沙友理先生は颯爽と泳いで生徒を助けた

沙友理先生は生徒を抱えてプール際まできて生徒を上に上げる。

生徒を上に上げた途端、沙友理先生がプールに沈む。

周りの生徒が不思議がって顔を見合わせている。

13‘

○「まさかっ!」

僕は咄嗟にプールに飛び込んだ

〜〜〜〜〜

やばい…足つった…

生徒が溺れていたから咄嗟に助けたけど

足が攣ってしまった

意識が…

“ザバン”

最後に私が聞いたのはあの子の声だった。

14‘

沙友理「ん…ここは…」

確か…足が攣って…溺れて…

沙友理「ん?腕が動かない?」

私は左腕を見るとベッドの縁で頭をのせて寝ている〇〇くんがいた。

15‘

先ほどまで制服を着ていたのに体育着を着てる。

沙友理「そっか…〇〇くんやったんたね…助けてくれたんは…」

まだ乾き切ってない髪を撫でる。

沙友理「考え方は大人やけど、寝顔は子供やな…」

16‘

優しく頭を撫で続ける。

沙友理「ほんま…好きやな…」

○「…すぅすぅ…」

沙友理「さてと…戻るか…〇〇くん、起きて」

○「ん…ぁ…沙友理先生…」

17‘

沙友理「おはよう」

○「大丈夫ですか?」

沙友理「〇〇くんのおかげで大丈夫やわ」

○「よかったです!じゃあ僕は先に戻りますね!」

18‘

先に保険室から出ていく〇〇。

沙友理「ふふっ…さっきの聞いとったんやな、耳が赤くなっておった、可愛いなぁ〜」

両思いやな…んー、私が大学卒業する頃には〇〇くんも高校卒業しとるし

〇〇くん、意外とモテるし…ちょっかいかけとくか

19‘

沙友理「ふふっ…〇〇くん、覚悟しいや」

保健室で楽しそうに笑う沙友理

そんなことを知らずに帰る準備をしていた〇〇だった

ーーーーー

○「クシュんっ!風邪引いたかな?」

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