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【疾】出船入船 母港は移動中
左右から、上下から、星々が流れ、遠のいていく。
自分を残して。
トレインの最後尾から、今きた宇宙を振り返っていると、フッとそんな錯覚にとらわれる事がある。現実には自分の方が、前へ前へと、突き進んでいるにもかかわらず。
あまりにも駆け足すぎる事への罰か、警告か。まったく言葉通り、星の数ほどの人々と出会ってきた。
けれども、先を急ぐばかりで、、、ゴールとタイムリミット、追っ手、理由が有るのを
【疾】気まぐれのまぐれ
人工大理石のなめらかなマーブルに、そっと腕を滑らせ、バーディは階下のフロアを眺めていた。
航路は順調。トレインも上々。
厄介な追手もしばらくは姿を見せそうにない宇宙田舎のプラネッツ・ハイウェイ。さらに、メンバーは腹も空かせておらず、懐の中も多少、、、とくれば。
「あらあら、、、来るわよ、来るわよぉ~」
目立たぬように息を潜めて彼女が見つめる先は、トランプのカード。軽やかに、物憂げに踊る
【疾】某日某所の足跡
「来ない、、、わね」
「ああ」
「、、、、、、、」
ここはイエロー惑星海。星から星への旅半ば。トライポイントも十を超え、いい風向きに乗って来たのはいいけれど、、、、。
「もしかして、探しているのかしら、、その、、ステファニア、、って人を」
幼い日、淡い思い出を共にした彼女は幸薄い女性だったと、、ブルースは短い言葉で仲間に伝えた。ブラディとの戦闘の巻き添えを喰らう事になった、彼女が居た
【烈】酒と団子と天冥桜
サンタビーダ要塞、メインキャッスルの執務室。
やる事は幾らでもあった。転戦の度に傷ついてきている隊の現況はその都度、完璧なまでに把握しているとして、入港したばかりのこのサンタビーダ要塞に関しての、設備的、人的な戦力。
戦力うんぬんより以前に、最新のメリーカ方式をもって建造された要塞都市である。詰め込むべき知識は後を絶たず、自分一人が知っていればいいと言うものでもない。誰が何を知っていれば、
【烈】柳に吹くなら風情もあれど(腐寄り)
官庁街も近いこの界隈は、ゴーショシティでも指折りの高級な繁華街である。その裏通り。
「くやしいっスよ、、!まじっ」
表が澄まし顔をしている場所ほど裏はぞんざいにしてあるものだ。飲食店や酒場から出されるゴミは、これから明け方にかけて益々増えて、ただでさえ定着している臭いも酷くなるだろう。
「何であんなチンピラ辺りに、隊の懐具合まで馬鹿にされなきゃならないんですっ」
従業員出入口の、横の