見出し画像

助産院で産もう

助産院というものに興味を持ったのは、ドキュメンタリー映画『玄牝』(河瀬直美監督)を観てからだ。ママたちが本当にいいお顔で産んでいたのが衝撃で!私もこんな体験してみたい!生命の神秘を感じながら、赤ちゃんが生まれたいタイミングを信じて、自然に産みたい。

夫が探してくれた近くで人気の病院も調べてみたけれど、入院部屋が綺麗とか食事が豪華とかはどうでもよかった。いろんなお薬や医療サポートも確かに安心をくれるけど、玄牝の吉村正医師や、胎内記憶を研究している池川明先生の本でも、自然分娩スタイルにしてからお産のトラブルが減ったと書かれていて、素敵な話だなぁと思った。私はいわゆる高齢初産婦にあたったけれど、自分とそう生活環境が変わらないおばあちゃん(世代)は、子供を3人とも家で産んだんだから、絶対大丈夫だと思った。

だけど助産院って普段めったに見かけないし、自分が望むようなお産ができるところなんて近くに見つかるのかな?ネットで探すと、すぐに家から3駅離れたところにある助産院のホームページを見つける事ができた。そこに書かれていた先生のメッセージに胸が高なった。

お産は「痛い」「怖い」だけのものではありません。ありのままを受け入れて、お産を楽しみませんか?自然なお産を通して、人、本来の持つ力、内側に宿る神々しさを感じませんか?それはこれからのあなたの人生を豊かなものにしてくれます。

こ、ここや...!!☆

ドキドキしながら見学させてくださいと電話すると、先生と思しき女性が出て、「その日お産が入りそうやから、もしかしたら別の日でお願いするかも」と言った。とっても優しく対応してくださって、ベテランの先生☆って感じで安心した。

当日、なんの連絡もなかったので予定通り夫と助産院に向かう。どきどき...助産院ってどんなところだろう。ついた先は大きな一軒家、先生のご自宅だ。玄関で出迎えてくれた先生が、「今ちょうどお産の方来られたわ〜」と言う。

え、待って、今からここでお産ですか??ここまで言っといてなんだけど。実は無痛分娩もアリかなとギリギリまで悩んでいたくらい出産に対する怖い思いがあった。気軽に見学させてもらうつもりが、壮絶な出産シーンに鉢合わせたらどうしよう...。

心配していると先生が、「うちで産む妊婦さんはみんな覚悟ができてるから、叫んだりとかしない」と言った。そうなんだ!実際、すれ違って挨拶した今日出産予定のご夫婦は、本当に今から出産と思えないほど落ち着いていて、まだ時間がかかりそうだからと一旦お家に帰られた。

出産に対する覚悟、母になる覚悟を、じっくり育ててくれる助産院かもしれない。ほっと温かい気持ちになった自分がいた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?