葬儀費用とお墓の在り方について
今日は母と共に、地元の家族葬専門の葬儀社へ赴いた。
母の葬儀代がどのくらいになるのか確認するためである。
1階が駐車場と玄関になっており、2階が受付・ホールになっていた。
2階へ上がると白髪の男性が声をかけてきた。
「10時から相談の予約を入れているのですが。」
「確認いたします。少々お待ちください。」
ホールの扉が開け放たれていたので、受付からホールの様子は丸見えだった。家族葬にはちょうどいい広さだと思った。
すでに「○○家」「××家」と張り紙がされており、あわただしい雰囲気がうかがえた。
「担当の者はもう少しで参りますので、しばらくお待ちください。」
5分ぐらいすると、50代くらいの髪を逆立て、日に焼けた男の人が現れた。
「お待たせいたしました。こちらへどうぞ。」
彼はその丸見えのホールへ私たちを案内した。
椅子に腰かけ、葬儀費用は最低限度でどれくらいになるのか訊いた。
「葬儀にご出席される方は何人ほどですか?」
「10人ちょっとといったところですかね。」
「それでしたら、50万円ほどで収まりますね。」
そんなに安いんだ・・・と目を丸くした。
母が亡くなった時に出る死亡保険は
「あれこれオプションをつけたとしても100万円以内には余裕で収まります。」
訊けば、彼のおじと2人でこの葬儀社を運営しているとのことだった。
「お墓はどちらになりますか?」
答えに困る質問だった。経過は省略するが、我が家には現在きちんとした墓がないのだ。我が家のご先祖様のお骨は、遠く離れた静岡県のお寺に預けられている状態であり、共同墓に入るのを「待ち」になっている状態なのである。なので、将来的にはご先祖様のお骨は静岡に、母の墓は今住んでいる町に建立するかどうかで悩んでいる状態なのだ。父はなくなればその静岡の墓に入る。母は父と離婚しているから、同じ墓には入れないし、静岡の共同墓に入る理由はないし、私も父と同じところへ入る気はない。
この間、お彼岸の時に母方の祖父の墓参りをした際に、墓園の管理者と相談し、共同墓を見て回ったが、「仮住まい」のような気がして、正直言っていまいちピンとこなかったのだ。しかし、将来私に男の子ができなかったら、墓を新しく建ててもいずれは墓じまいをすることになると考えると、共同墓は合理的な選択と思えた。
このことを彼に伝えると、
「今は共同墓に入られる方々ばかりです。」
なるほど、確かにそれは合理的な選択だと思う。しかし、墓じまいは子孫が途絶えたときにすればよいのでは、という考えが私の中で閃いた。共同墓にするという人たちの中には子孫が途絶えてしまい仕方なく・・・という人もいるだろうが、一方で、敢えて子供を作らない人もいるだろうし、子供を持つことに消極的な人もいるだろう。家を守るという気概が、今の日本人に欠けている側面もあるのではないか?と。
小さな墓でもいいから建てて、将来のことはその時になったら考えればよいのかなと思った。
とりあえず値段と葬儀社の雰囲気はつかめたし、忙しそうな雰囲気だったので、パンフレットをもらい、葬儀社を後にした。
ああ、納骨堂について訊くのを忘れたな。。。また今度訊くことにしよう。
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