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病み本のすゝめ。

レモンスカッシュだのレモネードだのレモンサワーだのが美味しい季節になりましたね。
暑いのは苦手です。雨の日も苦手です。。。雨の音は好きなんだけどね。

さて、タイトルからもなんか良からぬ雰囲気を醸し出しているような気もしますけど、大丈夫です。怖い記事じゃないです…多分。

早速ですが、皆さんは嬉しい時、悲しい時、元気が欲しい時に読む本ってありますか?
私はあります。
中でも「病んだ時に読む本」ってのがありまして。
「なんで自分ってこうなんだろう」、「なんで世の中ってこんな理不尽なんだろう」。そう思う時に本を読んで、「進もう」と思うのがまあテンプレです。

これは多分別で書くんですけど、つい最近も絶賛病み期が来て。
「なーんでこうなるんだろう」とずっと考えていました。とは言え、考えた所で何もならないので、本に逃げるしかありませんでした。

他にも色々理由はあるのですが、今はどうにか前を向く事が出来ています。というわけで、長い長い前座でしたが、「病んだ時に読む本」、いわゆる私の「病み本」を紹介していこうと思います。

愛しの「病み本」

今回は7冊紹介しようと思います。私の性なのか、病んだ時って近代文学を読みたくなるので、今回紹介するのも全て近代文学の部類に入る本ばかりです。

それぞれ青空文庫さんのURLも貼っていますので、気になった方は是非読んでみてください!

それでは行ってみましょう!!!

梶井基次郎『檸檬』

1冊目は、梶井基次郎の『檸檬』(新潮文庫)です。

大学の授業で取り扱われていて読んで以降、梶井基次郎の現実と幻想が入り混じった世界観の虜なんですけど、この本に収録されている「檸檬」と、「Kの昇天~或はKの溺死~」を病んだ時に読みたくなります。

「檸檬」を読むとラストで爽快な気持ちになりますし、「Kの昇天~或はKの溺死~」は梶井作品で一番好きなのと現実逃避が出来るので私の病み本になっています。

夏目漱石『こころ』

2冊目は、夏目漱石の『こころ』(新潮文庫)です。(若干ネタバレあります)

苦手だと感じていた夏目漱石を好きになったのがこの『こころ』です。特に「先生と遺書」の章が好きです。病んだ時にこの本を読みたくなるのはあまりよくわからないのですが、ラストに要因があるのかな?と感じています。
私はこの作品の結末が大好きなんです。時代と共に消えていく、っていうの。病んだ時って登場人物が消える作品を読みたくなるんですよね。

萩原朔太郎『萩原朔太郎詩集』

3冊目は、萩原朔太郎の『萩原朔太郎詩集』(新潮文庫)です。

詩集ってあっさり読めますし、時間があまり無い時にぴったりです。
『萩原朔太郎詩集』は孤独とか閉塞感に溢れすぎていて、病んでいる時に共感しかないのですよ~。共感した果てに「自分だけじゃないんだ」となんか頑張る気になります。

夢野久作『少女地獄』

4冊目は、夢野久作の『少女地獄』(角川文庫)です。(若干ネタバレあります)

私の大好きな夢Qです!表題作『少女地獄』の中でも「何んでも無い」っていう作品を読みたくなります。『こころ』と同じ理由で、ラストに主人公の姫草ユリ子が消えるので読みたくなるんだと思います。後は現実逃避が出来る。作中の「彼女を生かしたのは空想です。彼女を殺したのも空想です」っていう言葉が大好きです。

江戸川乱歩

5冊目は、江戸川乱歩の作品です。

江戸川乱歩も大学の授業で取り扱っていて読むようになったのですが、特に幻想系の作品は現実逃避が出来るので大好きです。「病み?何それ」みたいな感じになるほど、異常性癖だったり設定だったりがわんさか出てくるので、私の「病み本」になっています。

スティーヴンソン『ジキルとハイド』

6冊目は、スティーヴンソンの『ジキルとハイド』(新潮文庫)です。

ここに来て初の海外文学。二重人格を取り扱った怪奇小説として名高いですよね。まっすぐ生きようとすると理不尽な事も多かったりするので、私の中に眠る悪への羨望とか欲みたいなものを本の中で昇華させる感じです。短いので読みやすいです。

中原中也『汚れつちまつた悲しみに…… 中原中也詩集』

最後の7冊目は、中原中也の『汚れつちまつた悲しみに…… 中原中也詩集』(角川文庫)です。

こちらも詩集です。先に紹介した萩原朔太郎のように中也の詩にも閉塞感とかもがき苦しんでいる感があるのですが、中也の詩は勢いがある詩も多くて、!マークが多用されていたりするので、共感しつつもなんか元気をもらえます。すっきりさっぱり読めます。


ここまで長々と私の「病み本」を紹介してきましたが、他にも小川洋子さんの『おとぎ話の忘れ物』という作品に入っている「人魚宝石職人の一生」とか漫画ではあるのですが、小山愛子さんの『舞妓さんちのまかないさん』、綿貫芳子さんの『オリオリスープ』とかも読んだりします。

病み本を読んで、また進んでいこうと思います。

それでは。

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