見出し画像

【マッチレビュー】J1第14節 ジュビロ磐田vsコンサドーレ札幌

スコア

1-2  負け
得点者  山本義道

順位:15位
勝ち点:14(3勝5分け6敗)
得失点差:-5(総得点:18、総失点:23)

出場メンバー(採点)

GK:三浦龍騎(5.5)
DF:山本義道(5.5)、伊藤槙人(5)
       リカルド・グラッサ(5.5)
WB:松本昌也(6)、袴田裕太郎(5)
ボランチ:鹿沼直生(5)、遠藤保仁(5.5)
2シャドー:上原力也(5.5)、杉本健勇(5)
CF:ファビアン・ゴンザレス(5.5)

交代出場:
大津祐樹(5.5)、吉長真優(5.5)、大森晃太郎(5.5)
山本康裕(-)、古川陽介(6)

フォーメーション

前節からは1人変更。右WBの鈴木雄斗がスタメンを外れ、松本昌也が右WBに入り、袴田裕太郎が今シーズン初スタメン。これ以外は前節と同じ布陣で挑む。

序盤に幸先良く先制

戦術的にも前節と同じく、ファビゴンと上原が相手のDFラインに前からプレスをかけて杉本が左サイドの守備を務める。序盤はこの形で札幌のパスワークを圧力をかけて攻め込む。

8分のコーナーキックで幸先良く先制点を奪取。遠藤のコーナーキックが相手に当たって、ゴール中央のスペースに走り込んだ山本義にいい形で入る。山本義はきっちり決めたが体勢を崩しながらだったので、落ち着いていいシュートだった。

しかし、徐々に札幌が磐田のプレスをかいくぐり、攻め込む時間が増えてくる。磐田もきっちり守備陣形を敷いて守り、そこまで危険なシーンは作らせない。

守備の時間が増えていく中で同点弾を受ける。27分、フェルナンデスが右サイドから低めのクロスを送り、深井がダイレクトで合わせてゴール右下に決める。

一瞬、山本義が深井のマークが外したタイミングでクロスが入ってしまった。ただ、それよりもフェルナンデスに相対した杉本のチェックが緩かったのがもったいなかった。時間的にも距離的にも余裕があったので。

しかし、この時間まできっちり抑えれていたとはいえ札幌のボール支配が続いていたので、守備疲れ杉本にきてしまったタイミングだったのかもしれない。

33分に磐田に決定的なチャンス。右サイドからゴール前に入れたボールを杉本が胸で落としてフリーの遠藤に。そのままシュートに行きたかったが、岡村がスライディングでかき出すと、たまたまファビゴンに流れる。ファビゴンはシュートを吹かしてしまいゴールならず。こういうところで決めきれないと苦しくなる。

磐田の守備が徐々にハマらなくなる

守備時にはファビゴンと上原が相手のDFにプレスをかけるが、札幌は3バックのためプレスが一枚足りずにフリーのDFから前の選手にパスをつけられてしまうため、プレスでハメきれていない。

36分には札幌にもチャンス。裏抜けした金子にパスが通り、三浦も飛び出せずかなり危険なシーンになるが金子のシュートは右に外れる。これで両チーム決定的なシーンを共に外してイーブン。

札幌さすがミシャのチームという感じで、ボール回しがうまい。磐田のDFとMFのライン間でボールを受けて、そこに引きつけてからのサイドで待っている選手に展開。守備陣形広げたところからの1トップや2シャドーにパスして、そこから裏抜けする味方に繋げてゴールに迫る。

札幌の攻撃パターン

磐田は3バックで札幌が1トップ+2シャドーと3対3なので、サイドに振られて陣形が広げられたあとにマークを捕まえきるのは簡単ではない。しかも、サイドに振る位置がそこまで深い位置ではなくアーリー気味に入れてくるので、余計に1トップ+2シャドーにはマークを外すためのスペースがある。

札幌の攻撃パターンの例

上記は実際こういうシーンがあったかわからんけど、札幌の攻撃イメージです。

岡村→深井に入ると鹿沼や遠藤が寄せる。深井から荒野→ルーカスと繋げて、ルーカスから1トップ+2シャドーにボールを入れる。

この流れでスピーディにうまく繋がると深井、荒野、ルーカスへのチェックのため杉本、袴田、鹿沼、遠藤あたりは釣り出されてしまうので、磐田の最終ライン3人対札幌の1トップ+2シャドーの同数での勝負に持ち込まれてしまう。

後半、流れは札幌に

後半、両チーム選手交代なしでスタート。
後半立ち上がりで杉本にビックチャンス。右サイドでボールを受けた松本がダイレクトで縦にボールを流し受けに来ていた上原に繋ぐ。松本はそのままパス&ゴーで上原より内側を縦に走り、大きなワンツーの形で右サイド高い位置に侵入。バイタルエリアのあたりで待つ、杉本に繋ぐ。

杉本はDFの選手を前にしていたが、時間的に余裕があり狙いすまして右下すみを狙ったシュートを放つが、ポストの内側に当たって左サイドへ抜けていく。キーパーも触れなかったので、際どいいいシュートだった。

松本が右サイド高い位置に侵入したことで、札幌のDF中村が外に釣り出されたので、杉本のシュートコースが空いた。札幌のサイド釣り出し攻撃のお株を奪ういい形だった。

両チームピンチの後にチャンスありを繰り返している中、勝ち越し点を奪ったのは札幌だった。

54分、青木のゴール前でのクオリティが光った。左サイドからペナルティエリアに侵入した青木は右足でシュートフェイント入れて縦に持ち出し、左足でクロス。ファーサイドで待っていた駒井の頭にピタリと合う。

56分に札幌は田中を下げて西大伍を投入。58分に磐田はファビゴンと袴田を下げて、大津祐樹と吉長真優を投入。大津が1トップに入り、松本が左WBに移り、吉長が右WBに入る。

札幌は守備時にも1トップ+2シャドーで3バックにプレスをかけて、中盤も連動して激しく前プレスをかける。ここは前半よりも前への守備の意識を上げてきた。

札幌は前向きでボールを奪えた場合にはDFラインの選手でもそのまま持ち上がってフィニッシュワークまで絡みに行く。そうするとマークが非常につきにくく危険なシーンを作られる。

64分に鹿沼を下げて大森晃太郎を入れる。上原をボランチに下げて、大森が右のシャドーに入る。

磐田の交代策は機能せず

磐田のDFラインには相手の1トップ+2シャドーにプレスハメされるため、前にはロングボールを放り込むような形が増える。ファビゴンや大津が孤立した状態での勝負になってしまい、打開は難しい。

また焦りもあるのか、磐田の選手がボールを持つとゴール方向に周りの選手が動くことが多く、パスを受けれる位置に動く選手が少なく。イーブンな状況へのロングパスやドリブル突破をチャレンジするようなプレーが増える。

72分に中村が下がってドウグラス・オリヴェイラが入る。この状況でDFを下げてFWを入れるとはさすがミシャ。前線からのプレス強度を上げる狙いかもしれない。

87分遠藤と杉本を下げて古川陽介と山本康裕を投入。攻撃の選手は、ある程度時間がないとボールに触れるチャンスも限られるので古川はもう少し早めに入れたかった。

この後も展開は変わらず、磐田ボールになると札幌の前からのプレスにハメられて、苦しい状態での長いパスを前に送り、札幌に回収される流れが続き、試合終了。

3バックのチームへの対策を

前節、思い切って前線のスタメンを変更したことで変わった選手が機能して勝利をおさめたが、今節はその形がもう一つ機能しなかった。

特に後半は立ち上がりの杉本のシュート以外に大きなチャンスを作れなかったのは残念。

前節はファビゴン、上原のDFラインへの前プレスが機能して試合の流れを握れたが、今日は札幌が3バックだったことで勝手が違った。

3バックに対して2人でプレスをかけるなら、ファビゴンと上原のうち片方はDFのもう1人を切りながらチェックに行きたい。

例えば田中がボールを持った場合、ファビゴンがチェックに行くと田中は岡村に繋ぐ。この時、上原は中村へのパスコースを切りながら岡村にチェックに向かう。

この時、札幌のダブルボランチには杉本と遠藤がマークにつけば、岡村のパスコースはGKを除いて全て切れる。もちろん、両WBも連動して対面する札幌のWBをマークする必要があるが。

前節で4バックの相手への戦い方を見つけられたので、次は3バックの相手との戦い方が宿題となった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?