【マッチレビュー】J1第3節 京都サンガvsジュビロ磐田

スコア

1-3 勝ち
得点者 大津祐樹、鈴木雄斗(2)、ジャーメイン良

順位：暫定4位
勝ち点：4（1勝1分け1敗）
得失点差：2（総得点：6、総失点：4）

チーム内得点ランク

1  鈴木雄斗 (3)
2  ジャーメイン良 (2)
3  大津祐樹 (1)

出場メンバー(採点)

GK：三浦龍騎(6)
DF：伊藤槙人(6.5)、大井健太郎(6.5)、森岡陸(6)
WB：鈴木雄斗(7.5)、松本昌也(6)
ボランチ：山本康裕(6.5)、遠藤保仁(6.5)
2シャドー：大津祐樹(7.5)、大森晃太郎(6)
CF：杉本健勇(6)

交代出場：
小川大貴(6)、上原力也(5.5)、
ジャーメイン良(6.5)、山田大記(6.5)

昨年からのパスワークが復活

スタメンは前節から金子翔太に代わってついに大津が2シャドーの一角に入った。開幕節から攻撃時の味方のフォローがハマっていて、スタメンに使われなかったのが不思議なくらいだった。また、出場停止の山本義の代わりに森岡陸が入る。

森岡は昨年前半戦はレギュラーで出場していたので、これでスタメン11人のうち杉本以外は昨シーズンの経験者が揃った。昨年からの継続性が発揮されて、前節〜前々節以上にボール回しが安定し、良い形でビルドアップできていた。

今日は鈴木雄、松本の両WBへの相手のプレスが比較的弱く、ボールの預け所となっていた。加えて、大津が鈴木への的確なサポートもあったので、京都のプレスを空転させることができた。前節の清水と比べると2シャドーとWBのプレースペースが得られていたのが大きい。京都サイドから見ると、シャドーとWBのマーキングに戦略的なミスが出た。

杉本健勇のラインブレイク

杉本は今節もゴールはなかったが、磐田の細かいビルドアップに気の利いた絡み方は要所でできている。加えて、今日は京都の最終ラインのズレをついた飛び出しを複数回見せた。このうちの一回が京都のGK 上福元を退場に追い込んだ。正直、あれがドグソかはかなり微妙な気がしたが、前節うちの山本義も微妙なレッドカードもらってるので、苦あれば楽あり。

上福元のドグソの場面については、仮にファールがなければ、杉本はボールキープのために少し外側にボールを運ばねばならず、するとメンデスの戻りも追いつけたので、一瞬の判断が試合の大きな分岐点になった。

伊藤監督の戦略意図は？

62分頃に大津に代えて小川が入る。小川が左WBに入って松本がシャドーに移る。小川のWBは以前からもいい仕事をしていたので文句はないが、非常に出来の良かった大津を下げて、松本のシャドーにした伊藤監督の采配には疑問が残る。さらにその後、大森に代えて上原をシャドーに配置している。松本、上原ともに運動量があるので、数的不利な京都相手にプレスの強める意図があったのかもしれないが、2人ともマイボール時のプレイに不慣れな様子が見られて、せっかくの攻撃時にいい絡みがあまりできていなかった。たまたまかもしれないが、山本康裕に対する松本のサポートアングルが悪く、マイナスのパスがズレて奪われてからのカウンターで失点を食らっている。

さすがのピーター・ウタカ

しかし、ミスからカウンターを受けたとはいえ、大井と森岡2人に対応され、決してイージーな状況ではない中でゴールに沈められるウタカの決定力はさすが。前半から後方からの長めのボールを納めてシュートに持っていくシーンが何度もあり、シュートにもちこむ技術力とここぞという時のスプリント力はすごいね。失点時は森岡が最後まで食いついていったが、一瞬の駆け引きでウタカに上回られた。試合を通して森岡の攻守の連携やマーキング、守備は安定していたが、ウタカのようなスーパーな選手を90分抑え切るにはもう少し経験値を積む必要がありそう。大井はウタカ相手に互角以上に対応していたので、森岡は体のぶつけ方やコースの切り方を大井から学んでいってほしい。

山田の復活

松本、上原の2シャドーの時間帯に攻撃があまり機能しなかったが77分に杉本、遠藤を下げてジャーメインと山田大記を投入。上原をボランチにして、山田をシャドーに配置する。山田は開幕時期にコンディション不良があったようで、今節が今年のリーグ戦初出場。昨シーズンのシャドーのポジションの絶対的なレギュラーだった彼が入ったことで、大津がいた時と同様に攻撃時に味方のサポートが的確に入るようになって、攻撃がまた機能し始める。ジャーメインのゴールアシストも山田なので、伊藤監督には2シャドーのスタメンには山田、大津、大森から選んでほしい（山田はまだコンディション面で万全かどうかわからんが）。

ジャーメインはここまで少ない出場時間で2ゴールと今年の新戦力の中では1番結果を出せている。ジュビロの独特なサッカーにフィットしてるかはまだ未知数だが、杉本含め新戦力がまだあまり元気がないので、彼には期待したいね。

しかし、ここにリカルド・グラッサやドゥドゥが合流したらスタメンどうなるか。去年、途中から合流のファビゴンやアレックスが未だにチームにフィットしておらず、新戦力との融合は少し気がかりですね。

ともかく、今日は勝ててよかった。引き分け→負けときて、今日の昇格組対決でも負けていたらチームの雰囲気としては良くない方向に行ってしまいそうでしたので。Jリーグは各クラブの戦力差がそこまで大きくないので勢いに乗れるか、負のスパイラルに飲まれるかで結果が大きく左右されるんでね。