⑬【裁判編】 父の死後、兄との新たな戦いの幕開け。弁護士探しの話しから始めよう。
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話は、父が亡くなる前にさかのぼる。
父を精神病院から退院させる為には、保護者となっている兄の承諾が必要で、私には何も権限がなく、途方にくれた私は弁護士の力を借りるしかなかった。
そこで、私の依頼を受けてくれる弁護士を探すことになるのだが、最初、私は簡単に見つかると思っていた。
だから、ネットで色々と調べて、良さそうな人を選んで電話をして依頼内容を話した。
依頼内容は、父を精神病院から退院させて、
兄の会社での地位を剥奪すること。
これが、生前の父の望みだった。
会社の地位を剥奪することは、父から兄へ対しての愛のムチだったのだ。
また、退院と言っても、病院から奪還するような形になるので、退院させることは難航する事が予想されることや、どうしてこのような事になったのかなど、家族の複雑な関係についても
詳しく話した。
すると、
「ちょっと、そういう案件は受けられません」
と、言われる。
何件かけても、次から次へと断られてしまうのだ。
私は焦りはじめ、ネットで東京の弁護士事務所一覧を開き片っ端から電話していった。
でも、複雑困難な事情を話すと、
「受けられない」と、
同じ答えが戻ってくる。
ええ〜〜〜っ?! なんで?!
そもそも、依頼を受けてもらえない事があるなんて考えてもいなかったから、この現実に驚いたと共に、愕然とした。
これでは父を救い出すことなんて出来ない…
どうしよう・・・
不安になったが、
どこか受けてくれる所があるはず、
と思い直して探し続けた。
すると、上野(東京都)にある一件の弁護士事務所が「たぶん大丈夫でしょう、一度、事務所に来てください」と言ってくれたのだ。
その弁護士事務所を訪問前にホームページで調べた所、そこの弁護士さんは、テレビにも出たこともあるようで、自己紹介の文面を読んだら好感が持てる内容だった。
私は胸を撫で下ろし、翌日、安堵の気持ちと少しの期待を持って事務所を訪ねた。
実際に弁護士さんに会ってみると、第一印象はなかなか良い感じ。
でも、話しが煮詰まってくると、段々とその印象が私の中で変わっていくのを感じた。
不安そうなのである。
あなた、弁護士でしょ。
クライアントである私が不安なのに、
あなたが不安になってどうするの?
熊本まで行くことに関しても、しどろもどろになってきて、
「行くことは行けるけど・・・
こんなケースは初めてだから」と
ダメだった時の言い訳が始まった。
でも、受けてくれそうな弁護士事務所はここだけだし…
普段、私は、自分が思っていることは、言いにくいことでも面と向かって言うようにしているのだが、この時は弱気になっていたし、もう他がないと思い込んでいたので、何も言えずにいた。
そんな想いを抱えながらも、とりあえず熊本に行くという話が決まったが、私の気持ちは晴れない。
事務所を出て、上野の路上をひとりとぼとぼ…と歩きながら、途方に暮れ考え込んでいたことを今でもたまに思い出す。
あの時は、心細かったな〜って。
自宅までの道すがら、歩きながら電車の中で
色んな事を考えに考えた。
そして、私は決断し、
自宅に着いて直ぐに弁護士事務所に電話をして
「さっきのお話は、こちらからお断りさせてください。折角、お時間を作って頂いたのですが、どうしても一緒に戦えるとは思えないんです。申し訳ありません。」と伝えた。
この時は、目の前が真っ暗だったが、
自分の中に湧いた不信感や、信頼出来ない気持ちを押し殺してまで、依頼することは出来なかった。
これが、最初の「弁護士探し」のお話し。
今まで知らなった現実にぶち当たり、
世間知らず過ぎた、ヨチヨチ歩きの
はじめの一歩!
歩き始めの赤ちゃんのように、
よろよろしながら歩き始めた私であった👶
【本日の締め】
知らない世界へのはじめの一歩は
誰だってヨチヨチ歩き👶なのだ!!!
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