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ないし

怪文に出会いました。
どうぞ。

証拠(甲2の1ないし7、甲7の1ないし7、甲8の1ないし7)によると、本件動画1ないし7は、三十数分ないし五十数分の動画であるところ、本件記事1ないし7は、いずれも30枚ないし70枚程度の本件静止画を用い、これらをそれぞれ本件動画1ないし7における時系列に従って貼り付けた上、各静止画の間に、直後の静止画に対応する本件動画1ないし7の内容を1行ないし数行でまとめた要約を記載し、最後に、動画閲覧者のコメント及び本件動画1ないし7に対する控訴人の概括的な感想ないし批評を記載したものであると認められる。そうすると、本件記事1ないし7については、本件動画1ないし7に対する控訴人の感想ないし批評を述べる目的で本件動画1ないし7を引用したという側面を有することは否定できないものの、30枚ないし70枚程度にも及ぶ本件静止画の貼付けは、各静止画の間に記載された要約ともあいまって、本件記事1ないし7の閲覧者において、本件記事1ないし7の内容を見ただけで三十数分ないし五十数分の本件動画1ないし7の全体をほぼ把握できるようにするものであるといえ、本件記事1ないし7における本件動画1ないし7の引用の方法ないし態様は、本件動画1ないし7に対する控訴人の感想ないし批評を述べるとの目的との関係で、社会通念上合理的な範囲内のものであるということはできない。

知財高裁令和5・7・13

【いちおうせつめい】
一応説明しておきますと、「ないし」には意味が2つありまして、1つ目が「または」、2つ目が「〜から」です。

上の怪文には、この2つが混在しています。「AないしB」であれば、「AまたはB」。「1ないし6」のように、「数ないし数」であれば、「1〜6」のように「〜から」という意味になります。

○上の怪文を書き直すとこうなる。

証拠(甲2の17、甲7の17、甲8の17)によると、本件動画17は、三十数分五十数分の動画であるところ、本件記事17は、いずれも30枚70枚程度の本件静止画を用い、これらをそれぞれ本件動画17における時系列に従って貼り付けた上、各静止画の間に、直後の静止画に対応する本件動画17の内容を1行数行でまとめた要約を記載し、最後に、動画閲覧者のコメント及び本件動画17に対する控訴人の概括的な感想または批評を記載したものであると認められる。そうすると、本件記事17については、本件動画17に対する控訴人の感想または批評を述べる目的で本件動画17を引用したという側面を有することは否定できないものの、30枚70枚程度にも及ぶ本件静止画の貼付けは、各静止画の間に記載された要約ともあいまって、本件記事17の閲覧者において、本件記事17の内容を見ただけで三十数分五十数分の本件動画17の全体をほぼ把握できるようにするものであるといえ、本件記事17における本件動画17の引用の方法または態様は、本件動画17に対する控訴人の感想または批評を述べるとの目的との関係で、社会通念上合理的な範囲内のものであるということはできない。

ちなみに、法律の条文で有名なのは、「伝聞法則」を規定した刑事訴訟法320条1項ですね。

321条ないし328条に規定する場合を除いて〜

「321条328条に規定する場合を除いて」という意味です。

321条〜328条は伝聞例外の規定です。
なので、伝聞例外を除いて、原則として伝聞証拠は証拠能力がないから使えないよ、という規定です。(正確には、そのように解されています。)

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