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パフェレポ 菓子工房圭『青森県産 カシスと 無花果』2023年8月


上層は淡色、下層はカシスの黒褐色

香りを楽しむパフェ。食べ進める毎に、ラベンダー・シナモン・カカオ・カシスの強い香りが顔を覗かせます。

トップのラベンダーのシャンティクリーム・ラベンダーとマスカルポーネアイスはとにかくラベンダーの香りが強い!ケミカルな嫌味のあるものでなく、パフェに華を添えるように優雅に広がる香り。この香りのイメージがパフェの印象を大きく決定付けているように感じる。こちらのお店はトップにあるシャンティクリームとアイスが独特のフレーバーであることが多いのだが、今回もその香りに驚かされた。

続いてフレッシュな無花果。桝井ドーフィンという品種だそう。今期初めての無花果なので、柔らかな実を噛み締めて味わうと広がる茫洋とした甘み、そうそうこれだよこれ…!と味の確認から入る。 無花果を食べると、夏の終わりを感じる…。
マスカルポーネクリームのまろやかさが広がった後、シナモンパウダーの強い香り。その後に無花果ジュレでまた無花果。フレッシュなものだけではなくジュレが挟まることによって、強い香りに負けてしまいそうになる無花果特有の優しい風味がさらに存在感を増してくれる。ここまでがパフェ上層になるのだが、やはりラベンダーとシナモンの香りの印象が強い。食べてみないとわからなかったことだが、ここまでの主役は確実にラベンダーだと思う。

サクサク感がたまらないカカオサブレの蓋を崩すと中層へ。中層はカカオと無花果のゾーン。グラスを沿うように絞られたカカオクリームとその上に散らされたカカオニブは、甘さ控えめではあるがカカオの香りが強くとても上品。その中心には無花果ジュレ。無花果の甘味とカカオの香り高さが響き合い、上質なフルーツのチョコレートを味わっているかのよう。

下層へ。カシスのゾーン。グラスの中の約半分弱を満たすカシスとシナモンの葛ジュレは、カシスの甘酸っぱい風味とシナモンのアクセントが調和している。葛ジュレの層の中にあるカシスムースはさらにカシスの強い香り、特に酸味にはっとさせられる。最後はカシスのコンポートとピューレで〆。カシスの凝縮された強い風味に印象付けられて終わる。
今回は香りの強いもの大集合スペシャルだった。トップのラベンダーから始まり、シナモン、カカオ、そして最後のカシスで終わる。食べ進めると立ち込める香りとともに表情が次々変化していくのが楽しいパフェだった。その中でもインパクトがあったのはラベンダーな上品の香りとカシスの甘酸っぱい香りで、パフェ全体がまるで気高い貴婦人のような印象を受けた。

ペアリングのお茶は丹波の黒豆茶。この優しい甘みが以前頂いたからお気に入りだったのでまた飲めて嬉しい!いつものハーブティーほどお茶自体の香りの主張がさほど無いので、今回のパフェの香りを損なわずぴったりでした。

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