私の遺産分割調停体験談 記事番号03弁護士との契約

※この記事は当方作成の別ブログの記事の一部を転用しています。


1.はじめに

一般的な人は、余程のことがない限り弁護士と接点を持つ人はいないと思います。
しかし私は契約をする事態になってしまいました。
今回は、遺産分割協議に向けた弁護士との契約に関し、選んだ経緯、契約内容と金額などについて書こうと思います。

2.契約の概要

私は、県の弁護士相談を利用して弁護士と契約しました。
契約時に交わした契約書の概要は 以下の通りでした。
1 成年後見人の選任対応で 着手金22万円。認知症の母のために必要。
2 遺産分割の対応で 着手金 33万円
3 その他実費(申請にかかる印紙代等)が必要。
4 上記のほか、得られた経済的利益が
300万円以下 利益の16%
300万円以上3000万円以下 利益の10%+18万円
(それ以上の決まりあるが省略)

3.弁護士を決めた経緯

私は、遺族間の話し合いによる遺産分割協議が決裂したので、いよいよ弁護士に依頼して今後の事を進めていくしかなくなりました。
その時の最大の問題は、費用はもちろんありますが、「どこの弁護士と契約するか」でした。
私は弁護士に知り合いはおらず、手掛かりになるものとすれば以前入手したチラシだけでした。それは、県の弁護士会が主催する相談制度のものでした。私はそこに電話を掛け、有料の相談を受けることとしました。

私の住む県の弁護士会が行う相談制度は2通り、有料のものと無料のもの、そしてそれぞれに昼間、夜間があります。私は有料、夜間のものを選びました。料金は30分5000円でした。
私は紹介された弁護士事務所を訪問し、初めて弁護士というものに会い、自分の事情を説明しました。
※もし相談する際には、事前に背景経緯をまとめておく必要があると思います。時間制限があり、効率化と相談内容の漏れを防ぐため。

後日、多少の不安があったものの、その弁護士と契約しました。それしか方法がありませんでしたし、 県の弁護士会の紹介なので、ぼったくりはないだろうと考えました。いわゆる合い見積もりは行いませんでした。そこまで行う気力はここに至るまでに使い果たし、残っていませんでした。
加えてその人のスキルは、1回話した限りでは不安はないとはいえ、すべてがわかるものではないと思いましたが、その弁護士へ任せることとしました。

4.費用について 事後調査

契約時に交わした契約書の内容としては 項目2に記載した通りです。
念のため、費用の妥当性を調べてみました。結果、妥当であることが確認できました。
1、2はネット上で見られた金額の範囲内。
3は、当然の事
4は、弁護士会でかつて決められいてた(自由化される前の基準となっていた)報酬表と同じ金額であり、安心しました。

私の事例では、私は弁護士を付けますが、兄は付けない可能性が大きそうです。
私の弁護士費用は私が支払い、争い相手である兄は、たとえ協議が終了しても負担しません。
この金額を払ってもメリットが自分にあるのか。考える必要があります。
金が払えず意地と気合で進めるわけにはいきません。また、そのような案件は弁護士も受けないと思います。

5.契約後の動き

これまでに述べてきたとおり、私の母は認知症です。
遺産分割協議を行う上で認知症の人は、協議をしたり内容の承認はできませんので成年後見人を選任することから始めなければいけません。
私の事例では、この選任に6か月かかりました。この期間は通常より長いそうです(後に選任された後見人から聞いた。詳細は別ブログ参照)。
選任された後見人が母の代わりに協議に加わることになり、協議がやっと始まりました。

6.私の感想

私の事例では、弁護士の力を借りなかったら、相続がそのまま放置状態が続いたかもしれません。
また、専門家の力を借りたとしても遺産分割調停での合意への道のりは楽でなく、脆さも併せ持っていました。
それを解決に導く専門家の力は改めてすごいと思いました。次回の記事でその力のもととなる考え方をまとめます。

終了までにかかる期間は、案件の内容などにより異なるだろうことは言うまでもありません。しかし渦中にいたころの自分はスケジュール感が常にほしいと感じていました。でも、弁護士はいつも「ケースバイケース」と言っていました。
調停が終了した今、本当にそうとしか言えないことがわかりました。

以上、弁護士との契約関係についてまとめました。
弁護士探し、契約なんて、だれも経験がないと思います。
遺産分割協議について、弁護士に依頼するかどうか迷うことがあるかもしれません。私はそうでした。
しかし依頼をして本当によかったと思いました。

この経験がどなたかの参考となれば幸いです。

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