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人間って、案外カンタンには死なないんだな~心の拠り所編~

内科の主治医は運命共同体

内科の主治医は、毎日夕方に来てくれるけど、「一応、内科の所属にはなってる」と言っていた。

ホームシックなっていた私は、早く内科の病棟に戻りたかったが、内科の病棟が埋まっている事と、まだまだ外科での処置が毎日必要な事もあって、カンタンには内科に戻れないらしい。

内科の主治医は、毎日私の所に来てくれては、自分の愚痴を言って、私も今の愚痴を言って、小一時間は愚痴と笑いで賑やかな空間になる。

私が個室だったのもあって、お互いに愚痴は言いたい放題だった。世の中はコロナ渦で、もうすぐ第二波のが到来しようとしているところで、先生方もコロナに対応できるように、研修を受けないと行けないらしい。

私は毎朝の外科回診の時の激痛で鳴いてしまった話や、過呼吸になってしまった話、人間関係なども、包み隠さず話せる主治医は、もう15年近くの付き合いだからなのか、それとも単に同じ匂いがしているのか…。

だが、この関係性は出会った頃から、今でも全く変わっていない。途中で「変な人だな」と思っても、結局のところは私も変な人だから、何ら問題もなかった。

私の全身状態

私を一番悩ませたのが、自分の全身状態と、そのせいで直りにくくなってしまったことは、もはや「悲劇」と言うしかなかった。

愛朝の外科回診で、傷口を洗っていても、傷の状態を確認するために、抜糸した箇所からピンセットを入れても、まだ縫った正面の内側には、空洞が出来たままで中の傷はくっついていないらしい。

毎日、ベッドの周りを囲むように、外科の先生が見ているだけでも緊張するのに、外科の主治医がピンセットやゾンデを持っている時点で、頭の中で痛いと変換されてしまう。

ステロイドが50ミリに減った後は、とんでもないリバウンドがやって来る。

リバウンドは、ステロイドが減ることによって起きる、離脱症状の事で、眠気や倦怠感、関節痛や発熱もあって、リバウンドの期間は、ほとんど何をする事も、出来ないでスライムの様になっている。

私は愛着を込めて、リバウンドの事を「バイーーン」と呼んでいるが、ステロイドが多いままだと精神的にも情緒不安定なままだし、夜中に眠れない事も、日常茶飯事だ。

だから、家族や看護師さんとのちょっとしたやり取りや、何かを言われただけでも、あり得ないくらいに凹んでしまう。

酷い時は、それだけで相手を「敵認定」してしまう時もある。

嫌になって、その人とあからさまに話さなくなったり、繋がっているSNSを病んで消してしまう事もある。

私は自分がそういう状況に陥った時には、自分の殻に閉じこもってしまう事が多いんだと思う。

それでも、2~3日が経てば、正常心を取り戻すことも出来る。

普通の会社や家族のコミュニティと同じで、どうやっても合わない人もいるし、合わせようと努力をしても、相容れない人だって多い。

普段ならそういう人は、付き合わなければ済む話なんだが、入院している以上は、そういう訳にもいかないのは、充分すぎるくらいにわかっている。

ステロイドを服用している時は、人付き合いが本当に難しいのは、いつまで経っても大きな課題だ。

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