見出し画像

自転車のチェーンをかえた話

私は基本、雑なのだ。

雑なのだよ。
とても。

それに行動は遅めも遅めだ。

最近、チャリチャリと自転車のチェーンが鳴っていた。それにペダルが重かった。

『あー、チェーン伸びてきてる。』

最近と書いたが、数ヶ月前からチャリチャリいっていた。ペダルは重たかった。

駐輪場に屋根はあるものの雨ざらし。
チェーンはサビサビもサビサビだった。

そのうえ私は毎日自転車に乗るし
ママチャリでは走らないような距離を走る。

ここ最近は、いつ切れてもおかしくないなぁと感じる引っかかりも、音もしていた。

ママチャリは手軽だし安い。
その代わり自前でメンテナンスし難い。

面倒くさがりで
雑な私は
やっと先日チェーン交換に行った。


他の修理品もあるからと言われ
私は代車を借りた。
ピカピカの青いフレームのママチャリだった。

その子に買い物に付き合ってもらった。

私は自転車生活が長いせいか、はたまた私が「なんとかなる」精神すぎるせいか、カゴに10kgくらいの荷物なら当たり前のように乗せて運転する奴である。
ちなみにカゴに10kg、背中に5kgとかもやる。自転車の限界に挑戦しすぎている。


それでも借りた子は絶好調。
そりゃそうか。
普段は室内に置かれ、メンテナンスもばっちり。

ごきげんな青いフレーム。
あっという間に話しかけた。

「普段は退屈しないの?」

「そうなんだ。ピカピカだもんね」

「今日はね、遠くは行かないよ?」

「やっぱり動いてるのが好きだよね」

「そっかー。でもね、今日は2時間だけ。」


私が変人なのは百も承知。
でも、普段は人に乗られることの無い自転車は自慢げだったから。

言葉や声は発信するのに使い慣れてるから。
それに乗せるのが楽だから。
それ以外の物にも使う。

楽しそうでよかったよ。
遠くまでこいであげればよかったね。
でも、買い物したから。


そして数時間後。
すっかり綺麗なチェーンに換えてもらい
空気もいっぱい入れてもらった私の自転車。

ご機嫌だった。
でもわかる。
私の子は年取ってるよね。

それでも馴染んでるから。

踏み込んだ感じとか
握った感じとか
フレームから感じるものとか。

あと何年頑張れるの?
あと何年乗せてくれるの?

新しくてピカピカで
たくさんの機能のついた自転車は
きっと疲れ知らずで走れるよ。

でもね。
なんてことない自転車が好き。

「あはは、ごめんって。もっとはやく換えてやればよかったよ」

「ブレーキも締め直してくれたんだね。丁寧な人(整備士さん)でよかったねぇ」

「これでしばらくは無茶も…。え?まぁまぁ、今更だよ」


雑な私に使われる物達は
ぶつくさ文句をいいながら
それでも壊れずに居てくれる。
長く一緒に居てくれる。

「え?私がボロボロなことに無頓着だって?」


雑なのだ。
私はとても雑なのだよ。

これはもう
仕方ない。

大切にするから長いんじゃなくて
雑な私に付き合ってくれるから
長いんだよ。

物持ちが良いっていうけど
私の場合、物達の気が長いだけなんだと思う。


あなたの持ち物達はお喋りですか?


物が物である事に誇りを持っててくれて良かったですね。
今、その形を保ってくれる事に感謝を。

サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。