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強烈に覚えている夢の話をしよう(過去のユメモ)

私は割とストーリーのある夢を見るタイプで、強烈に覚えているものがいくつかあります。

今回はそのうちの1つを書こうかな。

その夢を見たのは16歳の時。

良く覚えてるなーと自分に関心してしまう。
でも忘れないって事は、何か大切なんだろうって思ってます。


夢の世界のはじまり、はじまり

✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽

私と専門学校の友達はバスに乗った。
それは学校のスクールバス…だと思ったんだけど、乗ってから何か違うと気づいた。
運転手さんも、バスも、良く見慣れたモノなのに、何か違和感だった。
友達に『ねぇ、降りよう』と言いたいのに、口は動かない。席に座ってしまい降りれなくなった。どうしよう?!絶対変!!

そうこうしているうちに、バスは出発する。
でも、学校に向かっていない。街から離れどんどんのどかになる景色。
友達を見ると楽しそうだ。私も最初は不安だったけれど、次第に『まぁ、間違えて乗ったって言ってまたバスに乗せてもらえばいいか』とか『お金はあるし、最悪市バス乗り換えればいいか』とぼんやり考えだした。

バスはのどかな原っぱに立つ平屋の大きいな建物の前に止まった。
皆降りていくので、私も友達も降りた。
建物は寮のようだ。
優しそうな寮母さんが出迎えてくれた。ちょっと時代遅れの花がらのエプロンをしている。

この夢の中では、バスが進むにつれてある事が起きていた。色が…なくなっていったのだ。ないというか、白黒というか、セピアというか、モヤがかかったような世界になっていた。だから、寮母さんも私達も、建物も原っぱも、古ぼけた写真のようだった。でも、私はある事がおきるまで、その異常事態があまり気にならなかった。

『今日からここで皆で暮らすのよ~』
と寮母さんに言われ、寮を案内された。

大きな食堂には何故か私の飼っている犬もいる。
私に寄ってきたので撫でて一緒に見て回る。

『みんな好きに過ごしていいからね。お金は心配しないでね。』

そっかぁ。ここに居ていいんだ。なんか安心。
私はそう思った。人は沢山居るのに音が静かで、熱くも寒くもなくて、体が水の中にあるみたいにユラユラする。

ぼーっとする。頭がぼーっとしたまま、食堂に戻ると寮母さんが料理をはじめていた。今日はシチューかぁ……

コトンっ。

まな板に置かれたのは人参だった。
その人参だけが淡い色のない世界で赤々としたオレンジ色を放っていた。
目が覚めるような、強烈な、色の主張だった。

私は急にハッとした。
周りを見渡した。
みんなセピア色で、のんびりしてて………でも、あれ?私はここにいていいの?なんで色がないの?学校!!学校行かなきゃ!

寮母さんが振り返る。
優しい顔で
『どうしたの?』
と聞いてくれる。
怖くは無い。でも、この違和感。
もう消せない。

私は
『か、か、帰らなきゃっ!』

と言うと、あっという間に食堂を出た。
寮母さんや周りの子達が何か言ってる。
『戻れない』って言ってる気がするけれど、戻らないと駄目だ!!

此処は…………死者の国の手前だ!!

そう思った。
私は必死に走る。
きっと朝バスに乗った公園に、私の体は残されている。冷たい地面に横たえられる私が想像できる。ダメダメ!こんなの変!

そして公園について見つけた体に、自分を重ねてねじ込んで、戻った。

公園で目が覚めると、私以外の体は消えていて、私は一人間に合ったことを知った。

✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽おわり

と言うわけで、私はあの人参を生涯忘れられないでしょう。

とても心地のいい場所でした。けして傷つかない場所でした。現実が辛いことを知っている癖に夢の中の私は強く「戻る」ことを望みました。

当時、一人ぐらしの折りたたみベッドの上で夢からさめた私は「なんだ…今の夢は?!」となって、すぐに携帯電話のメール機能を使って書き留めたのでした。
とにかく強烈に覚えている夢です。

台詞等は少し違うかもですが、大まかな流れと、鮮やかな人参だけは間違いなくみたのです。

いやぁ、何回か幽霊になる夢とかは見てるんですが、あの特殊な場所に連れて行かれたのはアレだけですね。

辛くない、なにもない、不安もない、気づかなければ「幸せな空気」にいれたのに、それでも命の輝きの前には抗えないで苦しい世界にも飛び込むものなのか………なんて、おとなになった私は思います。

結局、自分の意志でギリギリまで生きてしまうであろうヘタレな私なのでした。


ここまで読んでくれて有難うございます!
あなたはありますか?強烈に覚えている夢。

夢は脳の処理だと、心理云々がーといいますが、
その中に何か大切なモノがあるのかも。

あなたの見る夢が、あなたの事をそっと支えてくれるものだといいなぁと思います。

こんなことや、あんなこと、撮った写真から、何から何まで、書きたいこと沢山書きます。
よかったら、ちょくちょく覗きに来てくださいね。

私がとっても喜びます!笑

サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。