群像劇を群青劇と思ってたころ

「俺さ、ずっと群青劇だと思ってたわけ」

クラス替え直後の教室で、隣の席になった関谷は頬杖をつきながらそう言ってきた。
僕は机をもったまま、何が?と思ったが

「そうなんだ?」

と机を置いた。
席替えなんて、クラス替え早々にするものではないだろう。
教室内はワイワイガヤガヤ。
今日はクラス替えの興奮と、席替えの興奮で皆ソワソワしっぱなしだろうな。

僕はとりあえず、隣の席の関谷に

「僕は汚職事件はお食事券と思ってたよ」

と話し出すことにした。

「僕は汚職事件はお食事券と思ってたよ」

と聞こえて来て、顔を上げると高橋だった。
見慣れた色素の薄い髪が目に入る。
『あいつ、また寝癖ついてる』
1年の時、散々言ってやったのに。
というか、また同じクラスなわけだけれど、なんなの?
と、私は溜め息をつく。
小学校から数えると、いや、幼稚園から数えるとこれで11連続目の同じクラス。
先生たちの地味な嫌がらせなのではと疑いたくなる。

高橋は悪いやつじゃない、いや、むしろ良いやつ?うーん、いいっていうか、こう、そう、優しくはあって、でも、なーんか、頼りないっていうか…………

「そう、うちのポポちゃんに似ている」

私は飼っているペットを思い浮かべる。

「そう、うちのポポちゃんに似ている」

「ポポちゃんがどうしたの~??」

ビックリした顔の香菜が面白くて思わず笑う。
相変わらず、心の声漏れちゃうんだなと思った。

「びっ、くりしたー!!やだ!同じクラスなの?!久しぶり~っ」

同じ学校にいて、久しぶりも何もない気もするけれど、香菜的には、同じクラス久しぶり~な気分なんだろうな。

「うん、久しぶり~。小学校低学年以来だねぇ。また、よろしくね。」

嬉しそうに左右に揺れる香菜のポニーテールが、本当に馬の尻尾みたいで可愛い。

このクラスに香菜がいるってことは…と見渡すと前方に見覚えのある寝癖が。
やっぱり、高橋くんもセットか。
思わず笑ってしまう。

「ふふっ」
「なぁに?笑って、何見てるの?」
「何でもないよ~」
「うそうそ!!何見て笑ったのよ~」

2人とも超がつく鈍感さんだから、なかなか発展しないのよね。
でも、今年と来年は近くで見れるんだから、めいいっぱい応援しよーっと。



群青劇じゃなくて、群像劇…。

隣の席の高橋の寝癖が気になるが、まぁいいや。
人懐っこい奴なのか、俺の呟きを拾って会話をし始めた新しい友達はなかなか良い奴だ。

「似た言葉多すぎだよね」
「なー。漢字になってないとわからん」
「それにしても、クラス替えそうそう、席替えって」
「騒がしいよな」
「だよね!」

クラスを見渡すと2つほど後ろの席の女子2人と目があった。
1人は、なんだろ、なんか睨んでる。
もうひとりは笑ってるけど。
え、俺なんかした?
あ、高橋?高橋を睨んでるの?
こいつ良いやつだよ? 

「なぁ、なぁ」

相手に聴こえるわけもないが、小声で高橋に話しかけた。

「後ろの女子、めっちゃお前の事睨んでるぞ…たぶん」
「えぇ…」

振り返って、高橋は笑顔で女子に手をふった。
睨んでるほうは、睨みっぱなしで、笑っている方は、更に笑いが来たのか堪えるようにしながら手をふっている。

「なに、知り合い?」
「うん。あのね、ポニーテールで睨んでるのが結城で、笑ってるふわふわウエーブなのが神田さん」
「で、お前なんかしたの。結城さんに」
「んー、なんもしてないと思う」

ぽやぽやと答える高橋と、どう見てもきっちりしたタイプの結城を見て、なんとなく察する。

「なんか、飽きないクラスになりそうだわ」

そう、これが群像劇。
俺達の海のような群青色の春の始まりだった。


***************群青劇


はい、30分っと。
やばいやばい。
着替えて仕事にいかないと。
群像劇を群青劇と思っていたkoedananafusiが昔々にいましたとさ。

なんとなく、そう勘違いしてたなって、思い出して、書きたくなって、書いてみた!時間ないのにね!!

とっ散らかってるまま投稿して、仕事してきまーす!


  愛すべき群青色に染まって
     青い春。






サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。