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旭川医大学長の吉田氏は、医師として「人の命を救うためにはどうすればいいか?」と思考する人ではなくて、「医大病院のシステムを自分の思い通りに動かすためにはどうすればいいか?」と思考する人なのだろうと思う。 ●院長解任した旭川医大学長「動物的な勘、間違ってない」

旭川医科大学病院の古川博之院長の解任問題などについて会見した旭川医科大学の吉田晃敏学長=2021年1月26日午後、北海道旭川市
旭川医科大学(北海道旭川市、吉田晃敏学長)が付属の旭川医科大学病院の古川博之院長を解任した問題で、大学は26日、記者会見を開いて理由を説明した。学内の会議の内容を外部に漏洩(ろうえい)したことや、新型コロナウイルス患者の受け入れを巡る吉田学長とのやり取りを恣意(しい)的に報道機関に話して混乱を生じさせたことなどを理由に挙げた。古川院長はいずれも否定している。(井上潜、本田大次郎、原田達矢)  
会見には吉田学長のほか、理事の松野丈夫氏、平田哲氏と顧問弁護士の福田俊彦氏が出席した。  
福田弁護士によると、当事者の吉田学長を欠席させた15日の臨時役員会で、古川院長に情報漏洩などの事実関係を確認。古川院長は否定したが、「複数の証言で事実を認定した」として自主的な辞任を求め、22日までに回答がない場合は解任する、と役員会の総意として通告したという。  
古川院長は「具体的な証拠はない」と主張して解任された。福田弁護士は「裁判で状況証拠や間接証拠から事実を認定することはいくらでもある」「昨年末から事実確認を進めており、役員会としてはこれ以上判断することはない」と話した。問題に関する吉田学長の責任については、週内にも学長選考会議を開いて検討するという。  
吉田学長を巡っては、クラスター(感染者集団)が発生した市内の吉田病院について「コロナを完全になくすためには、あの病院(吉田病院)が完全になくなるしかない、ということ」と発言したとされる。また、吉田病院からのコロナ患者受け入れを許可せず、古川院長によると、「受け入れてもいいが、代わりにお前がやめろ」と発言したという。  
吉田学長はこの日の会見で、「完全になくなるしかない」などの発言については、「あのときの真意は吉田病院のコロナがなくなればいい、という趣旨だったが、切り取られて誤解を与えた。誤解を与えてしまったことをおわびする」と述べた。  
ただ、患者受け入れを許可しなかった判断は、「動物的な勘」だったとし、「僕の判断は間違っていなかった」と主張した。古川院長に辞任を迫ったとされる発言について、「パワーハラスメントでは」との指摘が出ていることについて福田弁護士は「医大病院では当時受け入れ体制が整っていなかった。吉田学長が古川院長の目の前で旭川市幹部に電話をかけ、幹部から『医科大学の出番ではない』と明確に回答されたものであったことを踏まえると、役員会としてはパワーハラスメントとは判断しない」と述べた。  
吉田学長は古川院長との対立が解任にまで至ったことについて、「本来なら学長がいてその下に病院長がいる。明確な上下関係がある。前の院長やその前の院長とはスムーズなコミュニケーションが取れていた」とし、古川院長が報道機関の取材に応じて発言したため「今回はまったく分からないことが進んでしまい、大学が混乱した」と主張した。
■会見、吉田学長の一問一答  会見での吉田晃敏学長との主なやり取りは次の通り。  
――会見冒頭での謝罪は何に対するものだったのか。  「11月17日の学長と副学長の会議において、私の『吉田病院がなくなればいい』というような内容の発言が強調されて切り取られ、多くの方に誤解を与えてしまった。このことは事実なのでおわびしたい」  
「11月8日と13日に私はある病院からの軽症者を断った。それは、私の教員として培ってきた知識と動物的な勘でそういう対応を取った。その後はコロナ対応の病床が32床使えるようになったことからも、(当時許可しなかった)私の判断は間違っていなかった」  
――院長の解任で信用を失墜させたのでは。  
「学長と病院長は明確な上下関係にある。今回は病院長の行動が先行し、状況がわからないまま進んでしまった。職員にも伝わらず大学内で混乱が生じた」
■旭川医大1期生、長期14年学長の吉田氏  
吉田晃敏学長(68)は旭川医大の1期生で、1979年卒。眼科が専門で、釧路赤十字病院眼科部長、旭川医大講師などを経て、92年に同大教授。情報技術を活用した先進的な研究開発を手がけ、遠隔医療の普及に力を入れたなどとして総務大臣表彰などを受けた。  
2007年の学長選で同大出身者では初の学長となった。その後14年にわたって学長に就いている、職員の給与改革など大学病院の経営改善に取り組む一方、19~20年には教授の不正報酬問題など不祥事が続き、管理体制が問われた。
■院長「地域医療をないがしろに」  
旭川医大病院の院長を25日付で解任された古川博之院長は同日夜、報道関係者向けにコメントを出した。  
「本日、病院長の職を解かれました」との言葉で始まる文書で、古川氏は解任に至る経緯を説明。15日に医大の役員会から辞任を求められたが、「解任相当とする具体的事実が事前に告知されておらず、告知・聴聞の手続きにおいては不適正」「ヒアリングでの質問内容は十分な反論も受け入れず、結論ありきのもの」と批判。役員会が指摘する情報漏洩(ろうえい)の疑いも否定したとし、「不利益処分を基礎付けるような具体的証拠は何もない」とした。  
さらに、文部科学省が吉田学長の不適切発言問題などで旭川医大を調査しているさなかに院長辞任を求めるのは、「真実隠しと思わざるを得ない」とし、旭川市の病院の新型コロナウイルス対策で「リーダーシップをとってきた私を解任することは、地域医療をないがしろにしている」とも指摘した。そして、「このような理由から辞任勧奨を拒否」し、「その結果、本日解任ということになりました」と結んでいる。
【引用終わり】
 見出しに上げましたが、旭川医大学長の吉田氏は、医師として「人の命を救うためにはどうすればいいか?」と思考する人ではなくて、「医大病院のシステムを自分の思い通りに動かすためにはどうすればいいか?」と思考する人なのだろうと思います。
 朝日新聞の記事にはありませんが、北海道放送の流した動画記事では、新型コロナの患者の受け入れを断った理由を次のように述べています。
「私が判断したのは、当時の稼働率が、かなり高くて、コロナ以外の患者さんで手いっぱいであろうという、こう見ると、どこの病棟のどこのベッドに、軽症患者を入れられるか?
当然ながら内科の抗がん剤を使ってる人、ステロイドを使ってる人はだめです。まさか軽症の方をICUに入れるわけにいきませんし、そう考えると、どこに患者を入れるかということは、院内コンセンサスとしてはまったくありませんでした」(旭川医大・吉田晃敏学長)
これを総括して吉田氏は受け入れ拒否は【「動物的な勘」だったとし、「僕の判断は間違っていなかった」と主張した】ようです。
ハッキリ言えば、下手な言い訳です。
「コロナ以外の患者さんで手いっぱいであろう」と、現場にいない学長が「動物的な勘」を働かせた。でも、どこの受け入れ病院でも、手いっぱいでも勤務・配置を組み直して受け入れ態勢をつくっています。「旭川医大病院はそれが出来ないダメな病院です」といっているも同然なのですが、ご本人は平気な所が不思議です。
また「どこに患者を入れるかということは、院内コンセンサスとしてはまったくありませんでした」これもバカバカしい限りです。「どこに患者を入れるか」コンセンサスが無ければ、病院内で話し合ってコンセンサスを作ればいいだけの話です。
 つまりこの言い訳は、自分が『コロナ患者を受け入れたくなかった』とはっきり言いたくなかったから、こじつけたにすぎません。
 私は、コロナ患者を受け入れた病院が「是非受け入れたい」と思っていたかは疑問だと思います。
特に当初は正体不明の感染症で、中国からも医師が治療中に感染して死亡したという報道がされていたのです。誰だって死にたくありません。だから最初にコロナ治療に挑んだ医師たちは、「最悪の場合、自分は死ぬ」と覚悟して治療していたはずです。この意味では、第一期の春先までは、患者の受け入れには医師流の特攻精神が必要だったと思います。
しかし半年以上たって コロナ患者受け入れに対してもある程度のノウハウがちくせきされていたのですから、旭川医大学長の吉田氏が医師として「人の命を救うためにはどうすればいいか?」と思考する人であったら、どうすれば受け入れて治療ができるかを美容院の医師看護士と話し合って、受け入れ態勢を樹立できたはずであります。
しかし自分が『コロナ患者を受け入れたくなかった』から、受け入れない為の理由を探すという行動に出たのです。
しかも自分の意見に反対する病院長を、自分の権限で更迭した。更迭の理由は「本来なら学長がいてその下に病院長がいる。明確な上下関係がある」です。その後で「前の院長やその前の院長とはスムーズなコミュニケーションが取れていた」と言っていますが、《上下関係がある前提での、スムーズなコミュニケーション》というのは、即ち、《上の学長の命令に反抗せずに従う》という事に他なりません。
ですから吉田学長が、《自分に逆らう病院長を排除しなければならない》と考えて、その通りに行動したということは、吉田氏の第一の目的が「医大病院のシステムを、自分の思い通りに動かす」という事だと判断できます。
今は、自分の発言「コロナを完全になくすためには、あの病院(吉田病院)が完全になくなるしかない」自分が独裁的だという批判を集めている最中です。そんなときに病院長を更迭したら、さらに批判が集まる事は必定です。しかし、それでも、自分に逆らう人間かいる状態に耐えられなかったから、更迭した。
とするならば、吉田学長の第一の目的が「医大病院のシステムを、自分の思い通りに動かす」という事なのです。

ふと、私は、このようなん考え方の人達が病院経営にあたっているから、コロナ患者の受け入れ病院が増えないのかもしれないと、思いました。
以前に知り合いの弁護士に、「何で弁護士は『国連で慰安婦問題では日本が悪い』とか、国際的に場で『死刑を廃止しない日本は悪い国だ』とかの発言ばかりする弁護士を、弁護士会の役員にしているのか?」という疑問をぶつけた事があります。
その知り合いの弁護士は、『慰安婦問題は言いがかり』『死刑は必要』という意見の人だったのです。
すると、「普通の弁護士は自分の仕事をしたい。仕事が忙しいので、役員の肩書が欲しいとかの政治的な弁護士だけが、役員選出選挙に立候補するから…」と回答しました。
私からすると「なんだそれ…」です。
自分がやりたい仕事をしていれば、それでいい。
自分は弁護士会の 役員なんかやりたくない
だから、自分以外の役員をやりたい弁護士が、自分が所属する弁護士会の役員になって日本を貶めていても、自分には関係ない。
究極の個人主義です。
弁護士会の一員として、自分の払う会費がどう使われるかは関知しない。自分さえ自分の仕事に満足出来ればよければそれでいい。
私は、現場で働く弁護士さんには、それなりに妥当判断をして仕事をしている人が多いと思います。だから、日本の社会は、まあまあ妥当な処に落ち着いている訳です。
同様に、現場で働く医師には、それなりに人の命を助ける為に働いている人が多いと思います。だから、お医者さんにかかる日本人の患者に不満が充満していないのです。
ところが日本には、コロナ患者を受け入れないと判断する病院トップが、多数派です。
これはやはり、医師の世界も弁護士の世界と同じように、人の命を助ける為に医師になった人は、人の命を助ける以外のことはしたくないので、面倒な病院・大学経営などには関わり合いになりたくないと、学長選挙などに立候補しないからのような気がします。
だから「医大病院のシステムを、自分の思い通りに動かす」事を目的とする、極めて政治的な吉田学長が長期間学長の椅子に留まる事態を招いているのではないでしょうか?
今回旭川医大病院で病院長の解任を役員会で議決できたのは、学長が長期間の任期の間に「医大病院のシステムを、自分の思い通りに動かす」為に、自分の命令に従う人物を役人に登用していたからだと思いますが、医大病院の医師達はそれも見過ごしにして勝手にやりたいようにやらせていた。

ですから、医師の皆さんも弁護士のみなさんも、自分達のトップを選ぶ選挙に対してもっと真剣になって頂きたいと、私は考えます。
即ち、医大病院の学長には「人の命を救うには、医大病院のシステムをどうすればよいのか?」という思考の人物に選挙で投票すべきだと考えます。

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