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武力で政権を奪取しようとする人々には、武力で交渉する以外にはないのかもしれない。米軍がドローンでISの自爆テロ計画者を殺害した事は、タリバン幹部にも「米軍を怒らせたら、自分が殺される」と恐怖を植え付けるだろう【引用開始】●米軍 無人機攻撃で「イスラム国」地域組織の幹部2人殺害

アフガニスタンの首都カブールで29日、米軍による空爆があった後、住宅に集まった人たち=AP
アメリカ軍は27日の無人機による攻撃で、カブール空港で起きた自爆テロに関与したとする「イスラム国」の地域組織の幹部2人を殺害したと明らかにしました。… バイデン大統領は声明で、「これが最後ではない」と攻撃を続ける考えを示すとともに、「今後、24時間から36時間の間にテロが起きる可能性が高い」と報告を受けたとしています。
●カブール空港付近の住宅地で砲撃 米軍は自爆攻撃のIS-K車両をドローン爆撃と 8/30(月) 0:18配信【BBC 抜粋】
(アメリカ) 中央軍司令部は声明で、「米軍は本日、地平線を越える自衛的無人空爆を、カブールの車両に対して実施し、ハミド・カルザイ国際空港への切迫したIS-Kの脅威を排除した。標的の爆撃に成功したと自信を抱いている。 
車両が相当の二次的爆発を起こしたことから、かなりの量の爆発物があった様子だ。民間人の被害の有無を判断しているところだが、現時点ではその兆候は得ていない。今後あり得る脅威に対して、我々は警戒を続ける」と述べた。
これに先立ち、米CBSニュースは米軍筋の話として、カブール空港で自爆攻撃を実施しようとした人物が乗った車両を、米軍がドローンからミサイル攻撃したと伝えていた。
さらにAP通信もこれに先立ち、…タリバンの報道担当の話として、カブール空港に向かっていた自爆攻撃犯の車両を、米軍が空爆したと伝えていた。
米ABCニュースの国防総省担当記者らも、米政府筋の話として、カブール空港への「切迫する」「IS-Kの脅威」を取り除くため、大量の爆発物を積み、即席爆発装置(IED)として空港へ向かっていた車両を、ドローン攻撃したとツイートした。
米軍によるドローン攻撃の情報が浮上する前、アルジャジーラやAP通信によると、アフガニスタンの警察幹部が29日午後、首都カブールの空港に近い住宅地にロケット砲が撃ち込まれ、子供1人が死亡したと明らかにした。 空港に近い住宅地から黒煙が上がる様子の映像が、ツイッターなどで広まっていた。
●自由な出国「タリバンから確約」 米国や日本が共同声明
8/30(月) 8:18配信【朝日新聞デジタル 抜粋】
 米国務省は29日、今後もアフガニスタンから市民らが自由に出国できるという確約を、タリバンから得たとする共同声明を出した。声明には日本や欧米諸国など約100カ国が名を連ねているが、ブリンケン国務長官は同日、米NBCテレビで「タリバンの言葉をうのみにしているわけではない。彼らの今後の行動で判断する」と述べた。…  
31日の米軍撤退後も出国が可能になるとみられるが、声明は「この合意を裏付けるタリバンからの公式声明に注目する」とも述べている。  
また、中国やロシアは共同声明に加わっていない。  
(ワシントン=合田禄)
【引用終わり】
今年の初めにイランのソレイマニ司令官が、米軍の空爆で死亡しました。
そして、26日に自爆テロで米軍兵士13人を殺した計画の首謀者が、翌日の27日に米軍のドローン攻撃で死亡しました。
さらに29日には、2回目のテロに向かっていた車両が、米軍のドローン攻撃で爆破されました。
 この事が何をあらわしているのかと言えば、「米国(米軍)を怒らせたら、世界中どこにいても殺される」という事です。  
少し前までの戦争では、軍の首脳はあまり死にませんでした。戦死するのは大抵前線の兵士達で、軍の首脳は部下の将兵に「攻撃しろ」と命令する時に、「攻撃が成功しても失敗しても、自分が死ぬことはない」という前提で攻撃命令を出していたはずです。
例えば、26日のカブール空港での自爆テロを計画したイスラム国の幹部は、実行犯に「自爆テロを行って、天国に行け」と命令しても、自分が天国に行く事になるとは考えなかったと思います。それなのに、全員ではないかもしれませんが米軍のドローン攻撃で、自分達も死んでしまったのです。
 このように米国に情報が筒抜けなのは、米国が20年も居座っていたアフガニスタンだけかもしれませんが、それでも9.11テロの首謀者ウサマ・ビン・ラディン容疑者を10年も追いかけて殺害した執念深さは、世界の人々の知る所であります。
 即ち、今現在は、米国世論が「こいつを殺すことは、良い事だ」と容認するだろうという敵(標的)になったならば、米国大統領と米軍は躊躇なく「その標的を殺しに来る」という世の中になったのであります。
 言ってみれば、米国民は米軍の標的を狙う空爆攻撃での殺害を「必殺仕事人」として受け入れているので、米国の敵の軍隊の(目立つ)首脳は前線の兵士たちと同様に、現実的な命の危機にさらさされるようになっているのであります。
ですから、タリバンの首脳たちも「自分が米軍の敵になったら、自分が殺される」と気が付いているだろうと思います。特に、イスラム国のテロに対して米軍が即座に反撃した事で、米軍の地上部隊が撤退しても、「米軍の気が変われば、いつでも空から攻撃される」と、肝に銘じたと思います。
 私は、数日前までタリバンは「米軍の撤退期限の延長は認めない」と強気だったのに、「31日の米軍撤退後も出国が可能になる」と (表面上では) 穏健路線に戻ったのは、テロ攻撃に対して米軍が即座に反撃したからだろうと、推測します。
やはり、タリバンのように武力で政権を奪取して、恐怖で国民を従わせようとする人々には、武力を見せつけて「死にたくなければ、限界を超えずに大人しくしてろよ」と交渉する以外にはないのかもしれないと、感じました。
これからまた、どうなっていくのかはわかりませんが、アフガニスタンから出国ではない人達が、無事帰国できるように祈っています。

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