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「メルケルさんが、どんな綺麗ごとをいったとしても、頭からドイツを信じない方が安全だ」と思う理由。どうもドイツ人は「自分達だけは (特権的に) ルールを破っても良い」と思い込む傾向があります。だから中国人と気が合うのかも…。●ブランド名変更は「ジョーク」 発表めぐり一時混乱―VW米法人


ブランド名変更はジョークでした―。ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の米国法人が30日に発表したブランド名の変更はエープリルフールの冗談だったと、米メディアがそろって報じた。
発表の草案が前日にホームページ上で一時公開されて混乱を招き、同社の株価にも影響したようだ。
 VWは30日、米法人のホームページや交流サイト上で、米国でのブランド名を「ボルツワーゲン」に変えると投稿。
電圧の単位である「ボルト」と社名を組み合わせたもので、新型の電気自動車(EV)を米国で発売するのに合わせて公開した。
この日、同社の株価は大幅上昇した。
ただ、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、VW独本社の広報担当者は同日、ブランド名変更はエープリルフールに先立って準備したジョークだったと明かした。
同社は「誤解を与えるつもりはなく、新モデルを話題にしてもらうためのマーケティング活動」だったと釈明した。
●「エープリルフール」フライングのVW、メディア各社激怒の広告戦略を謝罪 4/1(木) 【AFP=時事 抜粋】
フォルクスワーゲンは米国法人の名称を「ボルツワーゲン」に変更すると「うそ」の報道発表を行ったことを謝罪した。メディア各社は激怒しており、AFPは「背信行為」だと批判している。  
メディア各社は、今回の発表に怒りをあらわにしている。
VWはディーゼル車の排ガス不正問題からの信頼回復の途上にあることから、あまりに無神経だと指摘する声もある。
AFPの編集トップであるフィル・チェットウィンドは、「われわれは、広報担当者が情報の一部について確認したり、コメントしたりする立場にないことは理解している。だが、虚偽の発表をするとは考えていない」と正式に抗議した。  
抗議文には、「真面目なジャーナリストや報道機関を、VWのような企業がマーケティングや広告の目的で利用するべきではないと強く考える。われわれにとって、これは非常に重大な背信行為であり、二度と繰り返されてはならない」と記されている。  
米紙USAトゥデーのネイサン・ボミー氏も、「これはジョークなどではない。詐欺だ」と怒りを表明。米国にはフェイクニュースの問題があるとして、「VWもその仲間入りをした。もはや信頼できない」とツイッターで非難した。  
うその記者発表を受け、VWグループの株価は30日、独フランクフルト市場で5%近く上昇した。31日の株価は0.8%下落した。
【引用終わり】
「真面目・融通が利かない」事で売ってるはずの、ドイツ系フォルクスワーゲン(VW)が、「楽しいジョーク」で売ろうと思って大失敗。
しかも、4月1日のエイブリールフールネタを、フライングで3月30日に配信。「先んずれば制す」の戦術で、「楽しいジョーク」でも勝利を目指して、真面目にやってしまったのかもしれません。
しかし母国ドイツでならば、こんな失敗も大事にはならないかもしれませんが、米国で「騙された」と怒っているのはマスコミ関係者だけではないと思います。
この発表を受けて、30日VW株は5%上昇の大商い。でも4月以降は、多分、嘘だったと嫌われて大幅下落(だと思います)。
となると、嘘情報に騙されてVW株で大損している人も沢山いる訳で、この人達が黙っているでしょうか?
私は、今、目ざとい米国の弁護士は、VW株で大損した被害者を集めて訴訟を起こすために、駆けずり回っているのではないかと想像しています。
そこで、なぜ今日フォルクスワーゲン取り上げたかと言えば、「どうもフォルクスワーゲンの感覚が、私の感覚とはちょっと違う」と前々から感じていた事を書きたいと思ったからです。
今回も「4月1日には嘘をいってもいい」というルールを、「自分達は2日早めても (=ルールを破っても)問題ない」と受け留めた、奇妙な特権意識を持っていたから発生した事態だと思います。
この「自分達はルールを破ってもよい」という特権意識は、別の時にも現れました。
例えば、数年前に世界を騒がせたVWのディーゼル車の排ガス不正問題は、会社の上層部が主導するような詐欺的不正でした。
出来なかったから隠蔽したという、結果として不正になった不正ではなくて、意図して不正を働いたという意味で詐欺的であり悪質です。
また、去年も、どう見ても変なCMを流して批判されました。AFPから抜粋で引用します。
【引用開始】
●独VW、白人の手が黒人をはじき飛ばすCMに批判殺到 公開停止 (2020.5/21 ドイツ AFP)
フォルクスワーゲンVWは20日、巨大な白人の手が黒人男性を押しのけたりはじき飛ばしたりする内容の動画広告が人種差別的だと激しい批判を浴びたことをめぐり、謝罪した。
 問題とされたのは、同社がインスタグラムのストーリーに投稿した人気車種「ゴルフ」の新型モデルの動画CM。
10秒間のCMでは、建物の前に駐車した黄色い新型ゴルフのそばにいたスーツ姿の黒人男性を、巨大な白人の指先が押したり摘まみ上げたりしてあちこち移動させ、最後には車から遠ざけるように建物の中へはじき飛ばしている。
 19日にCMが投稿されると、たちまち…オンライン上に批判があふれた。
 フォルクスワーゲンは当初「広告の登場人物の素性に意味はない」と強調し、企業方針として「あらゆる人種差別、外国人嫌悪、差別的扱い」に反対していると釈明。「当社のインスタグラム・ストーリーがこれほどの誤解を招いたことに驚き、ショックを受けている」とした上で、広告の取り下げを表明した。
 さらに同社は20日、謝罪声明を発表。何が起きたか調査中だと説明し、「疑いの余地はなく、この広告は誤りであり悪趣味だ」と述べた。
 しかし、ユーザーらは「誰も誤解などしていない。これは人種差別の悪いメッセージだ」「この広告を制作した人々は、自分たちのしていることをはっきり理解していたはずだ」と指摘している。
【引用終わり】
と、このようにフォルクスワーゲン社は、不正や差別など社会的に悪質とされる事を意図して行いながら、「誤解だ」と言って逃れようとして、結局は評判を落とすということを繰り返しています。
ですから、今回の嘘発表も、本当に「楽しいジョーク」だけだったのかという疑問も感じてしまう訳です。
第一、何で2日も早く嘘を発表したのか?
誰かこの嘘発表に関係していた人が、株価が上がった1日の間にVW株を売っていたら、それはジョークではありませんよね。
いずれにせよ、うまく理由は説明できないのですが、フォルクスワーゲンが真にドイツ的だとするならば、ドイツの発言は「どうも信用できない」ように感じてしまいます。
フォルクスワーゲンの「あらゆる人種差別、外国人嫌悪、差別的扱いに反対だ」といいながら、「人種差別の悪いメッセージをこめたCMを流す」という言行不一致さは、ドイツが国際的に人権を主張する優等生のように発言しながら、中国と経済的にべったりである現実に符合します。
40を過ぎたころから「欧米や国連は、口先だけ立派な事を言っている」と気が付いて「国際社会って、こんなものだったのか」と感じるようになりました。
その最たる国はドイツなので、メルケルさんがどんな綺麗ごとをいったとしても、頭から信じ込んでしまっては、また国を誤る事になるので、ドイツのいう綺麗ごとは半値半掛けくらいで聞いていた方がよいと思います。

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