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もし尾身会長が、(本当に)五輪感染を抑えたいのなら、観客も含めた五輪観戦者のワクチンの優先接種を提言するはずです。もはや分科会は、マスコミに祭り上げられて、空のお城にいってしまったのでありましょうか? 【以下引用】 ★五輪リスク 攻防の末の忠告 尾身氏ら「無観客望ましい」


「無観客が最も望ましい」。
18日、尾身茂会長らが世に問うた東京オリ・パラに関する提言は、政府と一体となり、ある時は政治と距離を取ってきた専門家の立場から繰り出したぎりぎりの「諫言(かんげん)」だった。
そのタイミングは、政府が既に「上限1万人」を柱とする有観客開催を打ち出した後。尾身氏と菅義偉首相サイドとの間で繰り広げられた攻防の末の産物は、東京大会を救うことができるのか-。   
夕方、尾身氏は専門家有志5人と並んで日本記者クラブのオンライン記者会見に臨んだ。
「どのようなリスクがあるのか、考えをまとめるのがプロフェッショナルとしての責任だ」と前置きし、7枚に及ぶ提言の趣旨を読み上げていく。
「五輪・パラリンピックは、規模と社会的な注目度において普通のスポーツとは別格」「開催に伴う人流、接触機会の増大リスクはかなりある」…。大上段に振りかぶらずとも、政府にとっては耳が痛いであろう警告を淡々と、連ねていった。  
関係者によると、尾身氏ら有志が、五輪に関する「リスク評価」の検討を本格化させたのは、5月の大型連休明け以降だった。  
それまで、五輪は「政府や主催者が判断すること」と距離を置いてきたが、感染力の強い変異株を主因とするコロナ「第4波」の猛威と、後手に回る政府対応に「黙っていたら、大変なことになる」(主要メンバー)。
専門家の役目を果たさねばと腹をくくったとみられる。尾身氏がタクトを振る政府の基本的対処方針分科会が、諮問案を押し返して政府を翻意させ、「専門家の反乱」と報道されたのと同じ頃だ。  
ただ-。18日の提言は結論として、世論や官邸が息をのんで見守っていた一線は越えなかった。すなわち「五輪中止」。尾身氏はこの日の会見で、「そうした文章があった時期があった」ことを率直に認めた。(東京支社取材班)
【引用中断】
尾身会長の発言が、地上ではなく《空のお城》から聞こえてくるようになったのは、ここ半年ぐらいかな?
年末から年始の感染拡大の時頃までは、まだ「飲食で感染するので…」と、私達一般人にも納得できる発言をなさっておられたのでありますが、近頃では「感染リスクの少ない外出を止めて、人流を止めろ路線」に邁進してしまって、危機を煽りたい《オオカミ少年》になってしまっているようにしか見えません。
「なんだろう、この人?」です。
最も、マスコミが日本記者クラブで会見をセットしたのは、尾身氏に「センセーショナルな発言をしてもらえば、耳目を集める記事が書ける」ので、「五輪中止」を言ってもらいたかったのだと思います。
この意味では、マスコミ諸氏は残念だったでしょう。
しかしそれでも、西日本新聞さんは、まるで「傲慢で悪い政府に、少数の善なる専門家が命を懸けて諫言(かんげん)している」かのような、記事の書きようです。
それでもって、私は白けてしまう訳です。
私の目には、尾身氏は政府御用達の専門家を辞任して、マスコミ御用達の「恐怖をあおって注目されたい・お騒がせ《オオカミ少年》になられた」ようにしか見えません。
尾身氏と分科会は、五輪の開催を決定する立場にはありません。どうすれば安全な五輪に出来るか提言する立場の人達です。とするならば、本来は次の提言をすべきです。
今日本にはワクチンがあります。ですから、観客も含めた五輪関係者が全員ワクチン接種を受けていれば、五輪は安全に開催できるから、五輪関係者には年齢に関係なくワクチンの優先接種をすべきだ。
今は一日で百万人のワクチン接種が進んでいると言います。ですから、五輪の選手だけでなく・ボランティア・警察官・入場券を持つ観客全員にワクチン接種をする事は可能です。
ボランティアには、組織委員会からワクチン接種券を贈ればよい。入場券を持つ人は入場券を接種券の代わりにすればよい。やり方次第で、7月の頭に少なくても1回はワクチン接種をする事は可能なのです。
そして、分科会が提言してくれれば、組織委員会も政府もその提言のままに動きやすくなります。五輪関係者優遇の批判をかわしやすくなります。
それが、本来の分科会の役割です。
個人的に「やめればよい」と思うのはご自由ですが、その立場にないのに五輪の開催云々で記者会見を開くのは、ちょっと勘違いがはなはだしいと思います。
今の状態は、家で雨漏りがするから、専門家を呼んで原因を調査して直してもらおうと思ったら、その専門家は「調べても解らないから、家を壊して立て直しなさい」といったという感じだと思います。
だから政府が、「家に住み続けるか壊すかは (=五輪をやるかやらないか)は、私が決める事で、貴方が口出す事ではありません。私が聞きたいのは、雨漏りがする原因と、どうしたら直せるか (=いかにすれば、安全な五輪が開けるか)です」と、不愉快になるのは当然だと思います。
ですから(繰り返しますが)、本来、分科会が提言すべきは、「観客も含めた五輪関係者が全員ワクチン接種を受けていれば、五輪は安全に開催できるから、五輪関係者には年齢に関係なくワクチンの優先接種をすべきだ」なのです。
なんで、分科会はこの当たり前のことをいわずに、関係ない事を言って余計な混乱を起すのでしょうか?
もう、いい加減 いたずらに (マスコミを喜ばせるだけの) 恐怖をあおる発言は止めて欲しいのです。特にそれが五輪となると、世界に恥じをさらしてしまうので、余計に嫌です。
それでは、西日本新聞さんの記事の後半を引用します。御用とお急ぎでない方は、最後までお読みくださいませ。
たぶん、政府の方で、「五輪をやるかやらないかを決めるのは我々ですが、言論は自由です。ただ、ご自分が『五輪を実施する政府に協力できない』というなら、ご自分でそうおっしゃってください」と、通告したのだろうなという事が読み取れます。
私の個人的な感想では『五輪をやるなら辞職する』という腹が無くて、口軽く『五輪を中止したほうがよい』なんて言っていた人は信用できません。
【引用再開】
■あうんの呼吸で「のめる限界線」
6月初旬。連日のように国会で答弁に立つ尾身氏は「今の状況でやるのは普通はない」など、吹っ切れたかのように「五輪リスク」を口にしていた。五輪中止論に油を注ぎかねない「危険な発言」(与党幹部)に、政府高官は「あくまで個人としての見解」と露骨に顔をしかめた。
さらに、政府への提言提出をちらつかせ始めた尾身氏に対し、「少し黙らせた方がいい」との声もささやかれた。  
「今後のことも含め、調整させてください」。政府関係者によると、新型コロナ対応で日常的に意見交換してきた西村康稔経済再生担当相が首相の意を受け、尾身氏と向き合った。国会での党首討論、英国での先進7カ国首脳会議(G7サミット)が迫り、首相は五輪の命運を左右する重要局面にさしかかっていた。  
尾身氏側は、政府と妥協し合い、合意点を見いだすこの調整を受け入れた。  
提言を取りまとめても、政府に無視されてしまえば意味がなく、専門家は存在しないのと同じになってしまう。政府としても、内容が骨抜きと映れば「圧力をかけた」との疑いと世論の逆風を招く。提言内容は「双方がのめる限界の線」(官邸筋)に着地した。提出のタイミングも、政府の有観客開催発表に冷水をかけず、かつ政府、国際オリンピック委員会(IOC)が観客上限の最終決断を下すより前、で折り合った。阿吽(あうん)の呼吸だった。  
その18日夜。大会組織委員会の橋本聖子会長は会見で、ひと言ひと言に力を込めた。「提言は、(われわれが)熟慮を重ねてきた内容ともかみ合っていた」

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