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北方領土から日本に泳いできて亡命を求めるロシア人男性を、どうしたらよいのでしょうか? 私は、アメリカに出てきてもらった方がよいと思います。東の元横綱の相手は、西の横綱にしてもらうのが正解です。【引用開始】●「国後島から亡命希望」に日本政府が苦慮する理由 ロシアの面会要求が持つ「重い意味」とは

北海道から眺めた国後島。男性は日本への亡命を求めているという
北方領土の国後島に住むロシア人男性が、約20キロ離れた対岸の北海道標津町に姿を見せ、警察に保護された。ロシア側は男性のロシア国籍が確認され次第、男性との面会を求める考えだが、日本側は対応に苦慮することになりそうだ。  男性は日本への亡命を求めているとされる。 
仮にロシア側の要求を認めて男性との面会を認めたり、送還したりするとなれば、人道上の問題が発生する可能性がある上、ロシアの北方領土実効支配を容認することになりかねない。加藤勝信官房長官は、今後の対応方針についてコメントを避けている。
■3年前に国後島に移住、自宅には日本のポスターが...  北海道新聞などが日本政府関係者の話として伝えたところによると、男性は8月19日夕に標津町内で住民が発見。言葉が通じなかったことから警察に通報し、警察官に保護された。「国後島から泳いできた」などとして亡命を求めているという。札幌出入国在留管理局が身柄を引き取って事情を聞いており、処遇を決める。  
ロシア側の報道から、男性の素性も少しずつ見えてきた。ロシアのRIAノーボスチ通信は、関係者の話として「確実に彼であるかどうかは分からない」と断りながら、男性が北海道に渡る前に2人の友人にコンタクトしたことを明かしている。
ひとりに対しては、自分のバイクを海岸に置くので、それをピックアップして売却し、そのお金を送るように依頼。もうひとりには、「『亡命者』はすでに遠くにおり、待たないでほしい」などと書き残したという。  
男性は2011年に在留ビザの問題で日本から国外退去処分を受けたほか、タイやインドネシアのバリでは書類の偽造で身柄を拘束されたこともある、としている。  
一方、インタファックス通信が国後島中部の都市、ユジノ・クリリスク(日本名・古釜布)の当局者として伝えたところによると、男性は40歳前後。
3年ほど前、極東地域の土地を無償提供される制度を利用し、ロシア東部のウドムルト共和国から国後島に移住。国後島南部のドゥボボエ村の廃屋に住み、店舗で荷物を運んだり、トラクターを運転したりと、あちこちでアルバイトをしていたという。
男性は8月17日に姿を消し、村民が自宅を調べたところ、日本のポスターが見つかった当局者は「彼は日本文化を愛していた」などと話したという。
「ロシアに送還するようであれば、日本がロシアの実効支配を容認することに」
日本政府は、現時点ではロシア側への情報提供にはきわめて慎重だ。8月22日午後には、ロシアの在札幌総領事館が日本側とのやり取りについて、フェイスブックで 「日本のメディアが警察関係者の話として事件の詳細を報じているにもかかわらず、日本政府は公式な情報の提供を拒んでいる」 と明かしている。  

具体的には、北海道警が「外国人は札幌の入国管理局に引き渡されているので何も知らないと言っている」のに加えて、海上保安庁は「データが全くないと言っている」。札幌出入国在留管理局については、「東京からの指示がなく、男性の国籍が確認できないため、ロシア総領事館に協力はできないと言っている」としている。  

それでも、ロシア側としては 「その男性のロシア国籍が確認された際には、日本の当局から適切な情報を得て、面会するつもりだ」 という方針を掲げている。  

だが、北方領土が日本固有の領土だという日本側の主張をそのまま当てはめれば、男性は単に日本国内を20キロ泳いで移動したに過ぎない。この点を念頭に、8月23日午前の加藤勝信官房長官の記者会見では、

「ロシアに送還するようであれば、日本がロシアの実効支配を容認することになる」 という指摘も出た。加藤氏は、男性について「札幌出入国在留管理局において、事情聴取が行われていると承知している」などと話したものの、今後の対応についてはコメントを避けた。

「個別案件で、具体的な取り扱い、あるいは今後の取り扱いについてコメントは差し控えさせていただくが、事実関係をよく確認の上、関係機関が連携し、適切な対応を図っていきたい」 (J-CASTニュース編集部 工藤博司)

【引用終わり】

加藤官房長官は「今後の対応についてはコメントを避けた」そうですが、そりゃそうですよ。

何をどうしても、解決策などないのですから…。

今後どうするのかは、(常識的には)大きく分けて2つに別れます。

1 日本に亡命を認める。

しかし、この人物は、かつて日本から国外退去処分を受けて、タイやインドネシアでは書類の偽造で身柄を拘束されたこともある、いわば犯罪者の隣のような人です。

第一、ロシアで迫害されていた様子もありません。つまり、政治亡命の対象になる人ではないと思います。日本に来て「亡命したい」といえば誰でも日本で生活できるという前例を作ってもいけません。

ですから、現行法では、亡命を認めづらいのだと思います。

2 ロシアに送還する。

しかし、現在のロシアでは、国から逃げ出すのに失敗してロシアに戻されたら、政治的迫害を受けるかもしれないので、人道上の問題と云えば言えます。

つまり、犯罪者の隣のような人で、亡命の条件も満たしていないけれど、ロシアに送還したら、ロシア嫌いの西側諸国のマスコミから批判されるかもしれないから、困ったなです。

また、この人物をロシアに送還すると、北方領土のロシアの施政権を認める事になるという人もいます。だから、ロシアに送還をしづらいのだと思います。

つまり、日本政府は「亡命を認めづらいし、送還もしづらい」ので困ってしまっているわけです。「前門の虎、後門の狼」という状況で、前にも後ろにも進めないのです。

とすれば、こういう時には、「動かない」か「脇道にそれる」のがよいです。

1 動かない。「動かざること、山の如し」

今、加藤官房長官が「今後の対応についてはコメントを避けた」ように、今後もずっと「コメントを避け続けて、何もしない」で、周囲の状況が変わるのを待つのです。半年でも一年でも何もしないでいるうちに、ロシア人男性やロシア政府の気が変わるかもしれません。変わらなくても10年後には、みんなこの事件のことなど忘れてしまいます。

もともと大した事件ではないので、解決しなくても、日本の国家の動静を揺るがすわけではありませんので、ほっとく事もできるのです。

2 脇道に逸れる(逃げる)。「三十六計逃げるに如かず」
現在の日本に解決の仕様がないのであれば、親分のアメリカに出てきてもらうという手もあります。

元々、犯罪者の隣の人物をロシアに送還できないのは、アメリカのマスコミなどに叩かれるからです。ですから、アメリカ様に口出しして貰って、その通りにすれば、日本への風圧があっても、日本側は気にしないでいられるのです。

つまり、アメリカの大統領・国務長官・防衛長官が「日本は、亡命を認めるべきだ」と発言したら、亡命を認めればよいのです。この時ロシアは怒りますが、日本側は「アメリカ様の命令なので致し方もありません」と返答できます・

また、アメリカ様が「どうも怪しい亡命だ」などと言ったら、ロシア人の身柄をアメリカ様にお任せする事もできます。いずれにしろ、ロシアの相手はアメリカ様に任せておいた方が、間違いはありません。

日本は、スポーツでも「体重別で戦う」という発想をしません。相撲では、小兵が大きな相手に勝ったりするのを寿ぎます。しかし、柔道が国際化したら「体重別」になったように、同程度の相手で戦う・競うのが国際社会の常識です。

北朝鮮の金委員長だって、あれ程アメリカに大言壮語をしていても、いざトランプ前大統領が「本当に怒ったかも…」と感じると途端に大人しくなって、シンガポールまで出かけて行って、オベッカ使ってニコニコ握手したのです。

ですから、東の元横綱のロシア (ロシア人は今でも横綱気分です)は、西の前頭筆頭ぐらいの日本を、(気分では) 本気で相手にしませんので、西の横綱のアメリカに出てきてもらわないとお話にならないのであります。

日本は小兵なのに、大きな相手が出てきても「逃げるのは潔くない」と、考えてしまいがちなので、国際社会で余分な苦労をしてしまいます。

その昔「小さくとも、キラリと光る国日本」などという本を書いていた政治家がいました。一部の (紙の上の) 教養ある日本人の郷愁をさそう、感覚です。

しかし、まずは、みっともなくても無事を保つことです。

私はキラリと光って、「一部の外国から尊敬されたらいいな」というのは、外交関係者の自己満足にすぎないと思います。それよりも、バカにされても軽蔑されても甘受して、日本の平和と安寧を守ってくれる政治家に敬意を払います。

ハッキリ言えば、このロシア人の事件は些細なことです。しかし、日本政府が変な誇りを大事にすると、こじれる可能性もあります。

私は、近頃の日本政府は「道は前後にしかなくても、野原や森林や険しい山道、場合によっては川を渡るを選べば360度に進めるのだ」ということを忘れているようで、心配です。

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