1分ショートショート:『お空のレストラン』
時計が真夜中を指す頃、一人の少年が膝を抱えて窓の外を眺めます。お母さんが恋しい…。流れ出る涙を拭い、ぎゅっと顔を膝にうずめて。少年のお母さんは少し前にお空へと登っていきました。大好きだったエビフライも、ピーマンの隠れたハンバーグも…もう二度と作ってもらえる事はありません。
テーブルに並んだホカホカの料理。『おいしい?』優しく首を傾げたお母さんの問いかけに、素直に答えられなかった日々がチクチクと少年の胸に刺さります。美味しくて美味しくて、何ばいだってお代わりできたくらいだった