尻手術のその後③ 〜チョコチップクッキーの孤独〜
あけましておめでとうございます。
手術から、あっという間に年が明けました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
私棚卸は、昨年末、数年ぶりにまさしく業務の「棚卸」が早々に終わり、年内中に仕事を終える事ができまして。
ウキウキで友人の元に向かい、年を越しました。
この話をすると「元気すぎません!?」などと後輩に言われたのですが、違うのよ、勘違いしてるの。
体はしっかりアラサー(なんならアラフォー)になりつつあるのに、
精神が20代からあんまり発達してないもんだから、無理をしても大丈夫だと思い込んでいるんだよね。
だからあんまり大丈夫じゃない。
1/2の仕事初めの日には朝から会社でお通じ来ちゃってちょっとしんどかった。もつ煮の食べすぎでしょうか。
さて、手術からついに4週間が経過しました。
4週間、先生の話に数多く出てきたボーダーの数字。
ナカの傷が塞がる、4週間
酒を飲んでもよくなる、4週間
自転車乗ってもよくなる、4週間
まぁ棚卸さん、自転車に乗る事はないのですが、自転車に乗ってもよくなるのがこの病気に関してどんなすごいことかはよく分かる。
だって患部にピンポイントで圧がくる上、そこを支点として足をぐるぐる回すという行為が重なるわけでしょう?
時計の針の真ん中の軸の部分を手術したみたいなもんだよね。そこがガタガタになってたらもう時計として機能しないよね。
だから、自転車解禁されるというのは多分めちゃくちゃすごいことだ。
ちなみにこの4週間、きっちり禁酒は守った。
正確には年内中に4週間は超えていたのだが、大晦日から三が日にかけても飲酒してない。めちゃうまもつ煮を食べた時、死ぬほどビールが飲みたいと思ったけど我慢した。友達が絶対ダメェ!てとめてくれたおかげもある。ありがとね。
痛みは現状全く消え失せた、とは言い難く、お通じの後はやや痛い。まぁ術後に比べればかわいいもんで、「あーいてぇ、くそ」くらいのもんである。
「しぬ、しぬ、ころせ」が
「あーーーーイデデデデ」になり
「あーいてぇ、くそ」になったのだから、
進歩の程は大いに見られると思う。
ただ、一回結構痛くて半休取った。なんかお通じした後、運が悪いと結構痛みが長引くことがある。
…………あらっ、
ウンが悪いと、だって……あらやだっ……。
さて本日は年変わって初めての通院である。
例のごとく、通院後には出勤である。
今日はやや早めに病院についたつもりだったのだが、気づけばすでに待合室で一時間が経過している。
年始早々、おびただしい数の同志たちが痛むSiriを抱えて駆け込んでいるわけだ。うん、分かるよ。つらいよね。あけましておめでとう。
先程、待合室でこんなことがあった。
待合室には三台、三人掛けの座席があり、感染対策のため中央は着座不可。
その一台ずつに私含め女性が一人ずつ座っているという状態。あえてそうしたわけじゃなく、ちょうど他の席に座っていた患者さんが診察を終えてたまたまそういう風に席があいていったのだ。
そこに、新たに患者さんがやってきた。
押し車を押しつつ歩く老婆と、その娘さんらしき付き添いの女性である。
当然ながら、チョコチップクッキーが私である。
受付をするさなか、老婆は足がつらかったのか、そばのソファに腰掛けた。
だが、これだとお連れの女性(関係は分からないが仮に娘さんとしよう)とはどうしても席が離れてしまう。
少し気になったが、まぁでも私(チョコチップクッキー)がどうこうできる位置ではないな…と座ったままだったのがそもそもの過ちだったのだ。おそらく、その時点で私は荷物を持ちお手洗いに立つべきであった。
受付を終えた娘さんが戻ってくるなり、私の前方にいた女性がすっくと立ち上がった。
あら、優しい方がいてよかったな……とほっこり。
受付を済ませた娘さんも「あらよろしいんですか!?すみません、ありがとうございます…!」と、老婆をそちらのソファに移動させて二人で座ろうとする。
が、老婆、先程も書いたが押し車が必要な感じであまり足がよろしくない。立ち上がってソファを移動するのに難儀していそうな感じ。
その時だった。
今度は私ことチョコチップクッキーの左側にいた女性がすっくと立ち上がり、にこやかに席を譲ったのだ!!!!
あっこれは!!!まずい!!!!
娘さんは無事左側の席、老婆の隣に座り、私以外の全員が笑顔を浮かべる!!!
老婆が告げた『みなさん』の中に
チョコチップクッキーは入っていない。
どう足掻いても、孤独。
位置的にやはり私が譲るところではなかったとは思うが、それでも便宜上腰を浮かせたりしたほうがよかったのか?
いやでも明らかお前そこは違うだろ譲る気ないだろってなりそうだし…
あの孤独から逃げる手段、やはり察知してお手洗いにエスケープする以外思いつかん。なぜか妙にハメられた!という気持ちになった。誰も悪くないのに。むしろ全員がいいひとなのに。だからこそ。
一時間半経ってようやく呼ばれました。
診察室に入ってからも少し時間があり、Siri丸出しの状態で診察台に寝転がり待っている時、隣の部屋で診察をしているらしい亀ちゃん先生の声が聞こえてくる。
「だからあなたはね、もう手術するしないとかっていう段階じゃないの。もうどうやって手術しようかって段階なの」
おお、お隣さん、結構重症っぽい。亀ちゃんの語気も少し強めだ…
「ようするにね、まな板の上の鯉っていうか」
!?!?!?!?!?
ン!?!?!?!?!?
「刺身にするか、あらいにするか、そういう段階なの!」
あんま例えうまくないよ!?!?!?!?
あとサイコパスみ溢れてるよ!?!?!?!?
亀ちゃん先生、お隣さんを終えて私の元へ
「はーいこんにちは棚卸さん、ようやく4週間ですね〜傷見させてもらいます」
亀ちゃん先生、基本的に本人の痛みの状態とかをあんま聞かない。年始にちょっと痛かったのとか話そうかなと思ったが忙しいのかテキパキと話しまくっているので、話す気をなくす。顔を見るのもそこそこにSiriを見る。
たぶんだけど、亀ちゃんは私くらいの年齢の女性が10人並んでいたら私を探し出せないと思うが、100個のSiriが並んでいたら私を見つけ出せると思う。それくらい、顔は見ていないがSiriは見せている。
「うん!腫れもだいぶひいてきてよくなってきてます!今三回整腸剤飲んでると思うけど、お通じは一日に何回?」
それ事前資料に書いてきたんだけどな…見てないのかよ。三日に一回ちゃんと書いてるんだけど意味あるんか。
「一日1.2回ですかね」
「そっかー、整腸剤3回飲んで5回も6回も出るひとだったら傷が治ったら整腸剤やめてもいいんだけど、棚卸さんは便秘気味だったでしょ」
「あ、はい。なら整腸剤は治っても続けたほうがいいってことですか」
「…そのほうがいいんじゃないのって言ってるんですよ。傷が治っても便秘が治るわけじゃないから!」
違う違う違う、亀ちゃん、まな板の鯉の患者さん引きずりすぎて語気荒くなってる。私喧嘩売ってるわけじゃないから落ち着いて。
「ぜひつづけたいと思ってました、整腸剤」
これはマジ。
「…じゃあ、その方向で考えましょう」
年始から忙しいの大変だね、亀ちゃん。言うの忘れたけどあけましておめでとう。
「ただ、整腸剤を続けると便が細くなって、穴が小さくなるので、少し広げるための坐薬を出します」
「へぇ!?」
そんなのあるんだね!?ちょっとびっくり。見たことないタイプの黄色い坐薬を見せられる。
「今までは傷があるから坐薬は出せなかったけど、傷が塞がってきたから出せるようになったよ。これからは一日二回やってね」
治ってきて薬が増えるなんてことあるのね。がんばりまーす。
診察後はテキパキと会計も済み、薬を受け取って一人ラーメンに繰り出しました。
棚卸さんはツイ廃だから知っている。「駅名 おいしかった」で検索するとステマ率の低い、普通の人が普通に行ったおいしいお店がヒットしやすいということを。
そんな訳で、『いま村』さんの鶏白湯塩ラーメンいただきました。
通院のごとに知らんお店検索していくのたのしくなってきちゃった。
次回はソトの傷が塞がると言われた術後6週間です。
運命やいかに。
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