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人生初手術が尻⑥ 〜入院4日目・風呂と白米の解禁〜


※本記事では筆者実体験の痔の手術について出来る限りおもしろおかしくレポをしておりますが、経験者の方やこれから経験する方を貶める目的のものでは決してありません。また、上記のような目的としての記事の流用は決して容認致しません。



朝、3:30に起床。


早すぎる。



いやでもさ、日中は昼寝に昼寝を重ねて、さらに就寝が22:00だからね。寝過ぎているくらいである。

職場のLINEのようなものの通知がどっさり来ていて、超超超超超超超繁忙期が確実に同僚たちを蝕んでいるのを感じる。えっまじか、あれだけ仕入れた商品、一日で即完したのか…一週間分と思って仕入れたのに…まじか…超超超、繁忙期。超超超超繁忙期。

ちょっともう寝れそうにもなかった。尻が若干痛い。

頓服薬の痛み止めを飲んでおき、迷った末トイレに行くことにした。朝6時から風呂があるのでパッドの交換頻度が高くなってしまうのはちょっともったいないけれど、もしお通じがありそうなら風呂の前に済ませてしまいたかった。


まぁ何の成果も得られませんでしたけれども。


無駄にパッドのみ替え、またベッドへ戻る。このパッド、消費量がやばい。使い始めて今日で二日目なのに、すでに残り数枚。なんやかんやちょこちょこお金がかかるなぁ。メモしとこ。

ちなみに暇な時間はほとんどこのnoteを書いて過ごしているんだけれど、自分の中でも情報が整理できてなかなかいい。入院生活にnote、おススメである。


そういえばnote以外にも暇つぶしグッズをクソほど持っては来たんだけど、全然活用してないな、と思い、ちょっと他のことをしてみることにした。

あるのはSwitch、パソコン、スマホ、あと書籍。

悩んだ末に書籍にした。理由は、シンプルにこの入院のためだけに買っておいた本があるからだ

そんな訳で朝がくるまで書籍「変な絵」を読むことにした。

こちらはある「絵」に纏わるエピソードがいくつか収録されたオムニバス小説。何の変哲もないはずだったその物語が「絵」の真相に気づくことでガラリと姿を変える。

ちょっと不気味な物語が多いので、サイコホラーとか好きな人の方が向くかと思います。

筆者さんがYouTubeもやっているので、予告で一部分は知っている内容だったけれど、実際読むと予告とは演出をがらっと変えている凝り方にゾクゾクする。手が込んでるなぁ〜。

かなり没頭してしまい、あっという間に朝6時である。はやい。読書って時間溶かせていいな。


さてこの日はお風呂の解禁!

超絶楽しみにしておりました。お風呂も二日ぶり。ほぼ外には出ていないとはいえ、汗かいたり汚れたりは正直あったので本当に切望していた。

術前に「美容に気を遣おう!ワントーン肌色上がったんじゃない?」とかアホなことを言っていたが、結局術後まだ一度も顔すら洗ってない。時間があればひたすら惰眠を貪り、noteを書いていたような気がする。

note、迅速に書かないと詰む。いまこの記事を書いている現時点でもう、術後の夜のあの人生一にも思えた鈍痛を、長い長い夜をうまく思い出せない。

人間の頭って本当によくできている。しんどいつらい痛い苦しいは、霞むようにできているのだ。(だからこれから手術する方、痛みはそんな怖くないぞ。あなたの脳が守ってくれるよ)

断片的に忘れるのが可能ならあのゲームとかあの映画のオチを一度忘れた状態でまたやってみたい観てみたいものだけれど、そういうのに限って濃厚に色づいて絶対に褪せない記憶になってるよね。ダンガンロンパ、記憶リセットしてもう一度やりて〜。

要するにnote、かなり鮮度が大事だということに気づいた。さっさと書かないと日常に脳が溶けていく。日記もこういう原理で書いておくべきなんだろうなぁ。


話が逸れた。6:00から待ち構えていた風呂だが、実際に順番が来たのは7:30頃だった。

何しろ患者さん全員が順番に入るもんだから時間がかかる。風呂はたったの三部屋。患者さんが何人いるかはわからないけど、一人入るたびに湯船を洗浄して沸かし直してくれるという至れり尽くせりっぷりだ。

なぜかというと、痔には本当に本当に湯船に浸かるのがいいからだ。実際私も闘病中に何度湯船に救われたか知れない。事情を全て話してある友人と旅行に行った時も、一晩で多分四回くらい風呂に浸かったと思う。それくらい、あたたかい湯船は尻を救ってくれる。


そして初日に使ったきり活躍していなかったが、

私には秘密道具があるのだ!


有料でアメニティセットをお願いしているため、パジャマとタオルは一日1セット無料で使うことができる。それを専用棚から拝借し、いざ風呂へ。

体をざっと洗う。本来もっときちんと洗うべきかと思ったがどうせこの後すぐ流すんだし!という誘惑に負けた。



湯船入っちゃえ〜〜〜!!!!!



絵面的にザパーン!といきたいところではあるが、さすがに尻が破裂しそうなのでそろりそろりとつま先からインした。

ちゃぷ、と、指先が湯に触れた瞬間、

じゅんわ〜〜〜〜、と染み入るあたたかさ。

そのままそろりそろりと湯に全身を浸ける。

と言っても、小さな湯船だしほぼ半身浴のような状態ではあるが、それでも、



それでも、ああ、超〜〜〜〜きもちいい……。



体が弛緩していく。尻は全く痛くなかった。すごい。むしろ自分でも気づかないような場所がぽかぽかと温まり心地いい。太ももこんな冷えてたんだなぁ。


開けた口にスズメでも止まりそうなツラを晒して湯に浸かること数分。我に帰る。


あ、いかん、持ち時間15分だった!!


急ぐと怖いので、またそろりそろりと湯船を出て、いざと秘密道具を取り出す。


パーフェクトワンフォーカス ¥2,821


ちょっといいメイク落とし〜!!!


別にメイクをしているわけではないが、これは毛穴の洗浄効果があるらしいから。

急いで顔に塗りたくり、優しく擦り込んで、ちょっとの水で乳化させ、お湯でオフ…。


さらに

ロゼット洗顔パスタブラックパール ¥488


ちょっと変わった洗顔〜〜〜!!!


これで無印の泡ネットでこまかーーーいホイップ泡を作って顔を洗い、お顔さっぱり…。


さらにさらに、

ザ パブリック オーガニック シャンプー & トリートメント お試し容量セット 【 スーパー バウンシー 】¥2,178


ちょっとお高いシャンプー&トリートメント〜!!

シャンプー泡立てた瞬間、室内レモングラスの香りで充満してすんごい癒される。たっけぇホテルのロビーみたいな匂い。流した後でトリートメントは髪に揉み込み揉み込み…流し…




そんで備え付けのボディーソープで優しく尻を泡で包んだ。(ボディ系完全に忘れてた)




風呂終了。やりきった。

洗顔もまぁまぁだったけれど、シャンプーとトリートメントは本当にいい匂いでよかった。

この生活、匂いの変化を感じることがまじでほとんどない。食事の時くらいしかないから、たっけぇホテルのロビーみたいな上品ないい匂いを嗅ぐと脳が一気に覚醒してすごい。癒されるとか書いたけど実際は目バキバキになってたと思う。

途中一度ノックされたので、時間ちょっとオーバーしてたのかもしれない。慌てて体を拭き着替えて部屋に戻る。

風呂は心の洗濯よ、なんていうアニメの名言があるが、今までどちらかというと否定派だった。風呂は嫌なことの方がよく思い出す。碇派である。

でも今日のお風呂はなんかちょっとあったな、心の洗濯感。




さてすぐに朝ごはんが来た、のだが。

!?




!?!?



わあっ!!!!


ああっ!!!!!!!



納豆だ!!!!!!!!!!!!




納豆だぁ!!!!!!!!!!


まじでなんでか分からないが、納豆にテンション爆上がりしてしまい写真を撮りまくってしまった。

多分だけど、よく見慣れていて、味を知っていて、味の濃いものの登場に何かのメーターが振り切れてしまったんだろうと思う。出川哲朗が自分の町にやってきた!みたいな高揚感。会いたかったよぉ哲朗!!!

朝食:全粥、白菜の味噌汁、高野豆腐と卵の煮物、納豆、お茶


全粥に納豆、初体験だったけどひんやり納豆をあったかいおかゆが包み込んでくれてめっちゃおいしかったな…

お味噌汁の白菜もとろとろだったし、高野豆腐って久々に食べたけど味しみっしみで美味…

またしても完食しました。ありがてぇありがてぇ。

ごはん食べたら胃が分かりやすく動くので、またお通じ。なんていうかなかなか形にならないんだけど…今はまだこれでいいのかしら。

あと少し動きたくてラジオ体操第一をやった。まじで動けるところないから少し考えないといけないな。

看護師さんからパッドも購入。20枚で460円かぁ〜。ちょいちょいお金必要だよ本当に。



少し寝て、目が覚めてTwitterでカミングアウトなどしていた。

私信
dear Twitterから来て下さった方
わざわざありがとうございます。たのしんでいただけると嬉しいです。
日本人は三人に一人が痔を抱えてるんだって。もし身近にそういう人がいたら本当に辛い病なので優しくしてあげてね。
自分のからだに心当たりがある方、病院コワクナイ!コワクナイヨ!!自然治癒無理だから早めに病院行こうな!!コワクナイヨー!!
あと全ての方に言いたいのはドーナツ型クッションは案外よくないから使い方に気をつけてくれよな!!!



さて、お昼ご飯です。


ついに



ついに白米の解禁


米じゃ米じゃあ!!!!!


昼食:白米、酢豚、もやしと卵の酢の物、ワカメスープ、オレンジ、お茶


米&主食肉。

は?もはや満漢全席じゃね?


入院してから酢の物がやたらとうまい。卵の入った酢の物って初めて食べたけど、酢の味が柔らかいから全然嫌な感じせず食べれちゃう。ワカメスープもそうそうこれこれって味。美味。

そんで肉〜〜!!いやほとんどが野菜ではあるんだけれども!肉と米!米と肉!肉!米!!米米肉!!
ヒャッホー!!!!!!!!!

自我を失うほどはしゃぎながら食べました。あまりにもニコニコしながら食ってるなと自分でも分かったのでセルフィーを撮りましたが、あまりにも小鼻が黒ずんでいて驚きました。美容どうした。

オレンジは切り込みが入っていましたが、無視して皮ギリまで食べました。あまりにも甘くて美味い。

またしても完食!棚卸さんまじでよく食べるわね。


そしてお通じ。メシのあとすぐこの話題ですみません。今日やたらとよくしている…。

でも現時点では全然形をなしていないやつで、ガスと一緒に出てくる感じである。あと結構血はでる。真っ赤な血がポタポタくらいの感じで出るのは割としょうがないらしくて、便器が真っ赤になったり赤黒いどろっとした血が出るのが危険信号だとか。

危険じゃないならいいか〜と思ってはいたけど、よく考えたらトイレにいくたびにまぁまぁの出血をしているわけなので、そりゃおなかも減るし眠くもなるか。

お風呂は朝イチ以外は希望者は20時までいつでも入れるシステムなので、ここでまた一度入っておいた。痛みが分かりやすく減るので、もうお通じのたびに入ろうとすら決意。



この日は亀ちゃんの診察もなく、看護師さんが部屋にくることもほぼなくて、風呂後、人恋しくなりついに友人と電話に踏み切った。

ワイヤレスイヤホンをして寝転がったままぐだぐだとどうでもいいことを話す時間、プライスレス…。終わってみたら結局何を話したか覚えてすらいないくらいどうでもいいことが多かったけれど、こういう時付き合ってくれる友人がいるというのは本当に幸せなことだね。

この記事も読んでくれている旧友がいて、LINEくれて、笑ったよ〜、て言ってくれるだけで私は本当に今までの人生に甲斐を感じるわ。なぜかこの日めちゃくちゃお見舞いLINEいただいて本当ありがたい限りでした。love…



あっというまに夕食

やっぱ米の量すごいよね?


夕食:白身魚の麹焼き(たぶん)、山芋、切り干し大根、ほうれん草ときくらげとこんにゃくの白和え(確か)、豆昆布煮




おっ………と?



配膳は全て蓋つきでされるんですが、開けた瞬間今回はちょっと固まってしまった。

い、いけるか…??

散々メシにはしゃぎ続けてきたが、実はまぁまぁ好き嫌いが多かったりする。

魚は、うん、いける。麹?の味がしみてておいしい!

山芋は好物。いける。サクサクでうんまい。

切り干し大根はちょーーーっと苦手なんだけど…あ、これはしょっぱめの味付けだからなんとかセーフ。

白和え…うん、さっぱりしてる!大丈夫…!

豆ッ……この量ならっ、流し込めっ!!

なんとかなりました。今回も完食。

しかし少し暗雲立ち込めてきた。こういうおばあちゃんちみたいな食事のパターンもそりゃあるよね…!?

棚卸さん、伝統的なおせちの中身みたいな食事は全般的に苦手である。豆の煮物は本当にあんま好きじゃない。

ごはんが楽しみなので、楽しみのままでいたいなぁ。



最早定例となりましたがお通じ。やはり形にはならず。しかも今更だけど明らかに食べてる量よりも出した量の方が少ないんだよなぁ。

この入院期間さぞかし痩せるだろうと勝手に思ってたんだけど、これもしかするとゴリゴリに太るのでは…??


まだまだゆるゆるなお通じからのお風呂。

お風呂、ナースステーションにある受付表に、部屋番号と名前を書いておくと、どの風呂を使っていいのかを看護師さんが部屋に伝えにきてくれる。

今回ここでちょっとミスってしまって、事前に聞いた1〜3の内のどの風呂に入るべきかをド忘れしてしまった。

2…だったような気がするけど……確証がない。
入ってる最中に他の人が来ちゃったらやだしその人も困るだろうな…

一度2の扉を開け、迷って閉めた。それを目撃していた男性がいた。


「大丈夫??」


彼の顔を見た瞬間、アッと思った。

手術の時にいた人だ!!!


回想。この男性である。


きまず!!!!と思った。

向こうはそりゃもう日常だろうけれど、このひとは私の尻穴をガン見したことがあるのだ!!!!

ちなみに俳優のでんでんさんに似ている。

「あ、大丈夫ス」

全然大丈夫じゃないがスン…とした顔して言ってしまった。そう?と彼はナースステーションに引き返す。

私もなすすべなく彼と同じ方向に歩いていく。誰か他の看護師さん、ナースステーションにいてくれ。頼むッ……。



いなかった。無慈悲。


「あの……」
「え?」

どうしようもなく、結局でんでんに話しかける。

「●●号室の棚卸です。お風呂の部屋をど忘れしてしまって…」
「あー、それでさっき部屋の前で止まってたの」

あ、タメ語なんスね?

しょうがないなぁ、て感じに笑うでんでん。PHSみたいなもので誰かに電話をかけて聞いてくれた。

「うん分かった。2番だよ」
「あ、合ってました。どうもありがとうございます」
「いえ、ごゆっくり」

親切にしていただいたのでお礼は言う。だがほんのりと、苦手だな、という感情が灯ってしまった。


サービス業従事10数年の勘が、わずかに警鐘を鳴らしている。まぁ、大体看護師さんの当番のルーチンは前日の夕方頃から翌日の朝までっぽいことはすでに分かっている。

多分ほぼ今日一晩くらいの付き合いだろうし、会話もこれくらいしかないだろう、きっと……。



風呂に入り、眠りについたのは24時頃。

ちょっと寝つきの悪い夜になった。


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