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六車奈々、会心の一撃!

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タレント・女優の六車奈々によるエッセイ集。子育てをしながら働く、ハプニングと全力投球な日常をエッセイでお伝えします。
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#結婚

表裏一体

「うちの奥さんは、本当に大雑把で困る。」 私の友人男性、仮に名前をリョウにしよう、はいつものように愚痴をこぼした。 「部屋は汚いし、洗面台はいつも毛詰まり。仏壇のお供えにはカビが生えているし、冷蔵庫の中はタッパーにいつのかわからないおかずが入ってる。これで専業主婦だよ。どう思う?」 うん。話を聞くと、確かに大雑把な奥さんである。 私も掃除好きではないが、汚い方がもっとイヤだ。だから部屋はいつも片付いている状態にしたいし、綺麗にしたい。 しかしリョウの奥さんは、逆なのだ

約束

両親は、高校の同級生だ。 「足が太いなぁ。でも顔はめちゃ可愛いなぁ。」と父の一目惚れで片思いが始まり、修学旅行で父が告白して、二人の恋は始まった。 スマホが無い時代。厳しい家に育った母との恋愛は苦難もあったろうが、二人は二十三歳で結婚をした。昭和四十七年のことだ。 当時は今ほど簡単に海外へは行けなかったが、二人は奮発をしてハワイへ新婚旅行に行った。 最初に感動したことは、「こんな時間でも一緒にいられる」だった。 門限が厳しかった母は、好きな人と好きなだけいられる喜びを人生

縁結びの神様 Dr.コパさん

あなたは風水を信じますか? 私は一生独身だと諦めていた40歳の時、今の夫と出会い、結婚をした。 ここに至るまでには色々な方のご縁があるが、風水も関係しているかもしれない。 風水で私を結婚へと導いてくださったのは、Dr.コパさん。 コパさんは毎年、干支の置き物を作る。今から数年前、ある番組でコパさんとご一緒させて頂いたとき、翌年の干支である『巳』の置き物を頂いた。 『愛をとる?お金をとる?』 とコパさん。 うーむ。どちらも欲しい。 しかし絶対にどちらかを選択しないとい

起死回生

二十九歳の私は、結婚の夢も仕事の夢も失い、絶望の淵にいた。 ここまでの話は『六車奈々、会心の一撃!』の、 『変身 https://note.mu/nana_rokusha/n/n1ab6605ba071』 『仕事か結婚か、それが問題だhttps://note.mu/nana_rokusha/n/n589237c50768』 で記している。 もし心の傷が目に見えたとしたら、それはズタズタに切り裂かれ、手の施しようがないほど無残な状態だったろう。後にも先にも、これほどまでに辛い

仕事か結婚か、それが問題だ

24歳の私は、売れっ子モデルとして絶好調!大忙しの毎日を送っていた。 そこまでの話は『六車奈々、会心の一撃!~変身~https://note.mu/nana_rokusha/n/n1ab6605ba071』 で記している。 さぁ、いよいよ東京進出だ! 順風満帆な私は、上京を視野に入れ始めた。 そんな矢先、東京でオーディションが入った。やっぱり東京が私を呼んでるのかしらん。 せっかく東京へ行くなら、テレビ局に連れてもらわなきゃ!私は本社の芸能担当マネージャーに連絡をし、ドラ

夫婦喧嘩のすゝめ

夫婦喧嘩は良いものだ。 いや、もちろん喧嘩の最中は本当に腹ワタが煮えくりかえり、 「どついたろか」と思うことなど、しょっちゅうである。 しかしだ。 夫婦喧嘩は、良い面もあるのだ。 それは、人として成長させてくれることである。 しょせん夫婦など、もとは他人どうしだ。 全く違う環境で育ってきた二人が一つの家族を作るわけだから、 合わないことだらけで当然である。 どちらも間違っていないが、お互いの考え方が違うために折り合わないことなど日常茶飯事だ。 しかしこういう場合、『なるほど

竹輪物語

レギュラー番組の収録へ行った時のこと。 その日はいつものメイクさんが休みで、ピンチヒッターの人が来ていた。 20代半ばに見える彼女は、顔が隠れるくらい大きなマスクをしている。 夏だぞ。蒸れないのか? 「マスクしてるけど、風邪引いたの?」 思わず聞いてみた。 「実は、こんな仕事をしていながら恥ずかしいのですが、、、。 肌荒れがひどくて、マスクで隠しているのです。」 「え!ちょっと見せてみて。」 マスクを外した彼女のほっぺたは、真っ赤な吹き出物が大量にできていた。 「うわぁ。