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六車奈々、会心の一撃!

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タレント・女優の六車奈々によるエッセイ集。子育てをしながら働く、ハプニングと全力投球な日常をエッセイでお伝えします。
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#教訓

失言

その日は、MBSラジオ『それゆけ!メッセンジャー』の生放送終わりで、メッセンジャーの黒田さんとランチに行くことになっていた。 黒田さんとレストランに到着すると、すでに黒田さんのご友人、仕事関係の方などが来られていて、5〜6人での食事会だった。 黒田さんと食事に行くのは、どれくらいぶりだろう。私が上京して以来メッキリ減ってしまったが、大阪に住んでいた時は、しょっちゅう飲みに連れてもらったり、黒田家での鍋パーティーに呼んでもらったり、色々とお誘いを頂いたものだ。 当時、黒田さ

若作り女の悲劇

女性はいつまでも若くありたい生き物だが、『若作り』と『若々しい』は大きく異なる。 前者は、服装やヘアメイクで無理矢理若く作ることであり、 後者は、その人自身が若く見えることをいう。 私の個人的な意見としては、 20代には20代の良さが、 40代には40代の良さがあると思うので、 別に必死になって若く見せたいとは思わない。とは言うものの、人から若く見られるとやっぱり嬉しい。嬉しくて小躍りする。おっと、小躍りしてる時点でそれはかなり、いや、めちゃくちゃ嬉しいではないか。そうだ

友からの教訓

その日は、この夏一番の暑さだった。 男は大事なお客様との接待で、ゴルフの真っ最中だ。 ゴルフ場には日陰など殆ど無い。 吹き出す汗を拭いながら、コースを歩いていた。 男とは、私の友人である。仮に名前をヨシオにしよう。 「ナイスショット!」 ヨシオは大声で讃えた。 今回のメンバーは、四人のうち三人が得意先である。 つまりヨシオは、メンバー全てに気を使わねばならなかった。 「いやぁ、さすがです!よく飛びますね〜!」 「今のパット入れちゃいますか!僕なら絶対にスライスだと思って失

大女優の背中

TBS系『カラダのキモチ』でスタジオ収録したときのこと。 その日のゲストは、女優の故・坂口良子さんだった。 私はいつものように、出演者の控え室へご挨拶まわり。 もちろん坂口さんの控え室にもご挨拶に伺った。 坂口良子さんと言えば、大女優。 どんな人だろう。 私はドキドキしながら、ドアをノックした。 「はぁい!どうぞー!」 軽やかな声が聞こえ、その直後スタッフの方がドアを開けて下さった。 中を覗くと、坂口さんは鏡の前でヘアメイクの真っ最中。 「メイク中に、すみません!」 「

人生の教訓

待ち合わせに早く着いた。 といっても、お茶をするほど早く着いたわけでもないので、  駅前で待つことにした。 春の陽気に包まれたその日は、まさにお散歩日和。 保育園児たちが、先生に連れられてお散歩をしていた。 二人一組で手を繋ぎ、お揃いの帽子を被って楽しそうに歩いている。 「可愛いなぁ。」 愛らしい姿にホッコリ癒されていると、中団を歩いていた女の子 (仮に名前をさおりちゃんにしよう)が何かにつまづいて転んでしまった。と同時に、さおりちゃんと手を繋いでいた女の子 (仮に名前をし