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「遠征」についてのあれこれ


お芝居やライブなどのパフォーマンスアートにハマると当然ついて回るのが『遠征』。推し活用語として一般にも浸透しつつありますね。

ちなみに私は、8年前から文楽を見始め、関東在住なので、初めの5年間は半蔵門の国立劇場に熱量低く淡々と通ってました。3年前から急激にハマってしまい、そこで始めたのが遠征。SNSを見ると、大阪の文楽劇場に当たり前のように通う愛好家の方がおられるようです。

過去、宝塚が好きだった頃も多少の経験はあるのですが、友達と一緒に小旅行を兼ねたものだったので、一人で遠征するのは文楽にハマったここ3年くらいのことです。

大阪の文楽劇場への遠征について、経験値が溜まってきましたので、遠征にまつわる成功失敗例を書いてみようと思います。

飛行機か新幹線か

遠征始めた当初は、コロナ禍ということもあり、飛行機と比べて三密度合いが低い新幹線(のぞみ)を使ってました。便の多さ、駅で直前でも乗れる、便を逃しても自由席でリカバリできる、オンラインで購入、予約変更もできる…と利便性では圧倒的。

ただ、お金が飛ぶように無くなっていく…涙。もちろん早めに事前予約してその通りに行けばいいのですが、「週末に体力が残ってたら」「起きた時間次第で便を決めよう」「体力次第で帰りの時間は決めよう」とか、調子に乗ってるととんでもないお金がかかります。

もちろん旅行会社の宿泊つきパッケージツアーなら割安になりますが、自由度は大幅に落ちますよね。遠征初年度の年末、振り返ってみたら全く貯金が増えなくて慄きました。(貯金を減らす前に我に返ってよかった)

そこで最近は飛行機を愛用してます。ほとんどがマイレージの無料航空券で。これはお財布に優しいです。

それほど出張もないお仕事をしてるので、いわゆる「陸マイラー」というスタイル。

普段からできるだけ生活費をマイルが付与される購買経路や決済方法を使う。航空会社はコロナ禍を経てマイレージ経済圏を作ろうと様々な領域に拡大していますので、ショッピングのいろいろな場面でマイルを貯める機会があります。家具など大きな買い物をする時は通販サイトでマイルキャンペーンをやってる時を狙ったり。もちろん航空会社のクレジットカードとマイルが倍増する会費にも初期投資してます。

最近すごいな、と思ったのが航空会社の運営する「ふるさと納税」のサービス。昨年の年末は、サービス普及のためにマイル増額の大盤振る舞い。これにはかなり助けられました。

マイルで購入できる特典航空券も、昔に比べてかなり取りやすくなっています。変更手数料もかかりますが割とリーズナブル。元旦の羽田空港の事故の影響で遠征を取りやめましたが、前日に2000円以下でキャンセルできました。

羽田と伊丹空港であれば1時間に一便のペースですので、思いの外便利です。ただ便の遅れが頻発するのでヒヤヒヤする事が多く、安い分だけ「開演に遅れるかも」という心理的なプレッシャーは強いですね。そうすると前後の余裕を持たせるので、総移動時間は長くなりがち。少しでも不便な時間帯の便を選んでマイルを節約しようとすると、なおさら待ち時間など無駄な時間が増えていきます…

安いけど移動時間は長いというのがデメリットですが、お財布に優しいことを重視して、今は飛行機派になりました。

あと、夕方便で東京に戻る時、夕暮れの関東平野と、ニョキっと突き出すスカイツリーを眺めるのも至福のひとときです。

宿泊するか日帰りか

関東近郊に住んでいるので、羽田にしろ東京駅にしろ、東京に到着してから自宅まで1時間半くらいかかります。とはいえ、新幹線であれば日帰りはまぁまぁ可能。

飛行機派になってから日帰りにチャレンジしてみましたが、ほぼ始発、ほぼ終電になり帰宅時には朦朧としてました(笑)。翌日に疲れを持ち越すので、もはや若くない年齢の自分としては日帰りはできるだけ避けたいところです。もちろん無茶すると、せっかく遠征しているのに公演中に居眠りするという自業自得の罠に陥ります。

宿泊場所

コロナ禍最中はホテル代が割安だったので、文楽劇場に近いなんば近辺のホテルを使ってました。特に、空港バス乗り場の目の前にある「相鉄フレッサイン」がお気に入り。文楽劇場まで徒歩でも15分ほどだし、出がけにホテルに荷物を預けて、空港バスに乗る直前にピックアップできる。ただ、コロナ明けは大幅に値上がりして手を出しづらくなってしまいました。

なんば駅から数駅離れるとビジネスホテルの相場は下がるので、一時期は北浜のチェーン店系のビジネスホテルによく泊まってました。(さらに、北浜だとしても駅から遠くなると少し安くなります)

ただ、荷物を文楽劇場まで持参してコインロッカーに入れたり様々な手間がかかります。

いっときは「せっかくの自分へのご褒美なので良いホテルに泊まろう」と思った事もありましたが、おひとり様の単騎遠征なので結局寝るだけになり、結局は最低限のビジネスホテルのシングルルームに落ち着きました。

旅程

他の観光をせずに文楽劇場公演だけを目的に週末を使うとなると、土曜日は二部、三部のハシゴ、日曜日は一部を見て帰宅、というスケジュールになります。二日で移動しまくるので、月曜に疲労をかなり持ち越します。

なので、金曜日の夜に東京の職場から羽田に直行し、関空行きの便に乗り、関空から直結のエアポートホテルに宿泊するという実験をしてみました。夜8:30過ぎの便なので、羽田空港のお店は殆ど閉まっていて、辛くも一店半分閉めてるお店を見つけ、お弁当をゲット。そんな時間に機内でお弁当を食べてるおひとり様客を哀れに思ったのか、CAさんが追加の飲み物などせっせとお気遣いいただきました。ありがたい…

職場から空港直行は通勤も含めた移動時間がかなり圧縮できるので体力的にかなり良かったです。

また、羽田関空便は便が少ないので不便ですが、時間さえうまくハマれば、機体が小さいので、機内の乗り降りや手荷物引き取りが伊丹便よりかなり早いです。

関空近辺から文楽劇場まで1時間強かかりますが、一泊してお昼までのんびりしてから移動するので、体力の分散ができました。この実験をした時は二泊したので三日目に関空から早朝の便で帰宅。これはこれで朝東京に着いてから用事を済ませられるので良かったです。

今後は帰りだけ伊丹便にして一泊二日でどうなるか試してみようと思います。

その他

関空のエアポートホテルは「ホテル日航」なのですが、ふるさと納税の対象になってます。若干ラグジュアリー感がありお部屋も広いですが、大阪市内に比べると格安。さらにふるさと納税の宿泊券を使ってお安く宿泊できるようです。次の遠征の時に試してみようと思います。

二泊三日の旅程の時は中日に和装をする余裕ができるので、広めのお部屋のホテル日航はピッタリなんですよね。最近はなんとか和装のチャンスを作りたいので、ホテル日航は私のニーズにはぴったりだと思います。

最後に

遠征という超プライベートなおひとり様のお楽しみ、何を重視して何を引き算するか、実験するのも楽しみのひとつ。アレコレ考えるのも仕事のストレスを忘れるひとときです。

もともと単なる文楽鑑賞だったはずが、次第に他の楽しみも含めて広がって、自分のご機嫌をとる手段を模索する良き機会になっております。


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