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野草食日記 327 ホトケノザとオランダミミナグサの肉詰め大根・卵餡かけ

1. ホトケノザと呼ばれる植物は2種類ある

以前、雑草カフェ店主・あゆみんさんのYoutubeチャンネルで、ホトケノザを食べる動画を見たことがあります。
ここでいうホトケノザは、春の七草でキク科のコオニタビラコではなく、シソ科のホトケノザのことです。
なんかややこしいですよね。

キク科のはニックネームがホトケノザで、シソ科の方は本名がホトケノザと言ったら少しはわかりやすいでしょうか。

例えば、木村くんと山田くんがいたとします。
木村くんは本名が木村ですが、山田くんは木村拓哉に似ているから「木村」というニックネームで呼ばれている、みたいな感じかな。ちょっと違うか。(笑)

キク科 コオニタビラコ 通称ホトケノザ
シソ科 ホトケノザ 本名ホトケノザ

ホトケノザという名前は仏様が座る蓮華座に形が似ていることから来ています。
蓮華座とはこれです。

やっぱり本名だけあってシソ科の方がこっちに似てる

2. 美味しくないと思っていたホトケノザを食べるに至った経緯

2年くらい前、友達が家庭菜園に生えていたシソ科のホトケノザを採って食べてみたら美味しくなかったと言っていたことがあります。
見た目からして固くてモソモソした食感なんだろうな、と思っていました。
だからあゆみんさんがYouTubeで生のホトケノザを齧って、パセリに似ていると言うのを、それはやっぱ無理があるでしょうとハスに構えて見ていた私です。

ところが、ところがですよ。
家の横のこれを見た時に、思わず、これは柔らかくて美味しそうだ!と思ったのです。

緑が濃すぎず、大きくて柔らかそうな葉っぱ

畑のホトケノザと比べると、一目瞭然です。

左 家の横に生えていた葉っぱ
 右 家庭菜園に生えていた葉っぱ

ね!
柔らかくて美味しそうと思う気持ち、わかってもらえますよね?!(笑)

私も早速生で齧ってみました。
すると、思った通り柔らかく、モソモソとしていません。
エグ味もなく問題なく食べられます。
あゆみんさんが言うように、ほんの少しだけパセリっぽい香りはしますけれど、これを読んで強くパセリを期待されるとちょっと困るかも・・・。
食べてみようと思う方は、パセリを過度に期待せずトライしてみて下さい。

昨年こちら↓の記事で、いつも食べて青臭いと思っていたハコベが、何故かクセがなく美味しく食べられたという話を載せました。

このハコベは米のとぎ汁を頻繁にかけていたのでぷっくり大きくなったという経緯がありましたが、実は今回採取した柔らかそうなホトケノザも同じく家の横に生えていたため、米のとぎ汁の恩恵に預かっていたというわけなのです。

家事でバタバタしている時に、バケツに入れた重い米のとぎ汁をえっちらおっちら畑に運ぶのはどうにも面倒くさく、いつもお手軽に玄関脇のスペースにジャッと流していました。
ここは、他にもハルノノゲシや去年と同じくハコベが自生していたり、ハーブのタイムやそら豆も植えているスペースです。
ホトケノザも栄養を与えると、大きく柔らかくなって、しかも冬の寒さに当たることで野菜と同じく糖度が上がり、美味しい葉になるのかもしれませんね。

3.  ホトケノザは食べて安全なの?

シソ科のホトケノザは有毒であると書いているサイトもちらほら見かけますが 
実際のところどうなのでしょうか。
あゆみんさんの動画では、ホトケノザの毒性について、雑草料理研究家の前田純さんからいただいたメッセージを紹介して下さっています。
こちらは是非一度見て頂きたいです。

動画の内容を要約すると、

ホトケノザにはイリドイド配糖体という成分が含まれていて、これが酸化すると有毒になるが、微量である。すぐに症状が出る有毒植物に指定されるものは避けなければいけないが、微量な毒をどこまで毒と捉えるのかは植物を教える人の考え方による。

と言うことです。

昨年、森昭彦さんの勉強会に参加した際、
◎日本では春の山菜として食べられている蕗はヨーロッパでは毒草である。
◎日本にはアク抜きという文化があること、適切な処理をして、また適切な量をいただく(つまり大量に食べ過ぎない)ことで安全に食することができている。

という話をお聞きしました。

蕗の方がより毒性は強いでしょうが、ホトケノザもこれと同じことが当てはまると思います。
私はホトケノザは(美味しければ)適切な量を守って食べていこうと思いました。

4. 中国ではどんな風に食べられているのか?!

あゆみんさんの動画の中にもありましたが、ホトケノザは中国語で「宝盖草(ホウガイソウ)」と言います。
宝盖草は全草が薬用とされ、薬効の一例として、骨折の際に骨の再生を促進する、肺を湿らせ咳を和らげる、血行の促進や生理不順など月経に関わる不調を改善するなどの働きがあるようです。
味は辛・苦、性は温または平とあり、身体を冷やす作用はなさそうだなと喜んでいたら、あるサイトには冷え性の人は避けた方がよいと書いてあったりして、今ひとつ素性がはっきりしません。
いずれにしろ、多食しなければよいわけですから、あまりそこらへんは気にしないことにします。

ある中国語のサイトでこのような記述を見つけました。
上が中国語、下が翻訳した物です。

↑中国語を自動翻訳で日本語に↓
自動翻訳、ちょい意味がわからないこともあるけれど、便利!

農民によって収穫され、山菜として食べられる(!)
これは心強いことです。

このサイト以外にも豚肉やネギと炒める、干豆腐と一緒に炒めるという記述も見かけました。
YouTubeでも、卵炒めの動画がありましたので、参考にしてみてください。


5.実際に料理してみる

一度に沢山食べないこと!
などと知ったような顔して書いてはいますが、現実は広くもない庭でホトケノザが沢山採れるはずもなく、お浸しにしよう物ならほんの豆粒くらいの量になってしまいそうです。
そこで、オランダミミナグサと合わせて、肉でかさ増し。
こうしてしまうと、野草そのものの個性は感じられないけれど、それはそれ。
薬効のみいただくという寸法です。

野草を生のままザクザク刻み、玉ねぎのみじん切り・卵・塩・醤油と一緒にひき肉に混ぜ、スプーンでくり抜いた大根の穴に肉を詰めたら、お出汁でコトコト煮含めます。
繋ぎのために肉に混ぜた卵は、そのまま冷蔵庫にしまうと使い道に困って腐らせてしまいそうです。
そこで、煮汁を少し取り分けたところに卵を流し込み、かきたま汁のようにしました。畑の青梗菜をこのかきたま汁でさっと煮て、水溶き片栗粉でトロミをつけたら、肉詰め大根にかけて完成です。

普通に美味しい肉詰め大根
言われなければ野草が入っていることはわからない

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。