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春の野草

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3〜5月に採取できる野草をまとめました。
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#野草料理

野草食日記 360 アオキの蕾とポテトの味噌マヨネーズ和え

先月投稿した「アオキの蕾の麺つゆ漬け」は、酒のアテに一口づつつまむような食べ方が似合っていて、一度に沢山消費できません。 しまいには、食べきれず腐らせてしまいました。 もう少しおかずとしてモリモリ食べることはできないかしら?! ・・・と、思いついたのがジャガイモとマヨネーズで和えるレシピです。 アオキの蕾はそのままだと旨みのないアスパラガスの食感。 下味なしでマヨネーズ和えにしてしまうと、ジャガイモと馴染まず浮いてしまいそうです。そこでまずは薄めた白だしに1日ほど浸しまし

野草食日記 338 クサギとポテトのベーコン炒め

クサギは佃煮にすると美味しく、毎日おむすび作りをする身にとっては本当に便利な野草です。 ひとつ美味しい料理が見つかると同じものを作り続けてしまう性質なのですが、2〜3年も佃煮ばかり作り続けていたら流石に飽きがきてしまいました。 クサギは特有の香りがあります。 それもあって他の料理を試すハードルが高くなりがちで、石橋を叩いて渡るタイプの私には新たなチャレンジがしづらいということもありました。 なので昨年の観察会でクサギを持ち帰った人が、これでジェノベーゼソースを作って美味しか

野草食日記 337 イノコヅチと人参・栃の尾揚げの胡麻和え

山菜、野草の料理法というと、まず天ぷらとよく言われますよね。 アクが強いもの、歯触りや喉越しが良くないものはとりあえず天ぷらにしてしまえば間違いない。 でもね、天ぷらってそうそう毎日食べられないです。 野草でもベニバナボロギクのようにそのままお浸しや炒め物にして美味しいものはいいのですが、そうでないものは天ぷらの時以外は自然と出番が少なくなる。 イノコヅチもそんな野草の中のひとつです。 これは第二次大戦が終わる約2ヶ月前の昭和20年6月20日、食糧がなくて食べることを推奨

北鎌倉野草部 53 個別野草観察会と料理ワークショップ 4月

4月はセイタカアワダチソウを料理するワークショップで募集をしていましたが、早くに満席となってしまいました。 定例の会の募集には間に合わなかったけれど、どうしてもセイタカアワダチソウ料理を食べてみたいということでご希望があり、個別観察会とワークショップの申し込みをいただきました。 前日の激しい雨降りが嘘のような雲ひとつないお天気。 まずは山へ向かいます。 途中、育って葉っぱになってしまったゼンマイやいくつかの毒草を観察して、セイタカアワダチソウが生えている原っぱへ。 3月

野草食日記 333 カキドオシとモヤシの豚しゃぶサラダ

以前にも何度か書いていますが、私は体力に自信がなく強壮作用のある植物で身体を強くしたいと願っています。 そのために昨年はクコを植え、夏にはホーリーバジルを育てていました。 ところが残念なことに、この春、クコは激しいうどんこ病の被害に遭い、思ったほど収穫できていません。 ホーリーバジルはこれから種まきです。 薬草の本をペラペラとめくり、ふとカキドオシの項目を読んでみると、虚弱な老人や子供の強壮剤になると書いてあるではないですか。 カキドオシって子供の疳の虫を抑える野草とし

野草食日記 331 辰巳浜子さんの蕗味噌

私が愛読している「野草の料理」は鎌倉在住の甘糟幸子さんの著書です。 日々の生活の中で四季の移ろいを楽しむように、さりげなく野草を取り入れている暮らしぶりがとても好きなのです。 流れる時間の中で、家族や近しい人たちのために心をこめる料理。 本を読んでいると、柔らかな春の里山の景色や、コントラストがはっきりした夏の青空と濃い木々の緑、赤や黄色に染まる秋の風景の中で、目の前にある植物に向き合い、夕飯の一品を拵えるその指先を想像して、心の中にポワッと蝋燭の火が灯るような温かさを感じ

野草食日記 330 シソ科ホトケノザの活用方法

以前の投稿で、ホトケノザはシャキシャキとした食感はいいけれど、味と香りに特徴がないと書きました。 春になり、裏庭の明日葉の株から新しい葉が出始めています。 明日葉は、今日採っても明日には葉が出てくるほど生育が旺盛といいますが、実は今日採ったらすぐに次の葉は出てきません。 下手すると1ヶ月後だったりします。 うちには3株ありますが、まとまった量を収穫することはできないのです。 悲しいかな、1本か、せいぜい2本くらい。 いつももっと量が食べたいなぁと思っています。 そこで、

野草食日記 299 セイタカアワダチソウのガラムマサラ飯

夫が持って行くおむすびの具にするために、冷凍庫に保存しておいた茹で大根葉を解凍しました。 数時間置いてラップを開いてみると、それはなんとセイタカアワダチソウ。 同じような色合いだったので間違えてしまったのでした。 セイタカアワダチソウは大抵豆腐や豚肉とチャンプルーにするのだけど、生憎冷蔵庫にそのどちらもありませんでした。 しばらく考えた末、ならば大根葉の代わりにいつものふりかけをこれで作ってみようかなという気になりました。 うちの定番の大根葉ふりかけの作り方はこうです。

野草食日記 291  鮭と明日葉のチャーハン

3〜4月とちょっと頑張り過ぎたせいか、ゴールデンウィークは体調を崩し、予定を全てキャンセルし、家でのんびりと過ごしました。 今年は夫もカレンダー通り。 お天気の良い日が続いたので、庭に椅子とテーブルを持ち出し、外でパスタソースを作ったり、野草天ぷらをしたり。 どこにも出かけなかったし、身体は辛かったけど、結構楽しく過ごしました。 少し天気が怪しかった日は、いつも通り猫のいる部屋でお昼ご飯。 残りものの鮭があったので周さんの鮭チャーハンを作ることにしました。 周さんって、

野草食日記 290 こごみと豚肉・長芋の生姜煮

去年からこごみを育てています。 苗を買った時には既に葉が展開していて、当たり前のシダの形でした。 今年の春こそは!自家採取のこごみを食べられると期待していたのですが。 出てきた芽はひょろひょろと細くて、売っているものとは到底違う。 食べられる太さになるまでには多分何年もかけて株を充実させなければならないのだろうと、この時ようやく悟りました。 そんな気持ちを慰めるように、今年はあちこちから「こごみ、いる?!」とのお声がけが。 はじめは茹でてマヨネーズで散々食べ、それにも飽き

野草食日記 289 色々野草のナムル

明日葉を食べたかったけれど、採れたのがちょっとだったので、庭と畑を歩き回り色んな野草を摘む。 明日葉 長命草 三つ葉 オオバコ イノコヅチ それぞれ湯掻いて醤油と黒胡麻と胡麻油で和えた。 ひとつひとつの野草の味わいがハーモニーとなっていい感じ。 オオバコはお初。 ようやく柔らかくて大きいものが育ってきた。 ちょっと苦味があるかな。 水に少しだけ浸してから他の葉と混ぜれば気にならない。 そしてイノコヅチは今の時期に摘むと、割合と柔らかい。

北鎌倉野草部 29 「なな艸の会」4月は天ぷらの味比べをしました

普段なな艸の会は、野草観察をしながらどんな風に食べるのかを口頭でお伝えするスタイルです。でも、様々な植物が天に向かってぐんぐんと育つ4月は、ただ口で伝えるだけでは勿体ない。 見知らぬ植物をただ食べられますと伝えるだけよりも、実際に食べてみることで野草食のハードルが下がるかもしれないという想いもありました。 そこで、この素晴らしい季節に、採りたてのの瑞々しい野草を味わうべく、ご近所にある古民家の庭先をお借りして、天ぷらで味比べの会を開きました。 会場を提供して下さったのはス

野草食日記 283 ミックス野草の餃子

丁寧に育てられた美味しい豚肉をご近所さんと共同購入しています。 地域のお店から出る食べ物の残りなどを食べて育った豚さん達のお肉です。 共同購入の輪にいれていただいた昨年の5月、その豚肉を育てている足柄の「こぶた畑」を見学に行く機会を得ました。 訪れてまず驚いたのは、豚舎が臭くないことです。 下のリンクをご覧いただくと何故臭くないのか、その秘密がわかります。 同じ仕組みを人間のトイレにも応用していて、水洗トイレでないのにこちらも全く臭わないのです。ほんとうに驚きました。

野草食日記 282 葉山の新わかめとクレソン、オニオンスライスのサラダ

葉山のわかめ漁の解禁日が2月28日だったのだそうです。 その日、ご近所さんが連れ立って葉山まで出向き、漁師さんのわかめ漁のお手伝いをしに行ってくださいました。 採ったばかりのわかめ。 大釜で茹でたものを袋に詰めて持ち帰り、町内の皆さんに配ってくれました。 北鎌倉でも私が住んでいる地域は、ご近所の繋がりが活発な場所です。 古くから住む人も新しくやってきた人も関係なく・・・です。 というより、地域と繋がりたい人達が積極的にここに越してくる感もある。 様々な情報を共有する町内L