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共感することと否定すること

ecomom連載記事を掘り出しました。10年前の記事です。子育て中のお母さん向けに書いていました。

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共感することは、わがままな子に育てることになるか
学校やお母さん向けの研修などで「子どもの気持ちを理解することが大切です。共感することが大事です」「子どもの話に耳を傾けましょう」のような話をすることがよくあります。すると「そんなに子どもの言うことを聞いてばかりいたら、わがままな子になってしまうのではないですか?」「なんでも子どもの言うことを聞かなくてはならないんですか?」というような質問を受けることがよくあります。

気持ちに共感しつつ、行動にnoを言う
そんなときには、気持ちを理解するということや、話を聞くということと、子どもの言う通りになるということとは別々に考えると扱いやすい、とお答えしています。

たとえば、公園で遊んでいてそろそろお昼だから帰らなくてはならない時間になったとしますね。

「お昼だから帰ろう」と言っても子どもからは「まだ遊ぶ~。帰りたくな
い~」のような返事が戻ってくる。すんなり親の言うことを聞いてくれないとかなりムッとしますが(笑)、例えば「そうか~、まだ遊びたいんだね」というように気持ちのほうに焦点を当てて、共感的な応答をすることもできます。あなたの遊びたい気持ちがわかっているよ、と理解していることを伝える。

その一方で、今、帰らなければいけない時間なら「でも、もう帰る時間だから終わりにしよう」というように行動のほうについては「ストップ」をかけることもできます。気持ちは理解する。けれども行動については否定や次なる別の行動を提案する、という伝え方。


気持ちと行動を分けて考える
以前、児童館で大声で「まだ遊ぶ~」と叫んでいた子どもに「もう時間だから帰らないと」と言ったら、返ってきたのはより大声での「まだ、遊ぶの〜!!」という叫び。ところが、(カウンセラー根性を出して)「そっか~、児童館、面白かったんだね~。もっと遊びたいんだ」と言ったとたんにおとなしくなって「そう」と返事が返ってきたことが印象的でした。ただ、実は次に「だけど、もう帰る時間なんだ」と言ったとたん、「まだ遊ぶ
~」と続き、カウンセラー仮面ははがれ「何、言ってんの!」状態になってしまったのですが…。正しいやり方で考えてみるに、このときにもう一度「そうなんだ。でも、残念だけど帰る時間なんだ」と繰り返すことが必要だったのだと思います。


気持ちはあるけどできないことも
気持ちと行動とを分けて見ることが出来ると、「気持ちはあるけれども、できない」ということを受け入れやすくもなります。本当に愛しているのだったらもっと時間を作ってくれてもいいはず、家族を大事に思っていたらそんなことは出来ないはず。こういった、行動から気持ちを推論するやり方。
日常ではよくやっているのですが、これにとらわれ過ぎると、自分にとってはあたりまえの「~ならば、~なはず」という「気持ちと行動」との組み合わせが、相手にとっては「え? そんなふうに思ってたの?」というような予想外の組み合わせになってしまっていることも。

手作り1品プラスあとは冷凍食品というおかず作り行動によって作成中の娘のお弁当。子どものことを大事に思う気持ちはいっぱいなんだ、ということを正当化しようという話ではないのですが…。

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