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小説は人を遠くまで連れていく

されどわれらが日々


だれの言葉なのでしょう。

小説の言葉?誰かのインタビューの言葉?

 田部さんの言葉でしょうか



先日、福岡市美術館で

田部光子さんの展示をみてきた。

初めて田部光子さんという女性を知り、

彼女を作品を見て

解説を読んで

生きた日々の形跡がそこには色濃く存在していた。


表現者というのはなんて羨ましいのでしょう。

その時の自分の想いを作品に

作品で訴えかけているようで

時代を超えて、わたしの目の前に存在している。

ただ、見ていなかっただけで。

ただ、知らなかっただけで。

そこにあった。

初めからそこにあった。


田部さんの作品はたくさん展示をされていて

これはなんだろうと思うような作品もあったり

雑誌の切り抜きをペタペタと組み合わせた手法を使っていたり

たくさんのキスマーク💋が付いている作品や人工胎盤には驚いた。

中には好きな作品も見つけた。

その中で、冒頭の言葉を見つけた。

作品に日本語も英語も混ざって様々な言葉がある中で

わたしはこの言葉が何故だか

覚えておこうと思った。

忘れないようにスマホのメモに残した。

その作品は『林檎物語』というもので

田部さんの作品には林檎がたくさん出てくる。

中には半分に切られた林檎が直接貼られていて立体になっている作品もあったりして

それはそれは観る方を楽しませてくれた。

わたしはなんとも平凡な、いや、平凡よりさらに創作力というものが皆無であり、

わたしに犬やドラえもんを描いてみて。なんて言ったら悲惨なことになるったらありゃしない。

その絵を見た友達もバカにするどころか失笑なのだ。

そんなわたしだから、毎回美術館に行く度に思うのである。

どうしたらこんな作品ができるのか。

頭の中の創造をいかにして存在するものとして表せられるのか。

不思議で仕方ない。


目の前のものを模写するのならできる。

ただ、自分の頭の中のものを描くのが難しい。

ましてやその時の自分の感情など

どう表せよう。

言葉で表せられないから、描くのであれば

わたしはもう何で表現ができるのだろう。

空っぽな自分が浮き出てきそうで

考えるのをやめる。


“小説は人を遠くまで連れていく 
されどわれらが日々”

旅先でお気に入りを見つけることができてわたしは嬉しい

ゆっくりと美術館を訪れる時間がとても好きだったりする。

頻繁には行けていないけれど

あぁ、次はどこへいこう


奈々

読んでいただきありがとうございます。どうか、一瞬のことだとしてもそっと残り続けますように。