Another story

私達は意識的にも無意識的にも、
たくさんの選択をしてここに立っている。

だけど、
生まれた場所が違ったら?
育った環境が違ったら?

そもそもここに立てる選択肢はなかったかもしれない。

これはそんな物語。

https://vt.tiktok.com/ZSJXhr5TH/

原案脚本 北村舞香 N.
編集 N.
出演 北村舞香@maika_no_
撮影 もなこ@monakapi_pi
歌 遠藤真結子(サルメカンパニー)@mayuko_5
伴奏 小黒沙耶(サルメカンパニー)
楽曲は緑黄色社会さんの『あのころみた光』をcoverさせていただきました

@はTikTokのユーザー名です。


運命か、必然か。

あのLINEは唐突だったと我ながら思う。

どうしてあのLINEを送ったのか。
あんまり覚えてはないのだけれど、
猛スピードで進んでいく毎日に少し疲れて、なんだかとてもあの子と話したくなって、連絡をした、ような気がする。
不思議に、私のnoteを添えて。

そして、TikTokで映画祭があるから一緒に作ってみない?と誘ってくれた。

久しぶりにワクワクした。
ゼロから1にすることは1から10にするより遥かに難しくて、とても楽しいことをあの子と一緒に学んできたから。

何をしようか。何を伝えようか。

ぐるぐる頭を巡らせ、大阪と香川で繋いだ電話を頼りに、手探りで、でも確かな感触があってこの作品にたどり着いた。

人は多かれ少なかれ、誰かの人生を羨んでしまうことがある。
「あの人の職場は毎日楽しそうだな」とか「あの人が選んだパフェの方が美味しそうだったな」とか。

それは、自分の選択に大きな後悔はなくても、自分の人生にそれなりに満足してても湧き出てしまう感情で。
大切な家族も、大好きな友達も、
気になる人も、あんまり得意じゃない人もいて、ちゃんと楽しい人生でも、
いつだって不意に隣の芝生は青く見えてしまう。

人生は自分で決めるなんて嘘なんじゃないかって。並べられた選択肢、どれを選んでも結局この道だったんじゃないかって。
わたしにはわたしの定めがあって、
あのこにはあのこの定めがあって。
頭で理解はしていても、ほんの少し神様を恨んでしまう。
あのことわたしは何が違うんだろう。
わたしがあのこだったら、なりたかった自分になれるかもしれない。

だけど、
わたしの人生があのこの理想の未来だったら?

わたしなら、あのこなら、
貴方なら、私なら、どうするんだろう。


きっと誰かと比べてしまったことがある人は少なくないと思う。
誰かと比べて、もやもやっとした黒い何かを抱えてしまった人は少なくないと思う。
そんな貴方に届けたくて、私達はこの作品を作った。
そして、作り終わった今となっては、作りながら自分達自身にも届けていたような、そんな気がする。

これはフィクションのようで、意外と身近な物語、かもしれない。


私はLINEが得意じゃない。
電話も好きかと言われたら、わからない。
会って話す方が断然好きだ。
だから、自分の目の前の生活に手一杯になると、どんなに好きな大切な人でも、連絡を怠って、人と距離を置いてしまうことがある。

だけど、この作品を作るきっかけは、私がLINEを送ったからで。
この作品が色づいたのは、あの子の素敵な同期の子が画面におさめてくれたからで。
この作品が音を奏でたのは、あの子の最強の昔馴染みとその仲間の方がメロディーを紡いでくれたからで。
何より、この作品に息が吹き込めたのは、こんなに自由で不器用な私を受け止めてくれるあの子がいてくれたからで。

こんなにも私は支えられている。
苦手だったLINEも電話もあったから、離れている私達みんなが繋がった。
誰かと何かを創ることが大好きだと、また思えた。


苦手が少し好きになれそう。


出会った頃とは、住む場所違う私達。
出会った頃とは、おかれた環境が違う私達。
出会った頃とは、目指す場所も少し違う私達。

それでも、変わらないことは確かにあって、
失いたくないからぎゅっと握りしめた。

私達、今を生きてく。

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