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コロナ禍で変わる住処の判断基準 #それでも家を買いますか?

20年近く、東京の都心に賃貸で住んでいた私ですが、春の緊急事態宣言が明けた直後に埼玉の郊外にマンションを買いました。「 #それでも家を買いますか ? 」、まさしく私に問われているようなお題。コロナ禍がなかったら家を買っていなかったはずの私がどうして踏み切ったのか、振り返ってみようと思います。

部屋の役割を厳格にしてルーティンを作りたい

コロナ禍によりテレワークが9割になりました。さらに職場の方針により、今後も出社比率が5割以上になる可能性がなくなりました。要は今後もテレワークが常態化するわけです。そうなると気になるのが、自宅での生産性やプライベートとの線引き。

私の実家は商売をやっていたので、家の中で仕事するのが当たり前の環境で育ちました。家の中は、「仕事場」と、仕事+プライベートの「コネクティングルームのような場所」、「プライベートな場所」と3つに分かれていました。祖父や両親は仕事場にいる時は全くかまってくれず、コネクティングルームに集まるときにやっと口をきいてくれます。家の中にきちんと場所による線引きがあって規律が守られていました。

職住一体化は新しいことではなく、数十年前は当たり前のスタイルとして機能していたはず。それは部屋の役割がきちんと決まっていたことと無縁ではないと思います。

たまたま地縁があって選んだ埼玉の地方都市ですが、都心から電車で1時間を超えると不動産価格は劇的に下がります。都心の半分から2/3の価格で購入でき、部屋数も多いので、使用シーンによって部屋を分けることができるようになりました。仕事場としている部屋は仕事の時しか入りません。これが在宅勤務のストレスを格段に減らしています。

他拠点生活のベースキャンプとして持ち家を購入

最近は他拠点生活を支援するサービスも増えてきています。加えて、都市計画の実験も各地で活発化してきています。せっかくなので身軽な独り身であるメリットを生かして、そういった街に一定期間住んでみて、未来づくりに参画するというのも面白そうです。例えば、トヨタのスマートシティ。私自身がこれに初期段階から参画するのは無理そうですが、一般にすそ野が広がるタイミングが来たら検討してみたいと思います。


では、持ち家を持たずに、他拠点生活をメインとするか。それもいいかもしれないですが、コロナ禍で未来が全く見通せない今の時代。未来が見えないのであれば、計画もできません。ということは、この後の生き方を1かゼロかで決めること自体がすでに古い考え方だということもできるのではないでしょうか。

もちろん、迷いもありましたが、「気が変わったら売ればいいじゃない」と発想を転換して、「住宅購入=100%それ以外の選択肢を捨てることではない」という発想に切り替えました。それに合わせて買う家を選定し資金計画も立てる。予測できないからこそ、選択肢に余裕を持たせる。そのための知識を身につけたり、複業などで収入を増やす戦略を立てる。それが、予測できない波を乗りこなすには欠かせないマインドセットなのだと思います。

「選択肢の数をどうとらえるか」という選択

昨年3月にコロナ禍が本格化して約1年。コロナによって世界が変わったように見えますが、実はこれまでゆっくり起こっていた変化が加速しただけ、という面が大きいのではないでしょうか。変化が突如加速することで、選択を迫られることの多くなった1年間だったと思います。

劇的に選択肢も増えている中、一方で「選択肢の数をどうとらえるか」という選択を迫られているともいえます。これまでは1かゼロかの選択と思い込んでいたものを、今見えていない選択肢も含めて幅広くとらえる。ありえないことが起こったという現実を踏まえて、今自分が見えていない選択肢が存在することを受け止める。

世の中の変化が速すぎて、自分のマインドセットを追いついていかせるのが大変な昨今ですが、このような発想をすることで、肩の荷が下りて自由な発想が得られるのではないでしょうか。

#日経COMEMO #それでも家を買いますか

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